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短編:詩&エッセイ

俺にはお前以外何もいらない。

作者: 尖角

気付いたんだ。 俺には友達がいらない。

何か悩み事があれば、全てを隠さずに話せる。

それが俺とお前との関係。 唯一無二だと思ってる。


気付いたんだ。 俺には家族だっていらない。

別に、望まれて生まれてきた子じゃない。

別に、愛されて育てられてきたわけじゃない。

単に、できたから。 仕方ないから、俺はそこにいた。


だから、そんな関係は断ち切ってしまいたい。


腐れ切った世の中。

その中で、さらに腐っていた俺の人生。


そんな希望という言葉すら実感なく、霞むような人生で、

俺は偶然にもお前という名の“宝”に巡り合うことができた。


こんなにも幸せでいいのだろうか?

こんなにも他人を愛してしまっていいのだろうか?


俺は疑問に思った。

だけど、それまで不幸だった俺の人生。

他人にだって笑われたけど、自分だって可笑しいことに気付いていた。


十分と思える時間、俺は苦痛を強いられてきた。



そんな中で出逢ったお前という名の“運命の人”。


幸せで、幸せで、これ以上何もいらないと思った。

だからこそ、今まで利用し、利用されるだけの関係だった友も、

そして、愛のない家族すらも投げ捨てて、お前の元に向かったんだ。





大好きだ。 俺には、お前以外何もいらない。

お前さえいてくれれば、俺は満足することができるんだ。



だから、俺の願いを聞いてくれないか?



「俺より先に死なないでくれ」




お前の死を見送る勇気なんて、俺にはない。


それに、全てを捨てた俺にとって、お前の死というのは、

価値のない世の中で生きる、要するに拷問みたいなもの。


しあわせの“し”の字すら見当たらない。

俺にはお前以外いらないし、お前以外はすべて邪魔者。





お前がいるから、この世界に俺の生きる意味が産まれる。

お前がいるから、俺は少しでも長く生きていたいと思える。


だから、「俺より先に死なないでくれ」と願っている。






俺が死んだら、お前は自由だから。


俺に縛られることなく、好きなことしていいから。





だから、それまでは少しだけでいい。 我慢してくれ。

愚痴は俺だって聞くし、 悪いところがあれば直すし。


だから、それまでは俺の隣にいてくれ。 大好きだからさ。











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