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オマケそのいち

※一発目のオマケは転生魔法成功後のナーシャ目線です。

 「アンジェ、ネリリ、今日は王宮に行こうね」

 お父様は食卓の場で、私と双子の妹のネリネに向かって優しく微笑みかけました。

 「はい、お父様」

 「わぁい、お城に行けるの!」

 ナーシャ・リナンティアとしての一生を終えた私はアンジェ・シェフィールドとしてこの世界に生を受けました。前回は小国の伯爵令嬢として生まれた私でしたが、今回は侯爵令嬢として生まれました。ちなみに双子である。

 双子の妹の名はネリリ・シェフィールドといって幼さ全開で凄く可愛い。前世二回分の記憶を持つ大人びた可愛さも何もない私を両親はネリリに向けるのと同じように愛情を注いでくれる。

 私は前世といい、家族に恵まれてる。それが嬉しい。

 私が死んでから二百年ほど経過した世界のアルティマ王国に生まれた事を知った時は、『転生魔法』がきちんと効力を発揮したのだと思って嬉しくなった。やっぱり自分の研究の結果が成功するというのは気持ちのいいものだ。

 私やクルスが生きたあの小国達は、纏まり合い今では大国マリウスとなっている。

 私やクルス、そして子供たちについて書かれた書物もあったから私はそれで私が死んだ後大切な家族がどう生きたかを知った。

 私とネリリは四歳になったばかりだ。

 前世のように五歳になれば魔力測定がある。…前世のように才能がなくて魔法が使えないのは嫌だなと今からドキドキしている。

 生まれてから四年、『絶対俺がナーシャを見つけるから』、そんな風に笑ったクルスとは再会を果たしていない。

 クルスへの『転生魔法』が成功したかもわからない。性別もわからない。大体の時代設定はしてあるけど同年代とも限らない。遠い国でクルスは生きてるかもしれない。

 そんな可能性は高い。

 それでもまた会えればいい。ただそれを願う。

 「アンジェ、どうしたのー?」

 昔を思って黙ってしまった私をネリリは心配そうに見上げる。それに私は何でもないよとただ笑った。

 それにしても王宮かぁ…と思う。

 ナーシャだった頃、私は王族貴族とは多く関わって生きてきた。自分自身が伯爵令嬢だった事もあるが、天才として名を広めて居た前世の私と繋がりを持とうとする連中は多かった。

 王宮は権力争いや陰謀が溢れる地なのだ。ナーシャ時代でそれはもう理解している。だから、何か間違いが起こらないように可愛い妹を守らなければ…。

 私はそう意気込んでいた。











 それでまぁ、お父様に連れられて私とネリリは謁見の間にいます。お父様が陛下に挨拶をし、私とネリリに挨拶を促しました。

 「お初にお目にかかります。わたくしはアンジェ・シェルフィードと申します」

 「え、っと、私はネリリ・シェルフィードと申します」

 私とネリリが挨拶をすれば、陛下は面白そうにこちらを見ていました。ちなみにこの場には王妃様に、十一歳になる第一王子と七歳になる第一王女、四歳になる第二王子がいらっしゃいます。

 ……ところで、どうして第二王子殿下はこちらを凝視しているのだろうか。

 「流石、お前の娘だな。四歳だというのに聡明そうだ」

 「おほめいただき光栄です」

 娘がほめられたからか、お父様は嬉しそうだ。家族は大切なものだから、大事な人達の顔に泥を塗らないように、前世で培った礼儀作法をきちんとやる予定なの。

 ネリリは私がやる事結構真似する子だから、さっきの挨拶も私がしたようにしたのだろう。要するに私が立派に淑女として行動すればネリリも立派な淑女になるのだ。お父様も礼儀作法の教育が楽(私は元々知ってるし、ネリリは私の真似して自然と覚える)だと喜んでいた。

