魔法使います&武器もらいました
前回は、ゼレフのステータスがわかり、ゼレフのジョブ『武拳師』が、特殊系ジョブ『勇者』と『魔王』並みの能力を持っていた。これはゼレフのステータスは世界において最上位のジョブといってもいい。それをゼレフの母と父がゼレフの魔法実戦を中止して夜通し息子を盛大に祝った。その時のパーティーにはもちろんライゼル一家も参加した。ここではパーティーは割愛させていただく。
さて、今日はゼレフの初の魔法実戦。エマリウス邸の広大な庭に出て、リベリアから魔法を見せてもらう。
「さて、始めましょうか!」
「おー!」
(やっと異世界テンプレものの魔法!!が使える!!うひょー!テンション上がる~o(^o^)o)
「じゃあ、今からゼレフの属性それぞれの魔法を見せるわね!」
(わくわく)
「いくわよ?まずは火属性!火球」
リベリアが詠唱し、右手を前につきだすと、野球ボールほどの火の玉が出現し、目の前の木にぶら下がった的に一直線に飛び、バンッと音を鳴らして命中した。
「今のは、赤魔法の中でもFクラスの魔法よ。これなら初心者のゼレフでも簡単に扱えるわ」
「よーし」
ゼレフは持ち前の魔銀杖を構えて的の前に立ち詠唱した。
「火球!」
ゼレフが詠唱し、魔銀杖に魔力を込めると杖の先端の紫水晶が淡く輝き、火の玉が出現し、的に飛んでいった。
「出たぁ!」
火球は的に命中すると、ポンッと音を立てて命中した。
「やったわね!ゼレフ!」
「うん!ありがとう母さん」
(うおぉぉ!初の!魔法!スッゲェェェェ!)
ゼレフは地球にいたときとは異なる現象にかなり興奮していた。
「じゃあ、次は雷属性の魔法よ。
雷球」
今度はリベリアの右手から雷の玉が出現した。そして的に向かって飛んでいきバリィィと音を立てて命中した。
「これは雷属性の赤魔法よ、これもFクラスの魔法だからゼレフでもできるわ」
「よーし、雷球!」
ゼレフは魔銀杖を構えて、詠唱した。
すると、魔銀杖からバリバリと音を立てて雷の玉が出現した。
そして、バリッと音を立てて的に命中した。
その光景を見て、リベリアはうんうんと頷いている。
「次は最後のゼレフの属性、光属性の白魔法のFクラス魔法、光球」
リベリアがまた詠唱すると、右手から光の玉が出現し、ふよふよと浮かび上がった。
「この魔法は暗い所で光が欲しいときに使う魔法よ。確かゼレフのステータスには、白魔法はなかったわね...、でもスキルポイントをとるためには魔物を狩らないといけないし....」
「じゃあ俺、魔物狩ってくるよ!」
「待って、ゼレフ。貴方はまだ5歳なんだから魔物狩るにはまだ早いわ。せめて後5年経って10歳になったらね」
「う~ん....わかったよ母さん、じゃあ10歳になるまでに、赤魔法を教えて?俺もっともっと魔法がうまくなりたいんだ」
「わかったわ、ゼレフには、魔物を狩っても大丈夫なように赤魔法を教えるわ」
(でも、魔法だけでも大丈夫だろうけど、それだけじゃ心細いし....)
ゼレフの言葉を聞いて、少し思案していたリベリアが、何か思い付いたような顔をした。
(そうだわ!)
「ゼレフ、魔法だけじゃなくて、お父さん(オルター)から武術を習いましょう!そうすれば、ゼレフのジョブの『武拳師』の能力を使いこなせると思うし、どう?」
ゼレフはリベリアの言葉を聞いて、考えてみた。
(確かに、魔法だけじゃ俺の『武拳師』の能力を試せないし、初めて魔物を狩るときに使いこなせないと、思うし...いや、使いこなせないな。どんな能力か、わからないとできるものもできないしな)
「わかったよ、母さん。俺、父さんに武術を習って『武拳師』の力を使いこなせるようになってみせるよ!」
ゼレフはそう言って握りこぶしを作って、決意をあらわした。
「そうね、ゼレフならきっと出来るわ」
リベリアは微笑を浮かべて、優しくゼレフを抱き締めた。
「さぁ、そろそろ家に入りましょう。ゼレフに、プレゼントがあるの」
「プレゼント?」
ゼレフの疑問にリベリアはいたずらっ子のような笑みを浮かべて、
「ヒミツよ♪」
(うっ...思わずドキッとしてしまった...)
リベリアはそのままスキップするかのような勢いで、家に入っていき、ゼレフは何のプレゼントか、気になりながら、家に入っていった....
二人が家に入ってから実戦後の紅茶を飲んでいると、ドアが開いた音がして、オルターが帰って来た。
「ただいまー♪」
「「おかえりなさーい」」
「ゼレフ、リベリアただいま♪今日はゼレフにプレゼントがあるんだ!」
オルターはそう言って、持っていた木箱をテーブルの上に置いた。
「ゼレフ、開けてごらん」
「?わかった」
ゼレフが木箱の蓋を開けると、中に模様が左右違う、ガントレットが入っていた。右は黒色に黄色の稲妻のような模様が、左は黒色に炎のような模様が描かれていた。それは、とても芸術的で、美しい模様にゼレフは暫く目を奪われていた。
「父さん、これは?」
「これは"焔雷の黒拳"という、秘宝級の、武器だよ」
ここで解説しよう。オルターが言った秘宝級とは武器の等級である。その等級は.....
創生級
神話級
幻想級
秘宝級
希少級
一般級
となっている。
「その"焔雷の黒拳"は、持ち主と共に成長する特殊な武器だよ。大切に扱ってねゼレフ」
「共に成長する?」
「つまり、ゼレフが強くなればなるほど、その武器も強くなるのよ」
「なるほど」
「ゼレフが10歳になるまでは、この武器を使いこなせるように頑張ろう!」
「うん!」
「オルター、ちょっと...」
「ん?なんだいリベリア」
「ゼレフが10歳になるまでに、武術を教えてほしいのよ。ほら、ゼレフもお父さんにお願いしなさい」
「父さん、俺もっと強くなりたいんだ。そのために、俺に武術を教えてください」
ゼレフはそう言ってオルターに頭を下げた。
それに対してオルターは、真剣な表情で、
「うん、覚悟はあるんだね」
「うん、いや、はい!」
そうすると、オルターは真剣な表情から、笑みを浮かべて、
「わかった、武術を教えよう。でも、途中でやめたいと言ったら、もう武術は教えないからね」
「ありがとう!父さん!俺、頑張るよ!」
ゼレフはそう言って"焔雷の黒拳"を手に持ち、決意した。絶対にこの人たち(父さんと母さん)を守れるくらいに強くなろうと。
ステータス
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ゼレフ・エマリウス
ジョブ『武拳師』
属性 火・雷・光
攻撃30
防御30
敏捷40
魔力25 5up
魔耐25 5up
スキル:"武踏乱舞"固有スキル
"魔拳"固有スキル
武術 Cクラス
赤魔法 Dクラス
加護:女神エルヴィスの加護
装備:"焔雷の黒拳" 秘宝級
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