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投稿遅くなってすみません。


 左右に巨腕を携える門番は当たり前に胴体も大きい。素材は不明だがこれまで振るってきた巨腕の威力を思えばその重量は俺が支えられるものではないだろう。 

 俺はそんな巨体と地面の間に体を潜り込ませていた。

 本来であれば簡単に押し潰されてしまう状況だが、今のところその心配はない。スピラがコアに刺した剣が支えとなり、門番と地面の間に少しだけ余裕が生まれているからだ。


「……っ⁉ 大丈夫かスピラ⁉」 


 薄暗い視界の中で聞こえてきた荒い息に目を向ければ、半身を門番と床に挟まれて身動きが取れない状態にあるスピラが確認できた。

 返事をする余裕もないのだろう。苦悶に表情を歪めている。


「これは……⁉ そうか⁉ 魔力を使って防御できないから……⁉」


 門番が倒れてくる時は魔力で身体を強化して防御できたから騒ぐ余裕を見せていたに違いない。

 だが今のスピラは門番に魔眼の魔力を吸収されないようにと魔眼の発動を止めていた。

 つまり、生身のままで門番の重量に伸し掛かられているという事だ。

 伸し掛かられている箇所に目を運べば既にうっ血しており、素人目でも急いで救出する必要があると判断できる。

 そして一刻も早くスピラが魔眼を発動させられるようになるには、俺がコアを完全に破壊するしかない。


 しかし……。 


「何でだ……⁉ 刃が通らねぇ⁉」


 コアを壊そうと何度短剣を振り下ろしてもコアに短剣は突き刺さらない。表面に傷跡を僅かに残すだけでスピラのように突き刺す事が出来ないのだ。


「何が駄目なんだ……⁉ だってこの短剣にはスピラの魔力がある筈なのに……⁉」


 コアには魔力を伴った攻撃しか通らない。

 だからクラルテが作ってスピラが魔力を込めたこの短剣であれば攻撃が通ると考えていたのだが、俺の手にある短剣はコアに少しの傷をつけるだけで致命傷は与えられなかった。

 だが、だからといって諦めるわけにはいかない。


 ────この短剣とスピラの剣で違いがあるとしたら形状くらいだ……! だから武器の性能は関係ねぇ……! もしかしてコアに攻撃を通すには他の条件が必要なのか……⁉


 武器の性能が原因でないなら状況の違いにヒントを求めてみる。

 スピラの剣が刺さってる箇所と同じ箇所に短剣を突き立ててみるが通らない。他の色々な角度から突き立てたり、ゆっくりと突き立てたりしても駄目だった。

 しかし、これだけ試して全部駄目という事であれば恐らく攻撃が通らない理由は一つだけだ。

 

「問題は俺にあるとしか思えねぇ……‼」


 俺なくて、スピラにあるもの。

 それは魔力しかない。

  

「アンタ……。この状況でわたしを助けに来たのか……。弱い癖によくやるぜ……」

「スピラ⁉」


 痛みを我慢しているのだろう。額に大きな汗を浮かべるスピラが俺に話しかけてきた。


「お前喋って大丈夫なのか⁉ 無茶は──」

「無茶すんななんて言わせねーぞ……。ここで無茶しなくちゃ……。わたしだけじゃなくてアンタも助からねーんだから……」

「…………そうだったな」


 事実、ここで俺が門番のコアを何とかしなくちゃ俺もスピラも助からない。それどころか俺とスピラを助けようと消耗しきってるクラルテたちも道連れにしてしまうかもしれない可能性だってある。 

 ならば俺がここですべき事はスピラの心配より、協力してもらって解決策を出すことだ。


「スピラ、聞きてぇ事がある。クラルテに作ってもらってお前に魔力で強化してもらったこの短剣がコアに刺さらねぇんだ。それって俺に魔力がねぇからなのか?」 

「アンタ、本当にドミ姉と同じで魔力がねーんだな……。ああ、そうだ……。その短剣が刺さらねーのは、アンタに魔力がねーからだ……。その短剣は外から少しでも魔力を加えてやれば、わたしの魔力で短剣が強化されるようになってる……。わたしがそういう風に調整したからな……」

