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よろしくお願いします。

 

 試験試合に勝利した事による従者任命も行われ、ティミの“クルエル教徒疑惑”も解消した。


 しかし、


「度々呼びつけてしまって済まないな」


 俺はまたしてもロルフさんを経由してウルリーケ公爵からの呼び出しを受けていた。


 とはいえ、呼び出されたのは何も俺だけじゃない。

 俺、クラルテ、スピラ、ドミ、レファリオ、キールの六人がウルリーケ公爵に呼び出されていたのだ。


 そして、


「此度の騒動を食い止めた褒美をまだお前たちに与えられていなかったからな。どうか私の我儘に付き合ってほしい」


 どうやらこれは公爵が俺たちに褒美を取らせる為に呼び集めたものという事だ。


 ──────けど、なぁんか後ろめてぇ感じがすんだよなぁ……。


 こうして呼び出された訳を聞かされても、俺は何とも気の進まない気持ちを抱えていた。


 今回の騒動の原因は、間違いなくゲルトナーだと言える。

 クルエル教徒だったゲルトナーがアーディベル領を危険に曝し、それを俺達が防いだ。


 さらには、ゲルトナーは俺との会話の中でリスティアお嬢様に色々と何かを吹き込んでいたというような事も言っていた。


 どう考えてもゲルトナーの悪事を防いだ事に後ろめたさを感じる必要なんてない。


 その筈なのだが、


 ──────あ……っ!? ゲルトナーが試験試合で暴れた理由って俺じゃん!?


 ゲルトナーは俺が誤って使ってしまった“クルエル教の符号”を切っ掛けに今回の騒動を引き起こした。


 勿論、俺が何もせずとも(いず)れはリスティアお嬢様を利用して何かしらの問題を起こしていた事だろうが、結果としてゲルトナーが今回の騒動を働く要因を作ったのは俺であり、それを収めたのも俺という構図が出来上がってしまっていた。


 ──────これって傍から見たら自作自演(マッチポンプ)ってやつじゃ……っ!?


 俺がそうした気付きを得た直後、


「さて、褒美は出来るだけお前たちの希望に沿いたいところだ。お前たち、何か要望はあるか?」


 公爵は皆に褒美の希望を尋ね始めるのだった。



 ◆◇◆



「公爵様! 願いを聞いていただけるというのなら是非ともお願いがあります!」

「衛士キール・リアドス。言ってみろ」


 最初に声を上げたのは衛士のキールだ。


 キール自身はゲルトナーに対して直接的な戦闘といった意味での活躍はしていない。

 だが、彼が命を賭して巨大植物壁の外にいるクラルテたちを呼んでいなければ今回の結果には結びつかなかった事だろう。


「はっ! 俺は此度の試験試合で己の未熟さを思い知りました! ……俺は、俺より力も技量も魔力も劣るオチバの策にまんまと(はま)り、得物を破壊されて負けたのです。俺の敗因は、オチバとレファリオを侮った事もあります。ですが、オチバがあれだけ戦える力を持てたのは魔道具に他なりません。俺は此度の戦いで魔道具の有用性をはっきりと理解したのです! だからこそこれら魔道具の研究は、よりアーディベル領の発展に繋がると確信しました!」

「なるほど。それでお前は何を望むのだ?」

「はっ! 俺は、魔法研究機関の強固な警備体制を求めます。この技術は宝です。そして同時に宝は賊に狙われるもの。是非、衛士隊の一部を魔法研究機関の防備隊として回していただけるようお願いします。()いてはその防備隊の長を俺に任せていただきたいのです!」


