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〜呪いの認知〜

「ピヨピヨ」=贈り物です

「どうしたんだ?ピヨ助。」

「ピヨピヨ。ピヨピヨピヨ、ピピヨ」=僕の雇い主から伝言です。『あわれな狼よ。これを受け取れ。そうすれば、君が赤ずきんの小娘に対する嫌な予感の理由がわかるぞ』以上です

「わかった。読んでみるよ。でも、これどうやって読むんだ?」

狼は真面目に本の表紙を指す。

ピヨ助はそこからかと、くちばしを開けて唖然とする。

「ピヨピヨ、ピヨヨピヨ」=これには魔法がかかってて、読む人の読める字になってるから平気

ピヨ助はしばらくして、返答する。

速やかに狼の元から離れたピヨ助は、心の中で神々にガッツポーズをとった。すごいでしょ!頑張ったでしょ!褒めて!と。

普段真面目に仕事をし、暇な時間を過ごすピヨ助も褒められることを一番嬉しいと思っている。褒められて伸びるタイプなのだ。

「じゃあな。ピヨ助」

「ピヨピヨ」=じゃあな

「…ふう。本当に読めるのか?」

信頼できるピヨ助を疑うやけじゃないが、半信半疑で本のページに手をかける。

そして1ページ目で、本物だと気付く。

「赤ずきんちゃん…?」


***

**



さて、ピヨ助にはまだ仕事があった。

狼の次には赤ずきんの元へ行くのだ。

「ピヨピヨ」

「あら、小鳥ちゃんおはよう。」

おばあちゃんの家で洗濯物を干していた赤ずきんは、ピヨ助に声をかけ、右腕を差し出す。ピヨ助は大人しく、その人差し指に乗る。

ピヨ助の言葉は赤ずきんに言葉はわからない。でも、それでよかったかもしれない。ピヨ助は言った。

「ピヨピヨ、ピピピピヨピ。ピヨヨピピ。ピヨヨ」=(僕の友達の狼に悪さしてみろ!僕がただじゃおかないぞ!僕は神様の手下なんだぞ。信頼されてるから、必ず天罰を下してもらえるんだぞ。怖いだろ!)

要は、ピヨ助は狼の友達が恋してる赤ずきんに、[あいつは君の話をする時すごく嬉しそうなんだ。ありがとう。でもあいつを独占するなよ。だけどこれからも仲良くしてやってくれ]と言いたいのだ。ピヨ助のような小鳥にも素直じゃないところがあるわけだ。

まあひと通り言い終えたら、すっきりしたようで、ピヨ助は赤ずきんの洗濯籠に本を落とし、近くの木に止まる。ミッション完了。

「なあに?」

赤ずきんはピヨ助が急に飛んだ事に驚き、洗濯籠へ近寄った。

そして、中の本を取り出し疑問を浮かべる。

「赤ずきんちゃん?」

「ピヨ」=(そうだよ。)

「これ私に?」

「ピヨ」=(そうだよ。)

「なんで?」

「ピヨっ⁉︎」=(知らないよっ。神様に聞いて!)

「そうよね、小鳥ちゃんに聞いてもわからないわよね。もらっていいの?」

「ピヨピピ」=(僕はバカじゃないぞ!馬鹿にするな!)

どこかカチンときたピヨ助であった。

だが、反抗してる間に赤ずきんは笑って本を抱いていた。

「ありがとう。」

素晴らしく明るい表情で、ピヨ助に言う。

「ピヨピヨヨ〜」=(あいつが惚れるのわかる気がするわ〜)

「またね。おばあちゃ〜ん!」

ピヨ助に手を振ると、ピヨ助を残し、赤ずきんは好奇心旺盛なただの子供のように、家の中に走り去って行った。

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