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2ページ目

△月□日


 今日は、あの子とお出かけをした。

いくつかお店を回って、買い物をした。


「あれ、自転車じゃないの?」


「自転車で行くの?」


 私は歩くほうが好き。

並んで話しながらでも危なくないしね。

でもあの子は自転車で来た。

私も取りに行こうかな……。


「あそうだ、後ろに乗ってよ」


「えっ、いいの?」


「たまにやってるから平気だよ」


「そうなんだ、じゃあお言葉に甘えて……」


 後ろの荷物をくくりつけるところに座る。

自転車で並走するより危ないような気がするけど、私の心は二人乗りできる喜びでいっぱいだった。

でも、ほかの誰かと二人乗りをしているということに、少し嫉妬。

あれ、これどこにつかまればいいんだろう。

抱きついちゃったらまずいかなあ。

どうしよう。


「よし、じゃあ行くよ!」


 あの子が漕ぎ出した。

あわててサドルの後ろをつかむ。

初めての二人乗り、しかもあの子と一緒という事実に、私はわくわくしていた。



 ところが。

痛い。

下半身が痛い。

あと、地味に腕もきつい。

最初は、自分でこぐのとは違う感覚や、サドルを掴む手にあの子のお尻が当たる感覚とかを楽しんでいた。

今はそれどころじゃない。


「どう? 二人乗りは」


「あちこち痛いよ……」


「あっはっは! それにしても、女だけで二人乗りなんてね。いつか彼氏作って二人乗りしてみたいなあ」


「あはは……」


「あそうだ、ちょっと性転換してよ」


 痛みは吹き飛んだ。

この子は彼氏と二人乗りしたい。

で、私に性転換してほしい。

つまり、私が男だったら彼氏になれるってことかな!!

そうに違いない。


 ……彼女じゃ、ダメかな。


「ふ、二人乗りって男がこぐイメージあるけど」


「あー確かに」


 とりあえず適当に返す。

あちこち痛いけど、自転車が好きになりそうだ。

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