「外から魔力を加えるとスピラの魔力で短剣が強化される……?」


 俺は魔力を持たない。

 つまり、俺は一切魔力で強化されていない短剣を振るっていたという事だ。

 そしてその説明で多くの事に合点がいく。

 俺はてっきり“俺に魔力がないからスピラの魔力で強化された短剣は魔力を吸収されずに門番の装甲に傷を負わせられたのだろう”と推測していたが、そうじゃなかった。

 俺に魔力がないから短剣はスピラの魔力で強化されず、魔力で強化されていない短剣状だから門番の装甲に傷をつけれたのだ。

 また、同様の理由でコアを傷つけられない事にも説明がつく。

 “俺に魔力がないから短剣に込められたスピラの魔力が引き出されなかった”という話だ。コアは魔力を伴った攻撃でなければ傷つけられない。道理でこの短剣が突き刺さらない訳だった。


「悪かった……。ドミ姉の他に魔力が全然ないやつなんて見たことなかったから……。魔眼で確認できないくらい少ない魔力なんだって勝手に思ってたんだ……。けどアンタ、言葉通り本当に魔力が全くねーんだな……。驚いたぜ」

「んなこと言ってる場合か⁉ スピラ、どうすれば魔力ってのは使えるんだ⁉ もしかしたら俺にだってほんの僅かな魔力があるかもしれねぇ‼ ちょっとでも外から魔力が加わればお前の魔力でこの短剣は強化されんだろ⁉」

「は、はは……。残念だけどその可能性はねーな……。だった魔力があったらもうこの門番に吸収されてる筈だろ……? そうじゃねーって事は……。アンタには吸収される魔力が元からねーって事だ……」

「っ……⁉」


 スピラがここで嘘を言う必要はない。

 俺がこの短剣に魔力を加える方法は存在しないのだ。


「くそ……!」


 スピラも決して悪気があって“外部からの魔力で起動する”という調整を短剣に施した訳ではないだろう。

 何故なら、“込められた魔力を必要な時に必要な分だけ使える”という仕様は肝心な時に魔力が無くなるというリスクを大きく減らす事が出来るからだ。“魔力を引き金にして武器に込められた魔力を取り出す”というこの機構は理に適っている。


「アンタって色々作戦思い付く割りに魔力に関しちゃてんで何も知らねーんだな……? 焦んなって……。そう悩む問題じゃねーよ……」

「魔力がない常識で暮らしてきたからな……。けど、その口振り……。何か方法があるのか……?」

「ああ……! 簡単だぜ……! ぐっ⁉ ああああっ‼」

「スピラ⁉ お前何して……⁉」


 直後、簡単だと口にしたスピラは悲鳴を上げていた。 

 それは激痛に耐えながらも門番に挟まれている半身を動かして俺に腕を伸ばしていたからだ。


「っ……⁉ そういうことかよ……!」

 

 俺もスピラの意図を理解し、腕を伸ばしてスピラの手を取る。するとスピラは全身に激痛が走っている筈なのに決して手が離れないよう力を入れて俺の手を握り込む。


「おい……⁉ そんな(りき)んだら……⁉」

「さっきのお返しだってのバーカ……。へへ……。なんだよ……? わたしはからかってんだぜ……? そんな顔してねーで少しは照れやがれっての……」


 俺は余程心配している顔をしていたのだろう。スピラは痩せ我慢の表情で強がって見せる。


「流石に照れより心配が勝っちまうっての。でもそうだな。これで準備は整ったって事だな?」

「分かってんじゃん……。そうだ。わたしとアンタの腕を介してわたしの魔力をアンタの持ってる短剣に流す……。そうすりゃ解決だ……。わたしは魔力を流すのに集中する……。後は任せたかんな……」


