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エミリオ-2

王城から帰ってきたリーリア姉様に、実家のとーちゃんたちからの感謝の言葉と、ファラン商会からのお礼を伝える。

リーリア姉様はワイングラスに口をつけながら、とーちゃんたちやマリオのお父さんたちの話を細かく聞いてきた。

別にそんな興味あるような話題じゃねーよなぁ?

まぁリーリア姉様が聞きたいっていうなら、話すけどさ。


従僕やメイドが、夕食をひとさらひとさら運んでくれる。

目の前に一気にだしてくれたほうが食べやすいのになって思うけど、味も量もめちゃくちゃいい。

お貴族様なんて上品な食事食べてんだろってとーちゃんに訊かれたけど、ここの家の料理は俺たちも好きながっつり系が多くて満足だ。


今日の夕食は、蒸した鶏がはいっているサラダ。とろっとした甘酸っぱいソースがかかってて、サラダなのに食いごたえがある。

スープはきのこのポタージュ。パンと一緒にがっつり食べる。

ちょっとずつ食材の名前とか覚えろっていわれているけど、難しいんだよな。

同じ食材でも、うちで食ってたのとは、ぜんぜん味が違ったりするし。


実家のとーちゃんは腕のいい採集師だったから食うに困ったことはなかったけど、とーちゃん無類のお人好しでバンバン困っている人に飯くわせたりしてたから、量はともかく質はあんまりいいもの食えなかったんだよな。

森にある果物だの野草だのはいいもん食わしてもらってたし、食うもんなくて困ったことはなかったから文句はなねーけど。


メインの肉は、がっつりステーキ。

これ、めっちゃうまい。味付けはニンニクかな。

こういうのは実家では食べられなかったから、興奮する。

たまにマリオが食わしてくれたけど、至高の味だと思う。


リーリア姉様は俺の話にちょいちょい合いの手をいれつつ、熱心に聞く。

よかった。


俺はねーちゃんやマリオがいるザッハマインが攻撃されたって聞いて、昨日寝れなかった。

リーリア姉様も今朝から顔色が悪かったから、同じだったんだろう。

俺の場合は、マリオからの連絡で、ふたりが無事だってすぐわかったけど、リーリア姉様はこれからお父様とガイ様が危ない場所に行くんだ。

心配でリーリア姉様も体を悪くするんじゃねぇかなって、ちょっと心配だったんだよな。

こうしてちゃんと受け答えできるんなら、そこまで心配する必要もないよな?


俺だって、目をかけてくださったハッセン公爵や、いちおういい人っぽい義兄のガイ様が心配じゃないってわけじゃない。

国境障壁の破壊なんて、わけわかんねー現場に向かわれているんだ。心配はある。

けど、リーリア姉様とは、心配のレベルがぜんぜん違うよな。

俺だってハッセン公爵とかをいくら尊敬してても、ねーちゃんを心配するのとはレベル違うし。


……だからちょっとは余裕がある俺が、リーリア姉様をちゃんと見ておいてあげなくちゃだよな。

ガイ様にも頼まれているし!

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