エピローグ「遺したもの」
どうもMake Only Innocent Fantasyの三条海斗です。
For Alive完結。
書きたいことはあとがきに書きます!
まだまだ稚拙な部分もありますが、最後までおつきあいお願いします。
それではどうぞ!!
「それは、そこに置いておいて」
「わかった!」
子供がオレンジの入った籠をトラックの荷台に置く。
彼女は白虎隊の一員だった少女だ。
「さてと、今日の収穫もこれでおしまいかな」
「終わり!?」
「ああ、みんなにも知らせてきてくれ」
「うん!」
少女は元気に働いている友人に知らせに言った。
あの戦争の後、クラウスは白虎隊の何人かを引き取り、農場を始めた。
PMCのコンストラクターの給料に比べれば、今の給料は遥かに安いものだったが、自分の夢だったこともあり、幸せそうに生活している。
「あ、こらこら! 収穫物を勝手に食べるなよ~!!」
* * * * *
「ええ。わかっているわ」
クララは執務室で、戦後処理に追われていた。
いまだに苦情を言ってくる国は後を絶たない。
既に当事者がいないことをいいことにあることないこと突きつけてお金をとろうと画策している国もあった。
(ラスト・フォート社の仲介でなんとか抑えられてきてはいるけど……)
現状、把握できている金額だけでも莫大なものだった。
「お休みになられては?」
「……そうね。申し訳ないけど、少し休むわ」
無理はよくないとクララは知っていた。
自室に戻り、ベッドに横なる。
(やり遂げて見せるわ、お父さん……)
クララは静かにそう決意するのだった。
* * * * *
「なるほど、そういうことですか」
ヨシュアは車を運転しながら客人を移送していた。
「ですが、お嬢さんも思い切ったことをしますね」
「私の娘だ。こうなるだろうと思っていた」
懐かしい顔を思い出すように、客人はつぶやく。
ヨシュアもその様子を見て、さらに話をつづけた。
「シャルロットさんも、以前はこちらに来ていたんですよ」
「知っている。あの時はあの青年には迷惑をかけた」
「……ユウトさんですね……」
「私の古い友人の息子でね。思えば、あの時からこうなる運命だったのかもしれないな」
その後はシャルロットやユウトの話をして、基地まで運転をしていた。
* * * * *
「だめだぞ、もうけんかはするな」
「だってぇ……」
「だってじゃない。悪いことをしたら、謝る」
「ごめんなさい……」
「いい子だ」
シャルロットは泣きじゃくる男の子の頭を撫でた。
その顔は穏やかな顔だった。
「お前たちは何をしている……?」
だが、その表情は一変して般若面のような顔になった。
その顔にけんか相手だった子供たちも泣き出してしまう。
(全く……)
「もうけんかはするんじゃないぞ」
「はい……」
シャルロットはその子供たちの頭をなでると、外に出た。
雲一つない青空の下で子供たちがわいわいとはしゃいでいる。
あの後、シャルロットは自分と同じような境遇の子供たちがしっかりと独り立ちできるように、孤児院を開いていた。
(ユウト、お前が守った世界は今日も平和だぞ。)
そして、シャルロットは空を仰ぐ。
「ユウト、見えるか? 今日の空はこんなにもきれいだ」
あらためまして、Make Only Innocent Fantasyの三条 海斗です。
ここまでおつきあいいただきありがとうございます。
この話はリアルロボット系を意識したのですが、最後の方はどちらかというとスーパーロボット系でしたね……。
理論とか考えていたのですが、自分の知識不足で考えられず……まだまだ課題は多そうです。
全体を通して生死について書いたつもりですが、伝わったでしょうか。
伝わっているのならば、うれしく思います。
構成の未熟さで話がまとまっていなかったり、知識不足や調査不足で現実とはかけ離れた描写が多々あったりと、反省点がいろいろあります。
一番大きいのが、RPG製作の作業と並行して執筆していたため、更新日時が大幅に遅れることがあったことです。
と、物語に関係のない話になってしまいました。
では、一つ。
エクレイア共和国の名前ですが、あれは想介が考えてくれました。
「三街道の目」という意味らしいです。
この名の通り、経済流通の大きな場所になってくれるといいなと思います。
重ねて言いますが、ここまで読んでくれてありがとうございます。
また機会があれば、またお会いしましょう。
ではこの辺で。
Make Only Innocent Fantasyでした!