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〜ママと呼べなくなった日〜
「いい?何があっても生きるのよ。」
ママが僕に強く言う。
もう二度と会えない気がして。そんなわけないのに。
「いやだ行かないで!」
「ごめんね、可愛い坊や」
ママはとても悲しそうに言う。
これもそれも全部嘘だ、ママはどこにもいかない。
でも、嘘のはずなのに、とても悲しい。
「やだ、やだ、やだ!ママー!」
「だめなのよ、さあお逃げなさい」
母狼がチビ狼を急かす。
他の狼の足音がする。
「急ぎなさい、気をつけてね」
やっと僕は走り出す。
他の狼は僕を殺そうとしている。僕は気づかない。ただママに言われるままに走った。
「またあとでね!」
心のすべての希望を乗せて、一度振り向いて叫んだ。
巣穴が見えなくなって、狼から隠れて、何日も何日も森をかけた。
そんな時ママの言葉がわかった。
僕は狼に殺されそうだったんだ。
ママは僕を守ってくれたんだ。
もうママには会えないかもしれないんだ。
当たり前がどんなに儚いかを、僕はその時に知った。でも今の今まで僕は忘れていた。




