第1話・無限の巡り合い
はじめまして。
楽しんでいただけたら幸いです。
更新、ゆっくりです。
今日わたしは死にました。
風邪をこじらせて、肺炎を起こしての孤独死。
一人暮らしだったし、病院も行けなかったから、当然の結果かな。
「青葉うみさーん!!!」
目の前の空中に浮いた文字を見ながら、少年が私の名を叫んでいる。
これが俗にいう天使ってやつかな。
羽根はついてないなぁ。
それとも見えないだけで、ハチドリ並みにパタ
「青葉うみさーん!!!!」
さっきよりも大声で下をキョロキョロ見ながら私の名を叫んでいる。
しまった。
返事をするの忘れてた。
「はーい!」
「ここでーす!」
精一杯手を挙げて振ってアピールするけど、周りはうじゃうじゃ人がいるから、全然気付いてもらえない。その場でぴょんぴょん跳んで、低い身長をカバーする。
少年と目が合った。
「あ、いたいた。」
よかった。
気付いてもらえた。
ホッとした瞬間。
ジェットコースターの、心臓がふわっとするあの感覚に襲われた。
「!?」
状況を理解する間もなく、辺りが暗くなり、私は下へと滑り落ちている。
何!?
何が起こってるん?
っていうか下!?
下って大丈夫なん!?
どうすることもできず、ただ、落ちていくことを受け入れるしかない。
下手に動いてどっか地獄にでも落ちたら…。
あぁ、考えるだけで恐ろしい。
「青葉うみさん?」
突然女の人の声が聞こえた。
さっきの少年とは違う。
今度はエレベーターガールのような繊細な声だ。
どこから聞こえたんだろう。周りを見回しても相変わらず暗いまんま。
「青葉うみさん?聞こえますか?」
やっぱり聞こえる。
「はい!青葉です!」
勢いよく返事をした。
このままわけがわからずただ落ちていくなんて不安すぎる。
「もうすぐ到着します。受け身とってくださいね。」
到着?
受け身?
さらにわけがわからない。
「あの、受け身って」
突然、光が目に入った。
思わず顔をしかめ、目をつぶる。
それと同時にゴンッと全身で衝撃をくらいながら私は到着した。
「〜っごほっごほごほっ」
痛い。
誰か痛いのは生きてる証拠って行ってなかったかなぁ。
私死んでるんですけど、痛いです…。
泣きそうになりながら左へごろんと寝返りを打った。
ちょっとこのまま寝ようかな。
「大丈夫ですか?」
またあの声だ。
「…なんとか」
色々言いたいが、体のダメージで言葉にならない。
上半身だけ起こして声が聞こえてきた方向をみてみるが、姿が見えない。
「私の姿が見えませんか?」
「はい…。」
一体誰なんだろう。
それにここはどこ?
周りを見ても何もない。
声以外は何も聞こえない。
ただ光で満たされている。
寒くもなく、暑くもない。
「あ〜、まだこちらに来て日が浅いんですねぇ」
「それじゃあ」
ふわっと顔に風を感じる。
そして目の前に現われたのは
カピバラ。
「はっ!?」
思わず、少し後退りした。
元々動物はあまり得意ではない。
それに加え、わけのわからない状況でいきなりカピバラが現れたもんだから警戒心が顔を出した。
「あ、見えているようですね。よかった。」
…カピバラの口が動いてる。
ってことカピバラが喋ってるんだよね?
すっごいギャップ。
ちょっと、にやけてしまった。
「驚かせたようですみません。」
「見えないままだと話がしにくいので」
トコトコとカピバラは私に近づいてきた。
「初めまして。担当の都と申します。」
ぺこりと頭を下げた。
私は何がなんだかさっぱりわからなかった。
これから展開していきます。
お楽しみに。