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身分違いの恋の結末

作者: branch

私は身分違いの恋をした。

私は貴族、彼は侍従の息子。

叶うはずもない。

けれど、私達は諦めることができなかった。

人目を忍んで逢瀬を重ねた。

私達の未来を私は知っている。

そう、私は本当の意味で未来を知っているのだ。

私には先夢の能力がある。

故に私達がどうなるか知っている。

誰しも私達の恋は叶わないと思うだろう。

しかし、私達は結ばれる。

なんと、完璧なハッピーエンドを迎えるのだ。

私が彼を裏切れば。

私達は駆け落ちの約束をしている。

そして、先夢では父に見つかってしまうのだ。

けれど、私はどうやって見つかるか分かっているので、避けられる。

だか、見つからなければ完璧なハッピーエンドには辿り着かない。

父に見つかって私が待ち合わせの場所に行けないと、彼は私に裏切られたと思ってしまう。

それから彼は憎しみを糧に我武者羅に働き、元々の才能もあり財を成すことになる。

逆に私の家は父の投資の失敗などにより衰退し、困窮する。

10年を経て私達は立場が逆転して再開する。

彼は私を憎み復讐しようと近付いてくる。

お互いに傷付け合うが、誤解に気付きお互いの愛を再確認するに至る。

大金持ちの彼と愛し合う二人。

完璧なハッピーエンド。

そう、私が彼を裏切れば。

彼の心を傷付ければ。

もし、無事駆け落ち出来たとしよう。

そうすれば、僅かな金銭しか持たない若い二人がどこかでひっそり暮らすことになる。

彼は何かを見返そうなどと考えることもないし、自分一人でもないので、私との生活のために地道に働くことになるだろう。

まだ、私達は10代だ。

身寄りもなく、訳ありの二人にまともな仕事が見つかるだろうか?

そして、幼い初恋は生活苦に耐えられるだろうか?

成熟した大人であれば乗り越えられることも、未熟な経験も乏しい私達には荷が重いのではないだろうか?

いつかお互いが疎ましく邪魔な存在になるかもしれない。

苦労して苦労して生きていくことになるだろう。

綺麗ごとではすまされない。

私はどうすべきだろう?

私が彼を裏切ればいいのだ。

そうすればいい。

正解は分かっている。

彼を傷付けて幸せを掴めばいいのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もう一つ道がある。

私が逞しく強かになることだ。

私がか弱い乙女じゃなくなっても彼は愛してくれるだろうか?

世間知らずの善良な娘であることをやめれば、彼を傷付けず、且つ、私達が生活苦でボロボロになることもなくなる。

取り敢えず、今のうちに宝石類を売って現金を手に入れよう。

そして、偽りの身分を手に入れる。

メイクで年齢を少し上に見えるようにし、普通の引越してきた夫婦に見せるのだ。

彼は普通に働くだろう。

お金持ちにはならないだろうが、困窮もしない。

私は体力と家事を身に付けよう。

先夢の力で財テクもしよう。

多分、甘くはない。

失敗してやっぱり後悔することになるのかもしれない。

でも、私はこの3つ目の道を進んでみようと思う。

ハッピーエンドにしてみせようではないか!!

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