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海賊ラジントンの主力メンバーが、イプセンの貴族?

そんなことが、あるのだろうか?

いくらイプセンが荒れているとはいえ、一国の貴族が海賊に身をおとすなんて。


馬鹿馬鹿しい、噂話だ。

普通なら、そう判断する。


けれども海賊ラジントンについてのこの報告書を読んでいても、ひしひしと、今のイプセンは普通では考えられないほど、国が荒れているのを感じる。

この報告書に挙げられた噂話の語り手は、グラッハと交易のある商人の話が主で、王城に集う貴族たちについては漠然とした噂しか語られていない。

それでも、貴族たちの所業のひどさは文章の端々から感じ、一方で、名のある貴族たちが何名も姿を消しており、それがロロシュ王による処刑だという恐ろしい噂もささやかれていた。


商人たちの噂話ではあるけれども……。

これが本当だとすれば、なぜ悪政を強いるようになったロロシュ王を貴族たちが退位させられなかったのかという疑問の答えは、ロロシュ王の弾圧なのかもしれない。


もしも、このグラッハがイプセンのように荒れ、その時自分が貴族としての職務を果たせない立場におかれたなら、わたくしだって、海賊にでもなるかもしれない。

ラジントンが噂のような義賊であるのなら、だけれども。


そんなことを考えつつ、報告書を読む。

報告書は、さらにラジントンの正体についての噂話がつづられていた。


……ラジントンの首領は、イプセンの王子だ、と。


王子?

イプセンには、亡くなったロロシュ王の実子アリッサ王女以外の王族はいなかったはずだけれども?


けれども、わたくしが調べた資料には、アリッサ王女が賊に殺されたことも書かれてはいなかった。

その王子が最近、王の養子になったのならば、ラジントンの首領がイプセンの王子であるということもありえないとは言えないのかもしれない。


数年で、一気にイプセン国民の支持を得たという義賊ラジントン。

その噂が本当なら、ランジントンの首領は、かなりの魔力の持ち主である可能性が高いのではと、思い当たった。


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