 キールの発言は立派な志からのものに思えるが、欲が隠しきれていない。

 チラチラとドミの様子を窺っている事からも、その真の狙いがドミの近くで仕事をする事だというのは透けて見えていた。


 とはいえ、合理的に考えればキールの提案は決して悪いものではない。


「……ふむ。いいだろう。フォルカー衛士長に話を通しておこう」


 公爵もそう判断したのか、あまり悩むこともせずにキールの願いを聞き届けた。


 そして、


「公爵様、私は特に願うような事はありません」


 続いて言葉を発したのはドミだ。


「研究機関のドミだったな。……そうか、特にないか。しかし、お前の働きがあったからこそ救援部隊が殆ど無傷で辿り着けたとの報告を受けている。労に対して何も報いを与えないというのは私の信条に反する」


 ドミの働きは何と言ってもクラルテとスピラを俺とレファリオの下に連れてきてくれた事だ。ドミの働きが無ければ間違いなく俺とレファリオは詰んでいただろう。


「でしたら……私は兄であるゼンの指示に従って動きました。褒美はゼンに」

「分かった。だが、気が変わったらいつでも言うといい」


 公爵がドミの希望を聞き届けると、


「はいっ! そんじゃあ次はわたしの希望を聞いて貰っていいか! ……じゃなくて、聞いて貰っていいでしょうか」


 スピラが勢いよく手を上げて主張する。


「ふっ、勿論だ。我が娘リスティアの従者、スピラ。……それと今は(おおやけ)の場という訳でもない。自由に話してくれて構わん」

「そうか? ならいつも通りに話させてもらうとすっか!」


 公爵からの許しを得たスピラはいつもの調子で話を始める。


「公爵様は知ってると思うけど、帝国の外じゃ魔王を倒したら勇者の称号を名乗れんだ。そんで、わたしは昔からその勇者になりたいってのが夢なんだ」

「……それは済まない事をしたな。だが今は皇帝の沙汰を待たねばならない。しかし、此度の騒動を公にする許可が降りたならば、魔王を倒した勇者としてお前の名前も帝国に轟かせると約束しよう」


 公爵はスピラにそう約束するが、


「あー、悪いけど公爵様。そうじゃねーんだ。それはいらねー。正直、わたしはこの戦いで貢献出来た実感がねーんだ。そりゃ魔眼が役に立った場面もあったろーけど、少なくとも胸を張って“わたしが勇者だ”って名乗れる程の活躍が出来たなんて全然思えねー」


 スピラはその約束は不要だと言う。


「ほう? なら何を望む?」

「わたしが公爵様に望むのは、もっと未来の約束だ」

「……更に先を見据えているということか。なるほど、言ってみろ」

「いつかわたしがリスティアの従者としての役割を全うし終えたら、わたしが魔王討伐の旅に出る許可をくれ」


 それはスピラが出会った当初から言っていたスピラの夢だ。

 しかし、そこにはリスティアお嬢様を放って置けないという気持ちが新たに加わっていた。


「……そうだな。従者の任はリスティアがセアリアス学園を卒業するまで続く。それから先は、私がお前を引き留める事はしないと約束しよう」

「……よっし!」


 望んでいた言葉を公爵から引き出し、スピラが喜びを見せる。


 すると、


「……待て。公爵様、やはり私も頼みたい事が出来た」

「ど、ドミ姉?」


 ドミが空かさず声を上げた。

 その言葉遣いは、さっきまで出来ていた敬語が完全に抜けている。


「ほう、言ってみよ」


 しかし、公爵は気にした様子もなくドミに続きを促した。


「スピラが旅に出る時は私も同行する許可がほしい」

「…………許可を出そう。だか、それをスピラが容認するかどうかは私の預かり知るところではない。両者で話し合って決めるように」


 予想してなかった願いに公爵から若干の疲れが見えたのは、気のせいじゃないだろう。


 そして、


「…………え。ドミさんが旅に出たら俺の願いの意味って」


 もう一人公爵以上に血の気の引いた衛士がいた事をここに記しておく。



 ◆◇◆



 そうしてドミの願いも無事に聞き届けた公爵は、


「さて。これで残るはオチバ、クラルテ、レファリオの三名となったな」


 残った俺たちに目を向ける。


「それじゃあ、今度はボクがいかせてもらおうかな」


 そうすると今度はクラルテが口を開いた。

 クラルテはこの場にいる誰よりも緊張した様子がなく、公爵に対して物怖じしている様子は一切ない。


「ふむ。クラルテ・フライハイト、言ってみろ」

「あっ、でもその前に確認させてほしい事があるんだっ! ボクは公爵の依頼でリスティアお嬢様のメイド兼護衛をしてるけど、その依頼も残り二ヶ月くらいで終わりになる。そうだよね?」

