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第1話 進学

見ていただきありがとうございます。

書きたいことが上手くまとまらず下手かもしれませんが

この作品では、主人公二人がどう過ごしていくのか

そして、運命を見届けて頂けるとありがたいです。

「…て」

「お...て」


声がする。

とても優しい声。


「おき...て」


「...ん?」


「起きてってば」


目の前には、可愛らしい女性が立っていた。

一生懸命身体を揺らし、起こしている。


「ん...」

「ふゆ?」


彼は大きな背伸びと共に布団から起き上がる。


「もう、ふゆちゃんじゃないよ!」

「まーた、ふゆちゃんの事ばっかり考えて!」


そう、彼の幻想(夢)だった。


「おい!起こすなよ!」

「いい所だったのに!」


「はぁ?」

「あんたが起きないのが悪いんでしょ?!」


そう言うと不貞腐れながら階段を降り、リビングへ戻る


「ったく、なんだよいい夢だったのに...」


俺の名前は「木村響樹」きむら ひびき

特にこれといった特技は無いが、とある人を想ってる。

絶賛片思い中。

そして、起こしてくれたのが俺の母「木村雪」きむら ゆき

父は小さい頃に亡くなった。


「はぁ、支度しねぇと」

「......」


彼は1つのペンダントを握りしめた。

そして階段をおり、顔を洗いキッチンへ行った。


「母さん今日の仕事は何時まで?」


「そうね、そこまで多くないから15時〜16時あたりかな」


「分かった、買い出しは俺がやっとくわ」


「ほんと、頼もしくなったね」

「いつもありがとね」


俺はいつも母さんと自分の料理を作っている。

料理人になりたい訳ではないし、美味しいという訳でもない。

ただ、負担を減らせればと思いやっている。


「響樹?」

「今日は入学式でしょ?」


「ん?」

「あー、まぁね」


「大丈夫?」


「平気」

「心配すんな」


そう会話をし、料理を作りテーブルに運ぶ

母さんは洗濯を外に干し、布団を畳む。


「母さん」

「出来たぞー」


「はーい」


2人でテーブルに座り、料理を食べる。


「「いただきます」」


「やっぱり、響樹の料理はおいしいね」

「男で料理なんてモテるんじゃないの〜?」


「モテる為にやってるわけじゃない」


「それもそうね、なんたって響樹は一筋だものねぇ」


母さんはにっこりと微笑み、味噌汁を飲む。


「そりゃあな」

「男として、守りたいものは守らなきゃ行けない」


「...」

「お父さんと似てきたね」


父さんは、消防士で火事があった家の中に取り残されている子供を助けて亡くなったらしい。

まだ小さくて覚えてもいない、急に消えてずっと母さんと2人で生きてきた。

そんな母さんを守りたい一心で俺は頑張っている。


「響樹?」

「時間じゃない?」


「...っと」

「そうだな」


食器を片付け、入学への準備をする。

しばらくすると制服姿になった響樹。

ペンダントを首に掛け、父さんへの線香を付ける。


「似合ってるよ響樹」


「おう」

「ありがとな母さん」


「お父さんもきっとそう言ってる」


鐘を鳴らし、手を合わせ目を瞑る。

そうしているとチャイムが鳴る。


ピンポーン


「はーい」

「きたかな?」


「ああ」


玄関の前には1人の少女が立っていた。

母さんは玄関へ行き扉を開ける。


「お、おはようございます!」


「おはようございます」


母さんはにこりと笑い、彼女を出迎える。


「響樹くん」

「凄い似合ってるよ!」


「お、おう」

「ありがとな」


彼女は、「音乃瀬冬」おとのせ ふゆ

元々中学からの同級生、そして俺の片思い相手。

こんな俺と仲良くしてる優しい人だ。


「ふ、冬の方こそ」

「似合ってる」


「あ、ありがとう」


彼女の顔は真っ赤になっていた。


「あらあら」

「お熱いねぇ」

「じゃあこれから私は仕事だから、気をつけて行ってらっしゃい」


ちょっかいをかけないようになのか、おちょくっているのか

分からない顔をしながら外へ出ていった。


「あ、お気をつけて!」


「はぁ、母さんがごめんな」


「ううん!」

「だ、大丈夫だよ!」


お互い目を見れない状態で恥ずかしがっていた。


「そろそろ行くか」


「う、うん!」


そう言うと響樹は、家へ「行ってきます」と言い学校へ向かった。

道中、桜や川を見ながら向かっていき冬と響樹はたわいもない会話をする。


「響樹くん」

「一緒に来てくれてありがとう」


「うん?」

「ああ、平気」

「俺が言ったことだしな」