 限界が近かったスピラはそう俺に伝えるとぐったりと俯いて口を閉ざす。


「ああ。任せてくれ」


 俺はスピラと手を繋いだまま改めてコアと対峙する。

 正直なところ、俺は手元の短剣にスピラの魔力が流れているのかどうかなんてさっぱり分からない。


「けど、確かめるまでもねぇ!」


 俺は短剣をコアに向けて突き立てる。

 先程とは明確に違う手応えがあった。

 短剣の刃は滑るようにコアへと突き刺さり、何の抵抗感もないままコアに刺し傷を刻む。 

 だが、コアの中心部分まで突き刺した所で刃の通りが悪くなった。

 一瞬スピラの魔力が途絶えたかと構えたが、コアの中心部以外は問題なく刺し傷を残せる。

 恐らくこの中心部が門番の本当の心臓部なのだろう。

 中心部からは無数の細い(くだ)が伸びており、門番の全身を繋ぐように広がっている。

 吸収した外部の魔力をこの場所に集めたり、門番の全身に魔力を行き渡らす役割を果たしている部分だと予想できた。


「つまり、ここに門番の全魔力が集約されてるって訳だ。ならここを破壊できれば万事解決だ……!」


 とはいえ、頼みの綱の短剣がコアの中心部を破壊できていないのが現状だ。


「単純に短剣の魔力がコアの魔力に負けてるってだけなのか……? いいや、それはねぇな」 


 スピラの魔力がコアの魔力に負けているとは思えない。何故ならスピラの振るった剣で門番はコアを損傷して動きを止めるに至ったのだ。これはスピラの魔力が門番の魔力に勝った事に他ならない。

 なら問題はその時と今の違いにある。


「大きな違いは……。あの時の門番は動いてたけど今の門番は動けない状態にあるってこと……。そうか! 今のこいつは全魔力をコアの中心部に集めて防御に徹してんのか⁉」


 スピラが剣を振るった時の門番は攻撃にも魔力を回していたが、今の門番は全ての魔力を防御に回していた。

 防御に回す魔力の差が短剣を防いでいたのだ。


「しかもこいつまだスピラの魔力を吸収して……⁉」


 門番には接触する相手から魔力を吸収する力がある。門番は魔眼を使っていない状態のスピラからも未だ魔力を吸収し続けていた。


 魔力の差があるから短剣でコアを破壊するには至らない。

 その上スピラの魔力を吸収して門番は更に防御を強固なものにする。

 加えて時間を掛ければスピラの命が危ない。


 しかし……。


「………………待てよ? だったらこうすりゃ終わりなんじゃねぇか?」


 そんな中、光明が見えた。

 なんてことはない。コアに魔力が集まるならば、集まらないようにすればいいだけの話なのだ。

 

 つまり、俺はコアと門番の全身を繋ぐ管をこの手に持つ短剣で切断した。

 一本たけで終わらせるつもりはない。俺は次々と魔力の通り道となる管を切断していく。


 この管はコアから全身に魔力を供給するための管だ。その素材は当然頑丈で、本来であればコアから供給される膨大な魔力で管の強度も相当なものとなっている筈だった。

 だが、今に限ってはその限りではない。

 全ての魔力がコアの中心部に集まる今、管の切断はそこまで難しい所業ではなくなっていたからだ。

 当然、魔眼の魔力で強化されたこの短剣で切れないわけがない。 


「これで全部……! さぁ! どうだ!」

 

 コアから伸びる全ての管を切断し終えた。

 門番の駆動音は既に沈黙している。恐らくスピラの魔力も今は吸収されていないだろう。

 目の前には何処にも繋がれていない門番のコアが明滅しているが、門番の体がコアに反応して動く様子もない。


「や、やっと終わりやがった……」


 正真正銘、門番は停止したのだ。

 