「ああ、その通りだ。お前ほどの腕の勇士を手放すのは勿体ないがな。……続ける気はあるか?」

「ううん。残念だけど、ボクの目的はここにないから辞退させてもらうよ」

「そうか。それは残念だが仕方あるまい。そうすると、次の目的地へ向かって旅立つということだな?」

「うん。ボクは公爵の依頼が終わったら次の旅に出るつもりでいる。それでボクのお願いなんだけど、公爵にはボクの旅の準備を手伝ってもらいたいんだ」

「なるほど。それくらいお安いご用だ。旅に必要な道具は全て此方で手配しよう。……そうだな。魔馬車が必要ならばそちらも準備しておくとしよう。行き先が決まり次第ロルフに伝えてくれ」


 公爵とクラルテの話はトントン拍子に進んでいく。


「あっ、次の行き先はもう決まってるんだ。ボクもオチバたちと一緒に()()()()()()に行こうかなって」


 しかし、クラルテの次の行き先を耳にした公爵は険しい表情を浮かべる。


 というのも、


「……ヴィッツ公国の入国を手伝うことは可能だ。しかし、セアリアス学園に行く手助けは出来ない。学園に足を踏み入れる事を許されるのは学園関係者とその従者だけだからだ」


 セアリアス学園は貴族子弟が通う学園という事情もあり、部外者が立ち入る事を許していない。

 俺がリスティアお嬢様の従者を目指すことなったのも、元はと言えばこの決まりが原因と言える。


 だが、


「あー、それは気にしないで大丈夫! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からねっ!」


 それを聞いて思い出す。


 ──────そういや、クラルテの旅の目的って魔王因子による被害を無くす事だったっけか……。


 そしてクラルテは未だに俺の中に魔王因子があると思い込んでおり、それが暴走しないように面倒を見るのだと常々息を巻いている。


「なるほど、そういう事か……。分かった。ヴィッツ公国に入国出来る通行証を用意しておこう」

「ありがとう! ウルリーケ公爵!」


 つまり、“セアリアス学園に行ける行けない”なんて事は、クラルテにとって問題にすらなっていなかったのだ。



 ◆◇◆



 クラルテの願いが聞き届けられ、公爵の視線は自然と残った俺とレファリオに注がれる。


 そして、


「ウルリーケ公爵様、次は私からよろしいでしょうか」

「オチバ・イチジク。言ってみよ」

「はい。私からの願いですが、公爵に願う事はありません」


 俺は間髪入れずに“願いはない”と公爵に申し入れた。


 ──────さっきは自作自演みたいになってるこの状況に焦っちまったけど、ドミのお陰でこの場を乗り切る方法を見つけられたぜ……!


 ドミの“願いはない”という願いは、まさに俺がこの状況を切り抜けるのに相応しい回答だと言えた。


 加えて、ドミが前例を作ってくれた事でこの願いを求めるハードルも低くなっている。


 更には、


 ──────ドミと同じように願いが先送りにされれば、願いを有耶無耶にする事だって出来るっつー寸法だぜ……!


