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4作目です。よろしくお願いします。前作の人物が登場しますが、読まなくても大丈夫な様になっています。

「疲れた…。」


 現在十八歳、伯爵家の一人娘のセシリアは常に無気力に過ごしている。



 この王国では十八歳で成人だ。大体の貴族の女性は結婚して家に入る。だが、貴族であっても実力さえあれば男女問わず働く事が出来る。今の国王になってからの方針らしい。




 セシリアの家の領地は王都から馬車で東に二時間ほどのところにあり、さらに一時間ほど進むと奥には東の森がある。緑豊かな領地は鉱物が採取できる山があり、また酪農が盛んなため財政は潤っている。





 セシリアは幼い頃から領地で過ごしている。十五歳になっても貴族学校には通えず、領地で家庭教師をつけて学んだ。ちなみにこの王国は貴族学校に通うのは十五歳から十八歳までの三年間である





 セシリアは十歳の時、突然呪いが現れた。





 セシリアの家は代々男児しか生まれなかった。それは家を存続させるには良い事ではあるが、やはり女児を望んだ。そこでやっとセシリアが産まれたのである。




 待望の女児であるセシリアは真綿でくるむようにとても大切に育てられた。一歩間違えれば非常に我儘に育ちそうな環境だったにも関わらず、純粋でおっとりした子に育った。艶やかな黒髪に薔薇色の瞳、透き通るような白い肌。整った顔立ちであり、実年齢よりは落ち着いているように見えた。





 ーーーそんなセシリアの呪いは猫に変化してしまうというものだった。しかも不規則で。





 昔ご先祖様が、魔女の逆鱗に触れる事をし『お前の家が大事にしているものに災いが起きるよう呪いをかけた。』と言われたようだ。口伝えであるし何事もなく時が過ぎたので家の者達はすっかり忘れていたのだ。





 とにかく疲れる。猫になってゴロゴロしていても人間に戻ると疲れるのだ。しかもそれが年々酷くなっている。このような呪いのため、普通の生活ができなかった。





 一人娘が辛い思いをしている。両親など秘密裏に情報を集めているが、やはり魔女に呪いを解いてもらうしか無いようである。何せご先祖様の時の事、今は魔女はいないと言われているし、魔法も無いと言われている。八方塞がりだった。




 家は親戚に後を継がせれば良い。両親は元より、セシリア自身も結婚は諦めていた。ただ両親はどう転んでも良いように、マナーと領地経営はしっかり学ばせた。覚えの早いセシリアはあっという間に学び終えた。




 そんなセシリアはこの先どう生きていけばよいのか悩んでいた。いっそ人間には戻らず猫のままで生活した方が良いのではないかと考えていた。






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