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異世界を往く黒い猫〜目指せ猫カフェ開業!〜  作者: up down
第1章 黒猫、名前を手に入れる
2/9

2. 転生は転生でも人じゃない転生

《上へ下への大騒ぎ?》

up:どうもお久しぶりです。

down:え?ひょっとしてこれ毎回やるタイプですか?

up:そうですよ。

down:聞いてないのですが。

up:言ってませんからね。

down:ひどい……

up:魂が抜けかかってるdownさんは置いといて、本編どうぞ。

down:って置いてく

           ブチッ

おちつけ。落ち着くんだ私。まじでどうっなってるの?草がめっちゃ大きいんだけど。超でっかい猫がいるんだけど。モフりたい!


ああいやそうじゃない。それどころじゃないんですよ!


あれ?これひょっとしたら私が小ちゃくなってるんじゃね?ちょうどいいところに水溜りがある。鏡みたいにしてみよう。


ひょい。じー。


……猫じゃん。私猫になってるんですけど!え?まじで?猫になってるよ。あらあらまあまあ。

綺麗な黒い色。黄色の瞳。私のイチオシの黒猫じゃん。まじで?うっしゃー!ただいま幸福の絶頂です。ありがとうございます。

やったやったやったやったやったやったやったやったやったやったやったやったやったやったやった。



「ほらほら落ち着きなさい。」


え?だれ?何?


「お母さんですよ〜。」


え?ひょっとしてこの猫?いやいや。私のお母さんは人間です……ってああ!


そうか。この猫の私にとってのお母さんってことか。いわゆる転生ってやつですね。わかりました。

って分かるかぁ!私の猫カフェを開くという夢はどこへ消えたんだい?せっかく資金も貯まったっていうのに……


そもそもここはどこなんだ?なんとかして現在地を見つけなければ。……まさか異世界ってことはないでしょうね。

つう、と冷や汗が流れる。


「あら?あなた……特異種なの?ふむ、どれどれ……どうやらそうっぽいようね。残念。」


そう言うと、母猫(仮)は私を咥えあげてどこかへ連れて行った。


え?どこに連れてかれるの?おまわりさーん私今母猫(仮)に拉致されてますよー助けてー。いや、親なら問題ないのか。


そのまま母猫(仮)は近くの崖まで私を連れて行きー

そこから突き落とした。


《適応を確認……一般能力(コモンスキル)『魔力感知』『魔力操作』秘宝能力(ファンタズマスキル)『魔力体』超級能力(エクストラスキル)特異種(ハミダシモノ)』の適応に成功しました。また称号として『追放者(イエナシ)』の獲得に成功しました。異能の定着が完了しました。》


ひ、ひやあああああ。なんか落ちてますううううう。た、助けてええええまた死んじゃうよおおおおお。


私の叫び虚しく


グシャ。


あえなく落下した。


あれ?痛くない?なんで?


A.定着が完了しました……記憶を同期します……成功しました……質問を受諾……解答を作成……魔力体だからです。


ほにゃにゃっ!?え?なに?だれ?


A.質問を受諾……解答を作成……私はフォームレスAI。『界渡り』のさいに引っかかって定着したものです。これは、その能力です。


え、えーとフォームレスAIさん?長いからFAIでいいや『界渡り』って何?



A.質問を受諾……解答を作成……『界渡り』とは複数の世界が接触したときになんらかの事情で世界観を移動してしまうことです。私は世界の外側にいたのですが、あなたの『界渡り』の際にこの世界に引っ張られました。


そ、そうか。なんか迷惑かけちゃったな。

しかし、そうか。異世界なのか。異世界……なのか……

はぁ。猫カフェ……猫カフェェェ……


よし。落胆していても始まらない。まずはなんとかしなくちゃ。

ところでさっき母猫(仮)が言っていた「特異種」ってなに?「魔力体」ってのもわからないんだけど?


A:質問を受諾……解答を作成……まず個体名・なし(今泉泰美)は元の世界からこちらに転生しました。種族名はミニマムキャットです。

この際、なんらかの事情により肉体を魔力で構成された魔力体へと変換できる性質を身につけました。これによって、肉体への衝撃を完全に吸収することが可能となります。ただし、魔力に直接働きかけるような攻撃には弱いです。

このような特異種(ユニークモンスター)は忌み嫌われており、それが原因で捨てられたと考えられます。


……おおう。まじですか。私、捨てられちゃったの?強い子を育てるために的なやつじゃなくて?

育児放棄は犯罪だよ!

……そう言ってても始まんないよねぇ。


はぁ。異世界でひとりぼっちですか。人間ならまだしも。親にも捨てられちゃったし。これからどうしよう……

down:ぷはぁ!いきなり切らないだくださいよ!

up:中の人に言ってください。まあ聞いてはくれないでしょうが。

down:まったく……あ、そうそう。知ってます?実はこの話は微妙に【キョウ運】とは違うんですよ。同じ異世界転生に見えますが、あっちとこっちは「枠」が違うとかなんとか……

up:じゃあ聞いてみましょう。

down:へ?

up:ミームさんを呼べばいいんです。我々の方が上位の存在ですからね。

down:いやいやいや。確かにあの人全然出番来ませんけどそんなポンポン呼んでいいもんじゃありませんよ。読者の根気的にも。

up:そうですか?そんなことありませんよ。「出張ですか?喜んで!」と言っていたので大丈夫です。ぜひ来てもらうべきです!

down:そ、そうですか。では長くなってきたので今回はこの辺で。

up:次回予告! 

捨てられたので、とりあえず散策します!


次回 空腹は空腹でもやばそうな空腹


down:次回更新は8月15日です。

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