 そして、そんな俺の思惑は上手くいき、


「……そうか。分かった。ならば願いが出来た時は私に伝えてくれ。幸いにしてお前は私の依頼を終えてもリスティアの従者として、そして名誉付き人としての縁が続く。リスティアが学園を卒業するまでに願いを見つけておくがいい」


 公爵も俺の申し出を受け入れてくれた……かのように思えた。


「───と、言いたい所だが。オチバ、それでは私の気が済まん。なんでも、ゲルトナーを鎮圧出来た決定打はお前とレファリオの力があったからこそらしいじゃないか。アーディベル領の窮地(きゅうち)を救った張本人に何も(むく)いる事が出来なかったなどとなれば、先祖代々続く由緒正しきアーディベルの家名に傷がつく。……ロルフ、あれをオチバに」

「はい。只今お持ちいたします」


 公爵がロルフさんの名前を呼ぶと、ロルフさんは何処からか書類を取り出して俺の前に差し出してくる。


 既に嫌な予感しかしないが、これを受け取らないという選択肢は取れそうにもない。

 俺は恐る恐る書類を受け取るとそのままその書類に目を通していく。


 そして、


 ──────って何だこれ……!?


 そこに書かれた内容を理解するに連れて俺の冷や汗が止まらなくなる。


「その……う、ウルリーケ公爵様? こ、これって……」

「見ての通り、我がアーディベル領の一部をお前に任せる事を記した書類だ。帝国の領土は皇帝の所有物だが、どのように運営するかはそれぞれの土地管理を任された諸侯に一任されている。問題はない」


 ──────問題はそこじゃねぇんだよ。


「え、あの、ウルリーケ公爵様、私はリスティアお嬢様の従者としてヴィッツ公国に向かいますし、その後も私自身の旅の目的がありますので……」

「ははは、そんな事は分かっている」


 ──────『ははは』、じゃねぇよ。


「……分かっているのでしたら、何故私にそのような事を任せようとするのでしょうか? 無理です。物理的にも不可能です」

「そうか? お前なら問題なく任せられると踏んでいるぞ? お前が所有する帝都の“カザン亭”……いや、今は“()()()()()()”と名を改めたのだったな。開店して一年と経たず帝都の人気店となっているそうじゃないか。従業員も増え、近いうちに二号店、三号店も出来るとの話も聞く。人手に困っているということはないだろう」

「…………は?」


 ──────な、なんだそれ……? “カザン亭”はまだしも、“異国の果実亭”? 二号店に三号店? 何の話だ……!?


 突如として出てきた聞き慣れた単語と聞き慣れない単語。その両方に俺の頭は一瞬思考を停止させられる。


 帝都に新しく出来た“カザン亭”は、俺とレファリオが帝都の闘技場で協力して戦った末に何故か俺が所有することになってしまった店の事だ。


 リーノという顔見知りの竜人の口車に乗せられた俺は“カザン亭 ロイライハ支部”の新たな所有者となり、その運営については元々この店で働いていたリーノに全てを丸投げする形で落ち着いていた。


 その筈なのだが……。


 ──────そ、それがまさかたった二ヶ月ちょっとでこんな事になってやがるなんて……!?


「なに、領地運営が不安だというのならロルフを暫くの間そちらへ寄越す事も考えよう。とは言えども、“異国の果実亭”を運営するリーノとやらの手腕を見ればそこまで不安に感じる事はないと思うがな。……しかし、オチバもよくあのような才ある者を見つけたものだ」


 どうやら俺の預かり知らないところでリーノはかなり派手に動いていたのだろう。公爵からの評価が凄まじいものになっている。


 そして公爵は、俺が意図してリーノの才を見抜き、味方につけたのだと思っているようであった。


 ──────けど、そんな訳あるかよ!? あいつ、自分の故郷の国家転覆を狙ってるようなヤバい奴なんだぞ!? ……いや、その前に今は何とか断る文句を考えねぇと!