「オチバ⁉ 門番の駆動音が聞こえなくなったけどそっちは無事⁉」


 疲れがピークに達して脱力感に見舞われていると状況の変化に気づいたクラルテの声が近づいてくる。


「ああ! 無事だ! もう門番が動くことはねぇと思う! 安心して俺たちをここから助けてくれ!」


 そうして門番を倒せた旨を伝えると早速クラルテたちは俺とスピラを門番の下から助けるための話し合いを始めた。


「…………こうなると暫くはクラルテたちが救出してくれんのを待つしかねぇな。……そういや、ゼンたちはこのコアが欲しいんだったっけか。……ん?」


 折角ならコアを取り外しておくかと手を伸ばそうとしたのだが、そこでスピラの手がまだ俺の手を掴んで離さない事に気づく。


「おーい、起きてるかスピラ。もう魔眼使っても平気だぜ。手も離してくれて大丈夫だぞ」

「…………うるせーな。寝てねーよ。魔眼はそう何度も使えるほど便利じゃねーんだ。後、さっきから腕の感覚がほとんどねーからわたしの方からじゃ離そうにもどうしようもねーんだよ。そっちで離せ」

「感覚がねぇって……。お前それ……」

「心配いらねーよ。この程度の怪我、疲労が回復して魔眼を使えるようになりゃ治癒すんだから。つーか、回復魔法を使える奴にも当てはあるし……」

 

 回復魔法。ファンタジーでよく聞く定番な魔法はこの世界にも存在するらしい。その手の魔法が存在している事は頭の片隅に置いておくべきだろう。

 それはそれとして、怪我人の手を振り解くというのはあまり気の進む事でもない。


 ────そうだな……。コアが外せるかどうかくらいは片手で試せるか……。


 スピラの手を握る手はそのままに、もう片方の手は短剣を手放してコアへと伸ばす。

 しかし、コアを触ってみてもびくともしない。コアと門番は管で繋がっていないが、どうにもコアは門番の体にしっかりと固定されているようだ。


「…………こりゃ無理そうだな」


 これ以上は腕力に物を言わせる勝負になる。無理にこの狭い空間でやることでもない。ここは諦めて後でドミに任せるのが良いだろう。


「つっても油断は出来ねぇ。まだコアは生きてるみたいだからな……」

 

 コアは未だに明滅を繰り返している。

 とはいえ、コアから伸びる管は切断しているので門番が動き出すような心配はない。

 それでもまるで催促するように明滅するコアを見ていると……。


「………あれ? なんかさっきより光る感覚が短くねぇか?」

 

 明らかにコアの明滅する速度が上がっていた。そのありさまは“これから何かが起こる”という警告にしか見えない。


「おいおいおい⁉ 絶対なんかあるだろこれ⁉」

「どうしましたイチジクさん? 何か問題でもありましたか?」


 俺の騒ぎ声に異常を感じ取ったのだろう。俺たちを心配して門番の下を覗き込むゼンの顔が見えた。


「ゼン……! コアがめちゃくちゃ明滅してやがんだ‼ 確実にヤバいってのは分かる‼ どうすりゃ良い⁉」

「これは……⁉ マズイですね……。魔力が行き場を無くして暴発しようとしてる……」

「詳しい説明をどうもありがとう‼ けどそれよりどうすりゃ良いのか助言をくれ! つーか、お前は何でそんな冷静なんだよ⁉」

「助言……。そうですね。でしたら出来るだけコアから距離を取ってスピラの手は離さないでいて下さい」


 そう告げるとゼンは顔を引っ込め、この場から遠ざかっていく。


「はぁ⁉ 距離を取る⁉ んなこと言ったってどんなに頑張っても一メートルも離れらんねぇ状態なんだけど⁉ 爆発とかするもんなら絶対に避けれねぇ距離だけど⁉ あーもう⁉ 信じるからな⁉」


