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四十五話 王都へ

 ドラゴンの襲来により危機を迎えていた街は無事ヒーロー「ジャスティス・ロウ」のお陰で平穏を取り戻した。そして、そのヒーローは颯爽と去って行った。


「あーあ。行っちゃったね、ヒーロー」


 颯爽と去って行ってしまったヒーローにがっかりリンさん。私も少しはお話したかったなぁ。そんなに急がなくてもゆっくりしていけばいいのに。街のみんなも歓迎してくれるだろうし。


「あっ、でも、今から追えば追いつけるかも! 向こう行ったよね!? 行こうよ!」


 ロウさんが去って行った方向を指差し追いかけようと急かすリンさん。でも、ロウさんすごい速さで去って行ったし追いかけても追いつけないと思うけどなぁ。


「駄目駄目。行かねえよ」

「えー、いいじゃん。行こうよ」

「駄目だっての。あいつが行った方向とこれから俺達が行く方向全然違うだろ。寄り道してる時間はねえの」


 急かすリンさんをなだめるシオンさん。ロウさんが行った方向と私達がこれから行く方向が違うと。もう次に行くところ決まってるんだ。


「これからどこに行くんですか?」


 次はどこに行くんだろう。って言うか、今居るここの街はどこなの? ドンさんに連れて来られたのはいいけど未だにここがどこか分からない。どこなのか調べる間も無くシオンさんが来ちゃったから。シオンさんが居てそんなことする体力が私に残されるはずがなかった。


「ここから歩けば三日四日で行けるところにある街が次の目的地だ」


 ……へえー。次の目的地は歩けば三日か四日で行けるところかあ。ああ、もう次に何を言われるか分かった。


「そして、今回は時間が無い為走って一日で行く。と言うことで行くぞ。走れ走れ」


 ですよねー。走るんですよねー。時間がないとか言ってるけど、そんなの関係なく基本移動は走ってますよねー。前まわり受け身してたこともあったなぁ。あれのおかげで受け身だけは達人級になったと思う。


 っと言うことで、


「ふぅ。到着ー!」

「ハァハァハァ……。つ、着いた……?」


 出発して一日。ほぼ休み無しで走り続けて到着。昨日出発したのが昼ぐらいで、今はもう朝。って言うかもうすぐ昼。


「ご苦労ご苦労。二時間前か。間に合ったな」


 なに? なにが二時間前? いや、もうそんなのどうでもいいや。疲れた。もう無理。寝る。地面でもいいおやすみなさい。


「さあ、行くぞー。混んでて間に合わないとか笑えねえからな」

「痛たっ! 痛い! わ、分かりましたから!」


 人が寝ようとしてるのに足引っ張って連れて行こうとするのは酷すぎる。こんなのされたら起きるしかないじゃん。


 仕方なく起きて街へと向かう。うわ、今更気付いたけどこの街すごい。さっきの門での警備も厳重だったし、建物も立派だし、なんかお城みたいなのもある。ってあれ王様が住んでる城じゃ……。


「ボク、王都なんてはじめて来たよー! すごーい! きれーい! おおきーい!」


 ああやっぱり。この街王都か。私も初めて来たな。王都なんて。


 私達が住む国、アリッジ王国。世界最大の国であり、人も物も他の国より遥かに多い。今まで行った街も道も全部王国所属。そんな巨大な国の中心地、それがこの王都。王様住んでるし、有力貴族もいっぱい居るし、色んな政治の組織とかもあるしでまさにこの国の中心。

 

「お城行こうよー! 近くで見たいし中も見たい!」

「先に用事済ませてからな。それと中は入れねえぞ」


 ふくれっ面のリンさん可愛いなぁ、ははは。なんであんなに元気なんだろう。一緒に走ってたのに。ははは。でも、私も前より体力がついちゃって前よりは元気だ。ははは。


「おっ、ここだここだ。ギリギリだってのに並んでる奴多いなぁ。馬鹿ばっか」


 シオンさんに連れられやってきたところでは多くの人で列が作られていた。なんだろうこの列? なんか男の人ばかりなんだけど。んー? 何か書いている?


 列の先頭の方を見てみるとそこは受付のようになっていて、何か書いているように見えた。なんの受付だろう。ここは別に冒険者ギルドじゃないしなあ。

 

「ほら、早く並べよ。締め切られるぞ?」

「え? あっ、はい」

「はい、ミッちゃん。十万ルピー」

「え、なんですかこのお金?」


 何故か十万ルピーもの大金を持たさせ列に並ばせられる私。なに? なんなの? これで何か買うの? 限定品のバッグとか? でも、何か書いてるだけだったような。予約かな?


 そして、並ぶこと数十分。ついに私の番がやってきた。


「こんにちは。アリッジ王国武闘会の受付はこちらです」


 ……ああ、なるほど。私は騙されたのか。

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