プロローグ
「春かぁ…。」
そう呟いた僕にも、春が訪れようとしていた。
三年になった俺は、まだ実感が無い中、なぜ一学期の初めから部活をやらねばならないのか、そんな不満を感じながら一人足早に俺の所属している美術部の部室すやわち、美術室へと向かっていた。幼い頃から絵だけは得意だったため入ったが、それからというものろくにポスターも描かないでただだらだらと過ごしてきた。俺は交通安全だとか献血だとか、そんなものの絵を描く気はまったくない。俺が描きたいのは、なんというか、その…そう、漫画!漫画の様に自分の描きたいことを自由に描きたいのだ。
そんな感じで部活動に対する愚痴を思っていると、もうすでに美術室へとたどり着いていた。
美術室の中には後輩一人と同級生のやつら二人がすでに活動を始めていた。そいつらを横目で見ながら俺は俺のいつもの席へと進んでいく。一番窓ぎわの一番奥がそうである。三年で使う教科書を渡され、それが全部入っているため重くなったエナメルバッグを肩から下ろし、俺は一人静かに席についた。
足音が廊下からだんだん近づいてくるのがわかった。足音はそのまま美術室の中へと入ってきた。横目でドアの方を見る俺。やってきたのはどうやらこの部の部長-三島美帆だった。その瞬間、まぶたが重くなったように感じ、自然と唇に力が入る。なんでそんなことが起こるかって?それは…
「あ、黒柴ー、やっほー!もう来てたんだー!」
「あ、お、おう。ま、まぁな。」
俺-黒柴優星は、絶賛片思い中なのであった!そして今の返事からわかるように、俺は、コミュニケーション障害通称"コミュ障"なのである。
小説とか書くセンスのかけらもない僕ですが、僕なりに頑張っていこうと思うのでよかったら読んで下さいねー!