俺にはお前以外何もいらない。
気付いたんだ。 俺には友達がいらない。
何か悩み事があれば、全てを隠さずに話せる。
それが俺とお前との関係。 唯一無二だと思ってる。
気付いたんだ。 俺には家族だっていらない。
別に、望まれて生まれてきた子じゃない。
別に、愛されて育てられてきたわけじゃない。
単に、できたから。 仕方ないから、俺はそこにいた。
だから、そんな関係は断ち切ってしまいたい。
腐れ切った世の中。
その中で、さらに腐っていた俺の人生。
そんな希望という言葉すら実感なく、霞むような人生で、
俺は偶然にもお前という名の“宝”に巡り合うことができた。
こんなにも幸せでいいのだろうか?
こんなにも他人を愛してしまっていいのだろうか?
俺は疑問に思った。
だけど、それまで不幸だった俺の人生。
他人にだって笑われたけど、自分だって可笑しいことに気付いていた。
十分と思える時間、俺は苦痛を強いられてきた。
そんな中で出逢ったお前という名の“運命の人”。
幸せで、幸せで、これ以上何もいらないと思った。
だからこそ、今まで利用し、利用されるだけの関係だった友も、
そして、愛のない家族すらも投げ捨てて、お前の元に向かったんだ。
大好きだ。 俺には、お前以外何もいらない。
お前さえいてくれれば、俺は満足することができるんだ。
だから、俺の願いを聞いてくれないか?
「俺より先に死なないでくれ」
お前の死を見送る勇気なんて、俺にはない。
それに、全てを捨てた俺にとって、お前の死というのは、
価値のない世の中で生きる、要するに拷問みたいなもの。
しあわせの“し”の字すら見当たらない。
俺にはお前以外いらないし、お前以外はすべて邪魔者。
お前がいるから、この世界に俺の生きる意味が産まれる。
お前がいるから、俺は少しでも長く生きていたいと思える。
だから、「俺より先に死なないでくれ」と願っている。
俺が死んだら、お前は自由だから。
俺に縛られることなく、好きなことしていいから。
だから、それまでは少しだけでいい。 我慢してくれ。
愚痴は俺だって聞くし、 悪いところがあれば直すし。
だから、それまでは俺の隣にいてくれ。 大好きだからさ。