3:やりたいコトってなんだ①
お久しぶりです!少しずつまた更新していきます。
「くそー、そういうわけでさ、変なオジサンにつかまっちゃったんだよ。それで、余計帰りおそくなっちゃって・・・もうツイてないよ、まったく」
頼りなく淡い光を放つ街頭に照らされた真っ暗な夜道を、大樹は優也と二人で歩いていた。学校から出たとき、校門の石壁に寄りかかりながら待っていた優也がいたのだ。大樹が説経されていることを、おしゃべりのコーキに教えられて、一人、待っていてくれたのだ。そして、時間も相当遅くなってしまい、ここから急いでも大して変わらないだろううということで、おしゃべりしながらぶらぶらと帰っているのであった。
「あはは、それは災難だったね」
軽く笑いながら、優也が言った。
「だろ?まぁ、そういうわけで、ごめんな。こんな時間まで。っていうか、ありがとな」
まさか、誰かが待っていてくれるとは思わなかった。一人だと、心細い夜道も、二人で話しながら歩くとなんてことはない、いつもの帰り道だ。
「ううん、大丈夫。むしろ僕のせいってところもあるしね」
「そんなことねーよ!優也は関係ない。ぜーんぶおれのせい。あ、でも自転車パンクさせたのは太一のせいだな。あいつ、帰ったらこらしめてやる」
握りこぶしをつくって、拳骨をするまねをした。一発じゃすまないから、覚えとけよ。
「ほら、大ちゃん、あんまり太一くんにイジワルしないほうがいいよ。太一くんだって、言えばわかるよ、きっと」
「そんなことないね!あいつは、もうこれで二回目なんだよ、もう我慢できない!」
半年前も、いつのまにかおれの自転車パンクさせといて、知らん顔してたんだ。一人でかっかしている大樹を、どうどうと優也はなだめた。
「ほどほどにね。また小母さんに怒られちゃうよ、弟に暴力するなってね。それよりも、その学校で会った謎のオジサン、結局何者だったの?」
そうだった、あの革靴男の正体を話すの、忘れていた。
「そう、そのオジサンな・・・」
優也に、つかまった後の話をした。