 最早他に頼りになる助言はない。

 俺は覚悟を決めてゼンの指示に従ってスピラの手を離さないよう掴み、出来る限り体を(よじ)らせてコアから距離を取る。


 数秒後、頭上──俺とスピラに覆い被さる門番に一筋の閃光が走った。

 閃光は横薙ぎの一閃だ。その一閃は門番を綺麗に両断し、コアより背面の部分を全て吹き飛ばす。


 俺の視界に映るのは残され門番の残骸とそれに取り付けられたコア、そして朗らかな笑顔を浮かべる少女だ。


「怪我はなさそうだねオチバ! 良かった! ……でも魔力はもうすっからかんだ〜!」


 驚きのあまり声を失う中、状況を理解する間もなく次の衝撃がやってくる。


「貰うぞ」


 いつの間にかドミが目の前にいた。

 だがドミは俺に目をくれる事なく、素早く明滅を繰り返すコアを鷲掴みにして頭上へと放り投げる。

 直後、ドミ自身も上空へと跳躍していた。 

 そして頭上に放られたコアを追うドミは跳躍の勢いをそのままに握り拳をコアに向けて何度も放ち、その度にドミの拳とコアの間で爆発が起きる。

 今日、幾度となく耳にした大きな爆発音が辺りに鳴り響いていた。ドミの拳にはゼンの誘爆魔法が施されていたのだ。

 誘爆魔法による衝撃をも利用して勢いを増すドミのラッシュはコアを正確に撃ち続ける。 

 そうして全ての攻撃を叩き込んで着地したドミの手には、破壊されて明滅すらできない状態のコアが掴まれていた。




 ◇◆◇



 

「お二人とも本当にありがとうございます。こんなに早く門番討伐を成し遂げられたのはイチジクさんとフライハイトさんのお陰です。コアは多少壊れてしまったかもしれませんが原型は残っていますので問題ありません。改めてありがとうございます」

「私がコアを破壊するという状況を読んでコアと門番を繋ぐ管を予め切断していたのも素晴らしかったぞ」


  門番の攻略に成功した俺たちは歩けるくらいの体力回復を待った後、地下研究施設を出て直ぐにこの街のギルドに依頼完了の報告へ向かう事にした。

 スピラの怪我の具合を思えば何より先に治療のできる場所に向かうべきだとも思ったが、それこそギルドに向かった方が治療の専門家は見つけやすいとの事らしい。

 

 しかし、ギルドに向かう道中で繰り広げられるゼンたちの会話には気まずさを感じてしまう。

 門番を相手に立ち回って最後は門番を吹き飛ばす活躍を見せたクラルテが称賛されるのは当然だ。

 だが、俺が称賛されている事についてはよく分からない。俺は渡された短剣でコアと門番を繋ぐ管を切断しただけで、それは極端な話をすると俺以外の誰でも行えた事だった。むしろ魔力を持たないせいでスピラに無理をさせてしまったとも言えるのだ。

 

「は、離せって言ったのに……。こいつ……。わたしの手……。ずっと握って……」


 当のスピラは無理をさせた事を気にしてる様子はないが、やはり何処となく気まずい空気を漂わせている。


「やったねオチバ! ……あとごめんね。まだ魔王因子を制御できてないのにこんな無理させちゃって……。でも安心して! 今回みたいにボクがしっかり付き合ってあげるから!」


 クラルテはいつも通りだ。俺に魔王因子があるとかなんとかと勘違いし続けている。いつか誤解が解かれる日は来るのだろうか。


「はぁ……。どいつもこいつも勘違いしやがって……」


 皆して俺が強いと勘違いしている。

 もう何度もこの道中で皆の勘違いを正そうと試みたが、どうも謙遜しているだとか誤魔化そうとしていると思われているようで一向に勘違いが正される様子はない。


 ────今の皆は門番討伐に浮かれてんだろうな……。訂正すんのはまた今度にするか……。


 そうして訂正するのに疲れた俺は過去ではなく、未来に目を向ける。

 取り敢えずは今回の依頼を通じて思い知った事を深く反省しよう。


「もうどんなに金に目が眩んでもギルドの依頼は絶対に安請け合いしねぇ」

 

読んでいただきありがとうございます。



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