「それは、そうなんだけど...」

「...結構緊張してるんだよね」


「大丈夫か?」

「飲み物とかあるか?」

「途中どっか寄ってから行くか」


「うん、そうする...」


彼女達は喫茶店へ行き飲み物を買った。

響樹は抹茶、冬はストロベリー


「お?これ美味いぞ?」

「飲んでみるか?」


「え!?」

「そ、そんな!?」


「ほら、遠慮すんなって」


「じゃ、じゃあ」

「いただきます...」


「どうだ?」


「!」

「美味しい!」


「お!」

「良かった」

「じゃあ俺はこっちを貰うわ」


「え?」


響樹は、彼女の持っているストロベリーをそのまま飲んだ


「お、美味いな」


冬はにっこりと笑う彼の顔を見て、顔を真っ赤にした。

その頃、響樹の心の中。


(あっぶねぇ!なにやってんの俺)

(普通に関節キスじゃねぇか!)

(あ、おい、冬可愛すぎるだろ)


一方、冬

(こ、これ関節キスだよね)

(っていうか、顔近い!)

(汗かいてないよね!臭くないよね!)


「ど、どうだ?」

「緊張ほぐれたか?」


「え?」

「あ、うん」

「だ、大丈夫!」


冬は全然大丈夫じゃなかった。

響樹のとった行動にずっとドキドキしていた。


「そろそろ行くとするか。」


「そ、そうだね!」


喫茶店から離れ、歩いていると高校生が次々と現れてきた。

学校へ近づいてきた。

響樹と冬は話しながら向かっていると遠くから声が聞こえた


「おい」

「邪魔だよ」


「す、すみません...」


「...チッ」

「どけ」


男子生徒は怯えて道に立ちすくんでる中、大きな背中の彼は学校へ入って行く。


「大丈夫か?」


「あ、ああ」

「ありがとう」


響樹はその生徒に手を差しのべ、ゆっくりと立ち上がらせた


「ったく」

「入学早々荒々しいな」

「ほら、ハンカチでズボン拭いとけ」


「あ、ありがとう」

「き、君は?」


「ん?」

「俺は響樹」

「こっちは冬」


「初めまして、大丈夫?」


「あ、僕は穂」

「結城穂」


「よろしくな」


穂は借りたハンカチでズボンを拭いた。


「その、ハンカチありがとう」

「洗って返すね」


「平気だ」

「気にすんな」


「怪我はないですか?」


「大丈夫です」

「すみません、僕が怯えたばっかりに」


「仕方ねぇよ、あんなでかいヤツ普通ならビビる」

「会場に一緒に行くか」


「え、いいんですか?」


「ああ、穂が嫌じゃなきゃな」


「ありがとうございます...」


「木村くん」

「気をつけてくださいね?」

「あれは只者では無いです」


「響樹でいい」

「まぁ、だろうな」

「それは俺がよく知ってる」


「響樹...」


響樹達は会場へ上がる。

そこには数10名の先生がいた


「ここが俺たちが生活する桐生ヶ丘...」


しばらくすると、新入生が続々と会場に着き席に座る。

校長がスピーチを始めた。


「新入生の皆さん

この度はこの「桐生ヶ丘」を選んで頂き感謝します。

遠くから来た学生も、勉学の為に来た学生も

3年間ここでの生活を楽しんでください。」


担任する先生や、重要事項を話し

時間が過ぎてゆく。


「はぁ、やっと終わった..」


「響樹ったら、ほとんど寝てたじゃない」


「いや、あれは寝るだろ」


「あはは」

「それでは響樹くん、教室の確認しに行きましょうか」


「そうだな」


階段をのぼり、廊下を歩こうとした時

遠くからでもわかる気配がした


「響樹...」


「あ、ああ」

「これは、めんどくさい事になったな」


目の前にはあの大きな背中の男が立っていた。


「...チッ」

「邪魔くせぇな」


男は無理やり割り込みに入り教室へ入っていき

響樹達は廊下に貼っている席を見に行った。

そこには衝撃的な事が書いてあった。


「まじかよ、」


「こ、これは少し厄介かもしれませんねぇ...」


「...」


そう、同じ教室にはあの男が居た。

響樹達は2組や他の組がいいと願っていたがそれは叶わなかった。


「はぁ、なんもねぇといいけどな」

「冬、俺が守ってやるから安心しな」


「響樹...」

「無茶しちゃダメだよ?」


「ああ。」


響樹達は自分達の席に着き、先生が来るのを待つ。


この桐生ヶ丘高校では、天才や問題児、人生を決められない人やここしか行けない事情がある人が集まる場所。

響樹と冬はここしか選べなかった。

その運命は吉と出るか、凶と出るか。










作者はバットエントは好みでは無いので

最悪の結末はないと言いたいです。

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