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天才だった自分に出来ること  作者: 海純/六郎
第一章 小学生編
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9.説教

 ついさっきの休み時間、雄大が竹男達と共にどこかに行ってから戻ってこない。

 俺は常に時計を気にした。

 俺の記憶が正しければ次の理科の教師は、時間に物凄くうるさかったはずだ。

 雄大は、俺に比べ凄く優等生で先生達に信頼が厚い、滅多なことでは怒られない。


 ガラリ……


 授業開始30秒前、教室の扉が開いた。

 俺は雄大が戻ってきたのだと扉のほうに顔を向けた。

 扉の前にいたのは、理科の教師だった。

 内のクラスの理科を担当をしている英隆(ひでたか)先生だ。

 眉間にシワをよせ少し長めの物差しで肩を叩きながら教室へ入ってきた。

 教室の何処かから「機嫌悪そう」という声が聞こえてきた。

 英隆先生は、ギロリと声の主が居るであろう方向をにらんだ。

 俺は先生の視線の先を追った、視線の先にはビビって縮こまっている男子生徒がいた。

 俺は、怖いなと出来るだけ気配を消した。

 そんな事を過ごしているとチャイムがなった。


 バチン‼️


 チャイムの音を遮るように音が響いた。

 英隆先生が持っていた物差しを教卓に思いっきり叩きつけたところだった。

 クラスメイトは皆ビクッと体を軽く震わせている。


「何で、全員揃ってねぇんだ!」


 先生の怒号が響く。

 先生は空いている席を1つづつ睨んで、もう一度物差しを教卓に叩きつけた。


「いつも2分前行動を心掛けろって言ってるよな」


 怒りのこもった声はどんどん言葉を重ねていった。

 俺は、心のなかで(短気かよ)と思っていたが口にはしなかった。

 先生はどんどん声を荒げ説教を始める。

 その声がうるさく感じた俺は頬杖をするように片耳を塞いだ。

 すると先生はこっちを睨み、軽い舌打ちをして言った。


「御堂、普段学校に来ないんだから人の話ぐらいちゃんと聞けよ」


 こっちに飛び火してきた、最悪だ。

 俺はため息をしながら、先生を睨み付けた。


「ああ!?何だその目は、ふざけてんのか、ああ!?」


 と、本当に教師なのかと思う口調でこっちを見て怒鳴る。

 俺は仕方なく、背筋を伸ばし軽く睨み付けるようにした。

 すると先生はふん、と鼻をならし黒板にチョークを叩きつけるように何かを書き始めたが、今日やる内容はとっくの前に覚えていたから、いつも通り窓の外を眺めた。


 カラカラカラ……


 そぉーと扉を開ける音が聞こえた。

 開いた扉から顔を出したのは、竹男だった。

 竹男は直ぐに先生に見つかり、先生と共に廊下へでて説教を受けていた。

 英隆先生が竹男を怒る声は廊下から教室にまで聞こえていた。

 雄大は何処に行ったのだろうか、そんな事を考えなから俺は、教科書をペラペラとめくった。

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