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1章‐発見‐
悪い夢を見たあとは大抵気分が悪い。何もしたくなくなる。憂鬱な感情に傷を更につけるように、朝日が部屋を明るくする。階段を下りる。
「おはよう」
なんて言ってくれる人はいなく、朝食の匂いを嗅いで朝ご飯に期待を膨らませること何て無縁だ。最初の頃はショックで吐き気がした。
両親が殺されたのは私が3歳の頃だ。だから親の記憶はほぼない。顔も分からない。戸籍上私には両親がいたということが記されているだけである。
ぐぅ
気の抜けた音がした。
「お腹すいたな。朝ご飯にしよ…」
カタカタと朝ご飯の準備を進める。やっと1日が始まる。