シャナル王子-1
同情の余地のあるクズ系王子。クズではありません(たぶん)
王子宮の保安官たちにはすっごく嫌がられたけど、最終的にはリアたちを王子宮で働かせる許可がおりた。
ふふふふふ。計画通り。
リアの友達のシスレイって子まで働くことになったのは予定外だけど、まぁいいや。
リアのこととか聞けそうだし、リアも友達が一緒のほうが気が楽だろうし。
今のリアは、できるだけ誰かと一緒にいるほうがいいからね。
文化部の小翼が参内中止になったってきいて、近くで様子見していた甲斐があったなぁ。
情報をくれた侍宮には、後で褒美をあげようっと。
あちこちに書類を提出にいっては文句を言われたらしいハウアーには悪いけど、僕は満足。
今日の僕の働きっぷりをみてたら、これくらいの我がまま許してくれてもいいと思うんだ。
南の国境障壁が破られたって、大人たちは大騒ぎしてさ。
「緊急時ですから」って一言で、僕から魔力を搾取しまくり。
まぁ僕は異常に魔力が強いらしくて、いくら搾り取られてもぜーんぜんへっちゃらなんだけどね。
ありがたみがなくなっちゃうから、ちょっとは大変なんだよってアピールしてるんだ。
そのアピールも、こないだの検査で嘘ってバレたっぽいけど、しょーがない。
これからも、まだまだ大変ってアピールするよー!!
しないと、どんどん搾取される量が増えるもん。
いちいちいろんな部署を巡らされるから、面倒なんだよね。
ま、大変大変とアピールしてリアに甘えてたら、心配したリアが人事部やら厚生部やらにかけあってくれて検査が行われたみたいなんだけどね。
リアってば、僕の魔力充の回数が多すぎるんじゃないかってきづかって、魔力搾取量を減らさせるために調査させたみたい。
結果は逆効果だったわけだけど。
僕はねー、まだまだ体が大きくなるせいか、魔力もガンガン増えてます。
普通の人も体の成長とともに魔力量は増えるけど、僕の魔力は想定外に増えてたみたい。
周囲に同じくらいの年齢の子がいないから、僕もこれが普通じゃないって思わなかったけどさ。
訓練とかすればちょこっとは増えるみたいだけど、僕、なんにもしてないのにね。不思議ー。
ま、「大変、大変!」って言っててもさ。
僕のことを心配してリアクションまで起こしてくれるのって、リアだけなんだよね。
だから僕はリアに側にいてほしくって仕方ないんだ。
「お嫁さんになって」っていっても、今はかるーくスルーされるけどね。
うぅ。10年後には絶対「はい!」って言ってもらえるくらいいい男になってやる。
ガイ・ハッセンなんて、足元にも及ばないようなすっごいかっこいい男にね。