 うん、いいことだ。

 それにネリリは可愛い可愛い妹だ。前前世でも前世でも双子の妹なんていなかったから凄く可愛い。

 その後はまぁ、お父様は陛下とお話があるからって事で歳が近いんだしあそんでこいと言われて、私とネリリは王子殿下と王女殿下方と交流中なんだ。

 それは理解出来る。子供に聞かせられない話ぐらい王宮でならやまほどあるだろう。ただ、一つ理解できない事がある。

 「えーと、リューノス様、私が何かしたでしょうか…?」

 私は第二王子であるリューノス様に腕を掴まれていた。そしてガン見されていた。それはもう、ガン見である。

 ちなみに他の三人はいない。先にいった所をこう、なんかガシッと掴まれた。

 そしてガシッと掴まれたかと思えば、いきなりぐいっと手を引かれて抱きしめられた。

 「え、ちょ、あの?」

 私は何が何だかわからない。当たり前だろう。何で初対面で私は抱きしめられているんだろうか。と、思ったら驚くほど甘い声でリューノス様が私の耳元で囁く。

 「やっと、見つけた」

 「えっと?」

 「ナーシャ」

 その言葉に私は抱きしめられたまま固まった。そんな私を気にしないとばかりに彼は思いっきり抱きしめて言う。

 「ねぇ、ナーシャでしょ。俺のナーシャでしょ。会いたかったナーシャ。今の名前アンジェなんだよね。可愛い。生まれ変わっても可愛いナーシャ…ううん、俺のアンジェ」

 …ええ、凄い今なんか懐かしさがこみ上げてきた。

 「………クルス?」

 半信半疑、だけど絶対そうだろうと確信を持って私は問いかけた。

 そうすればまたぎゅーっと思いっきり抱きしめられる。つぶれるから、やめて。

 「うん。会いたかったよ。折角転生出来たのに四年もナーシャがいなかったんだ。もう嫌だったんだ。生まれ変わってもナーシャは俺のだから。だから、ナーシャ、ううん、アンジェ、俺と結婚してね」

 私らまだ四歳なんですけど、というつっこみはとりあえず置いておいた。そこらへんはクルス……リューノス様だからつっこんでも仕方ない。というか中身クルスだとわかると様付けに違和感しかない。

 「……私と結婚したいならお父様と陛下にさっさと話を通しなさい。私もクルス―――リュノース様「リューでいいよ」……リューとの結婚なら嫌じゃないから」

 なんせ前世で連れ添ってきた夫である。前の前の人生は男だったし、クルス――――リュー以外はちょっと抵抗がある。というか好きでもない男に組み敷かれるとか絶対嫌だ。

 「アンジェ、大好き! すぐ父上に言うから、そしたらアンジェ、俺のだもん。アンジェは俺とずーっと一緒だもん」

 またぎゅーっと抱きしめられる。その後、されるがままにキスされ、それをネリリや王子殿下達に見られてすぐに陛下達に知られるのは別の話であった。










 オマケ

 「ねぇ、何でリューは私の事わかったの? 外見とか大分違うと思うんだけど」

 「俺がアンジェの事わからないはずないじゃん」

 「………そう」

 「うん。見た瞬間、何かアンジェだってわかったよ。直感っていうか、絶対この子がナーシャの生まれ変わりだって!」




アンジェ。

『天才』・ナーシャの生まれ変わり。現世では魔力があればいいなぁと柄にもなくわくわくしている。

魔法が使えればおそらく前世の知識もあって魔法行使能力は最強クラスだと思われる。

ちなみに赤茶色の髪に茶色の瞳の可愛らしい外見である。現在四歳。


リューノス。

『天才の夫』・クルスの生まれ変わり。

執着は相変わらず、というか四年も会えなかったせいで悪化している。ほぼ勘でナーシャがアンジェだと気付く色々おかしい人。

現世でも神に好かれてるのか知らないが相変わらずの美形である。


ネリリ

アンジェの双子の妹。シスコン。お姉ちゃん大好き!

多分リューノスに敵対心見せて喧嘩すると思われる。




あと実は互いにTS転生したのちの話も実は考えてました。どっちにしようか迷いました。

もしクルスが男→女、ナーシャが女→男に性転換していた場合のifをさらっとかくとこうなります。



王女のクルスが年頃のナーシャ♂の所へ夜這いにくる。(おそらく13,14歳の時)。

「何してるの!」とナーシャが叫ぶ。

しかし悪びれもないクルスは笑う。

「既成事実作っちゃうんだ。そしたら○○(現世のナーシャの名前)は私から逃げられなくなるでしょう? 私○○の子供欲しいなぁ。そしたら○○は完全に私のものでしょう?」

ふふっと笑ったクルス♀に襲われ、既成事実を作られる。




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