そこ
空を見上げても、
そこには手の届くことのない青空があるだけ。
広がっている。 どこまでも果てしなく。
それと同時に、私の虚しさも増していくばかり。
強く、 ただ強く願う。
――もし、私がもう少しだけでいい。 強かったなら。
あの時、一歩でも踏み出せていたら、
こんなにも惨めな思いをしなかったのかな?
もし、私が後悔なんて言葉を知らなかったのなら、
今でも、今までと同じように笑えていたのかな?
見失った将来。 暗闇はさらに暗闇に。
わかるかな? この私の気持ち。
手を伸ばしても、努力をしても届くことはない。
もともと、天と地ほどの差があって、無意味だったのに。
なのに、そんなことにも気付けず、馬鹿みたいに我武者羅に進んできた。
今なら、はっきりと言える。
成功しなかった努力など無意味だと。
だって、そうでしょ?
確かに、後悔から学べることもある。
確かに、失敗したからこそ分かることもある。
だけどね、わかって前向きになれるのは、
その人にとっての“次”の目標があるから。
残念だけど、私にはそれがない。
精一杯、頑張ってきた。
これでもか!ってくらい努力して、
誰にも笑われずに済むように、頑張ってきた。
けど、私には、そこから立ち直る術がない。
次のステップなんてない。
私にとって、これが最初で最後のチャンスだった。
だからこそ、報われない努力など無駄だと気付けた。
成功するから意味がある。 失敗したら意味がない。
失敗したら、私のような人間には後悔しか残らないから。
後悔しか残らなかったら、そこから学べることは特になく、
自分をただひたすらに責め続けるばかりの奴隷になるほかない。
要するに、私は死ぬまで自分を恨み、憎むしかない。
――なんで、あの時……。
わかるかな? 私の、こんなにも惨めな気持ち。
初めから、蛙は蛙らしく、ひっそりと生きていればよかった。
大空なんて、私には本来、必要のない大きすぎるものを知るよりも、
ただ、地味に、誰にも気付かれることなく死んでいく方がよかった。
この気持ちって、きっと、たぶん、敗者にしかわからないんだろう。
光が見えて、夢を持って、それに向かって努力して、
そして、絶望を知って、希望って何?ってなって、それで…それで……。
どうすればいい? 何も見えない。
私の将来も、私の心も、私自身の姿さえもがわからない。
ねぇ、教えて? 私って誰? なんで生きているの?
ねぇ、教えて? 私って何? 笑い方さえ、思い出せない。