0-0 プロローグ
チチチ...チチチ......
セットしておいた目覚ましで俺の1日が始まる。
いつもと同じで5時半だ。
顔を洗って、寝間着から着替えたら、パンを焼き始める。その間にコーヒーを入れて、テレビをつける。パンが焼けたら、テレビのニュースを見ながら朝食をとる。
『最近、日本中で多発している道路の陥没や家の破壊ですが、未だに正体を掴めていません。あるサラリーマン男性の話だと、いきなり目の前の道路が砕け散ったというーーーーーー』
最近は本当にこのニュースばかりだ。
確かに多発はしているが、死人はおろか怪我人すら出ていない。
被害らしい被害は、道路が使えないだの家が壊れただのと、そんな事だけだ。
はっきり言ってどうでもいい。
俺は、今の高校を卒業して、適当に仕事して、1人静かに死ねばいい。
親はとっくの昔に死んで、俺は寮生活。
学校でも、友達らしい奴は殆どいない。
そんな生活が、1通の手紙で変えられた。
まさか自分が、あの事件と関わって。しかも世界という世界を救うなんて、予想は出来ないだろう。
でも俺はそうなる。
ドール
《人形使い》と呼ばれ、英雄扱いされる事になるんだ。
まぁ、それもこの頃の俺は知らない。せいぜい、その手紙に興味を持った。その程度だったはずだ。
これは、俺が歩んできた話だ。
これから、その話を見て、聞いてもらう。
正直、知られたくないこともあるが、まぁ良いだろう。
それでは、物語の.............スタートだ。