表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才だった自分に出来ること  作者: 海純/六郎
第一章 小学生編
19/56

17.革命?

 俺は教室を飛び出した。


 少し前―――

 俺は竹男が雄大の本に謎の紙を入れるのを見た。

 直感で何かあるなと思い、俺は自分の席から雄大の席を見ていた。

 カタンッ

 軽くドアが開き雄大が教室に入ってきて自分の席に座った。

 そこから数分特に目立った動きはなかったので、俺はトイレに行こうと雄大の席の横を通ったとき雄大と目があった。

(絶対に仲直りしてやる)

 俺は早足でトイレに向かった。

 トイレを済まして教室に戻ると雄大がいなかった。

 雄大の席に近付く。

 机の上には開いたままの本とクシャッと、なった紙が置いてあった。

『体育館の裏に来い』

 俺はその紙を握りしめ教室を飛び出した。

 廊下で英隆先生とすれ違った。


「おい、御堂もうすぐ授業だぞ。早く教室にいけ」


 と、言ってきた。

 俺はこんな時に嫌な人とすれ違ったなと、自分の運の無さを恨み言い訳を考えた。


「と、トイレにいってきます。大の方で」


 苦し紛れの言い訳をした。

 俺が必死の顔をしていたから別の意味で捉えてくれたのか、「急いで行ってこい」と言われたので俺は全速力でトイレではなく体育館の裏に向かった。

 階段をかけ降りる。

 途中ですれ違った生徒や先生に変な目で見られた気がしたが気にせずに走る。

 体育館に近付いたところで、俺は1度息を整え向かう。

 そこで俺は不思議なものを見た。

 竹男の取り巻き達が雄大に一切蹴りを当てていないのだ。

 その光景をみて不思議に思っていると、竹男が動いた。

 竹男は雄大に近付き雄大を蹴ろうとした。

 俺は思考より先に体が動いた。

 素早く雄大に近付き、竹男の蹴りが当たるであろう場所に足を出した。


 トンッ


 竹男の蹴りが俺の脛の当たりに当たった。

 俺は一度雄大の方を見た後、


「遅くなってごめん、雄大」


 そう俺は決め台詞ぽく言った。

 竹男の方を見る。

 竹男は、俺の登場が許せないのか顔を赤くして怒っていますよオーラが出ていた。

 すると竹男が俺を殴ろうと拳を握り振り上げた。

 俺はその拳を止め、力を別の方に逃し、竹男の足を払って転ばせた。

 その後すぐ竹男は立ち上がり蹴ろうとする。

 俺はその蹴りを避ける。

 竹男は諦めずにすぐ次の蹴りを出した。

 俺はそれも避け、竹男の足を持ち流してもう一度転ばせた。

 すると竹男はこっちを見た後、


「金銀銅、進一を攻撃しろ」

 

 竹男は、取り巻きに指示を出した。

 俺は取り巻きの方を見て軽く身構えた。

 しかし、取り巻きは一切動かない。

 それどころか雄大に手をかし、起こしていた。


「何してる、早く俺様に加勢しろ」


 竹男が大声で言う。

 しかし、取り巻き達は知らない振りをして逃げ出した。


「金次、白銀(しろかね)銅島(どうじま)、何処にいく、俺様を助けろ」


 と、逃げていく取り巻きに向かって大声で言った。

 あの3人そんな名前なんだと思ったのは内緒。

 俺は取り巻きが逃げた方を見た後……


「仲間は居なくなったみたいだな」


 竹男に向かって言った。

 竹男は顔を更に赤くしこちらに殴りかかってきそうだったので、雄大に「逃げるぞ」、と言い、俺らは走り出した。

 後ろを見ると竹男が凄い顔で追ってくる。


「進一、何処に行くんだ」


 雄大が走りながら聞いてきた。

 俺は、雄大の方を見た後に「教室に」と言った。

 雄大は「わかった」といい、全速力で階段を2人でかけ上る。

 後ろから、ドッドッドッといういかにも重そうな足音が聞こえてきたが構わず走る。

 そして、俺達の教室がある廊下につき、ラストスパートと言わんばかりに走る。

 後ろから聞こえてくる足音が近づいてくる。

 俺達は教室のドアを開け、入る。


 ドンッ


 という音がすぐ後になった。

 ドアが思いっきり開いたのだ。


「御堂、許さねぇ、俺様は正義だ」


 竹男が訳のわからないことを言って入ってきた。

 俺は、ニヤリと笑い、「予定通り」と呟いた。

 すると俺と雄大の後ろに人がたった気配がした。


「御堂、三嶋、木下、これはどういう事か説明してもらおうか」


 英隆先生が怒鳴り声をあげた。

 そこで、俺は雄大の肩に手をおき、笑顔で言った。


「御堂、トイレに行って来ました。それと紙がなかったので三島くんに取って来てもらったので一緒に来ました」


 俺は嘘で固めた言い訳を悪びれもなくあたかも本当のようにいった。

 すると英隆先生がほぅと言って顎を触った後、竹男の方を向いて、


「で、木下は」


 と、言った。

 その時、竹男は「嘘つくな」と言い俺に殴りかかってきた。

 俺は足払いをして転ばせた。

 竹男は立ち上がり蹴ろうとしてきた。

 俺は竹男の足を横へ流す。

 竹男は体のバランスを崩し転びそうになる。

 しかし、竹男は体制を建て直し、殴りかかってくる。

 俺はふうと息を吐き避ける。

 その拳は俺の後ろにいた英隆先生に当たった。

 それと同時に誰かが「暴力反対」「サイテー」という声が響いた。

 英隆先生は今にも怒りそうだったのに何故か黙ってた。

 すると何処かから「革命だ」と言う声が聞こえた。

 それを境に、あちこちから「革命」や「面白い」等の声が響いた。

 竹男は真っ赤な顔でその場に座り込む。

 その後皆思い思いに話す教室を英隆先生が締め、竹男は連れてかれていった。

 前にも聞いたような怒鳴り声が廊下から響いた。


 この出来事が原因で俺が普段とちがうことをすると革命と言われることを俺は知らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