 俺は表面上は冷静を装いつつも、内面で必死になって頭を働かせる。


 だが、


「オチバ、どうか私の我が儘を聞き入れてくれないだろうか。お前が直接的な管理をする必要はない。お前はお前の目的のための旅を続けてくれて構わない。ただ、お前という恩人がいた事を我が領地に刻みたいのだ」


 ──────あ、駄目だこれ……。


 公爵に逃げ道を塞がれた俺はこれ以上の抵抗を潔く諦めることにした。


「……はい。謹んで拝命いたします」

「おお!! 引き受けてくれるか!」


 ──────いや、公爵にここまで言われたらもう断れねぇだろ……。引き受けなかったらもっとヤバい事言い出しそうだし……。


「……じゃあ、後のことはリーノに任せて宜しいでしょうか」


 こんな提案が通ってしまったのもリーノの責任だとばかりに俺は今回の話もリーノに押し付ける方向へと持っていく。


「うむ。分かった。後の事は此方で処理しよう」


 そして公爵が非常に満足気な様子で頷いた事で、(ようや)く俺との話が終わったのだった。



 ◆◇◆



「長くなったな。最後はレファリオ・アルメヒス、お前の希望を聞かせてもらう番だ。だがその前に一つ、私から話をさせてくれ」


 公爵は先程まで出していた朗らかな雰囲気を消しさると、一瞬にして荘厳(そうごん)な雰囲気へと切り替える。


「レファリオ・アルメヒス。お前は属性融合魔法を発現させた。それはつまり、お前は帝国の二柱によって“皇帝候補者としての資格がある”と認められたという事に他ならない。お前はロイライハ皇帝を目指すことが出来る」


 レファリオは公爵が話す内容について想像が付いていたのか、特別驚いたような様子は見受けられない。


「だが知っての通り、私はクラウディオ・ドリス様を支援すると誓った身だ。お前が皇帝を目指したとて、私がお前の支援をする事は出来ない。それをすればクラウディオ様に対する不義理となる」


 続く公爵の言葉も、レファリオは涼しい顔で受け止めている。


 ──────レファリオの奴、既に覚悟を決めてるって事か。


「しかし、幸いにしてお前はこれよりリスティアの従者として学園に(おもむ)く事になる。お前はそこで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「な……っ!?」


 ところが、公爵のその言葉を受けてレファリオの余裕は崩れた。


「お、お言葉ですがその必要はありません! 僕の願いは、このアーディベル家にてお仕えし続ける道を選ばせていただく事なのです……!!」


 この様子を見るに、レファリオは“皇帝候補者として名乗り上げない覚悟”を決めていたのだろう。


 レファリオは譲れないとばかりに公爵の顔を直視し続ける。


 そして、


「そうか。まだ、迷いがあるように思えるが……」

「……っ!?」

「だがそれがお前の願いというのなら、分かった。それを汲むとしよう」


 公爵はレファリオの瞳に迷いが見えたと言うが、レファリオの願いを優先することにしたようだ。


「……はっ! 感謝いたします」

「しかしだ。皇帝候補者となったという事は、お前はロイ神とライハ神から直々に使命を授かったも同然と言える。それを無下にするわけにもいくまい。……お前が悩んでいるのはその事についてだろう」

「そ、それは……。仰る通りでございます……」

「ならば、折衷案(せっちゅうあん)といこう。やはりお前にはリスティアと共に生徒としてセアリアス学園に入学してもらう事にする。お前はリスティアの従者としての使命を果たしつつ、ロイ神とライハ神から授かった皇帝候補者としての使命をも全うするのだ。そして学園を卒業した折に改めて問おう。我がアーディベル家の使用人を続けるのか、皇帝候補者としての道を歩むのか。じっくり悩んで決めるといい。どちらであっても私はお前の決断を尊重しよう」

「……っ!! はっ! 必ずや従者としての使命、そして皇帝候補者としての使命を全うし、その問に対する答えを導き出してみせます……!」



 ◆◇◆



 こうして従者採用試験から(たん)を発した一連の騒動は一旦の終止符が打たれた。



 そして二ヶ月という期間はあっという間に過ぎ去り、いよいよリスティアお嬢様と俺たちがセアリアス学園のあるヴィッツ公国へと出立する日がやって来たのであった。



読んで頂きありがとうございます。

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