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 私には前世の記憶があった。地球にある日本での記憶だ。私はそこで宇野律也ウノリツヤという名の大学教授だった。前世の私は一言でいえば、モヤシだった。頭はよかった。論文は世間に認められてたし、科学者達の間では私は有名だった。

 それでもだ。前世の男だった私は、弱かった。子供のころから年下に喧嘩で負け、不良に絡まれて殴られれば一発で吹き飛ぶという弱さだった。前世の私はそんなに弱くても男だった。強い男に憧れていた。

 しかし、武術を習っても才能がないと一蹴されるほどだった。そう、前世の私の才能は頭脳面に偏っていた。で、そんな私が転生して、今の「ナーシャ・リナンティア」という女になったわけだ。

 前世で教授だったとはいえ、友人がファンタジー小説を好んでいたため「転生」の知識はあった。男から女になった事には戸惑ったが、仕方がないと諦めた。

 この世界で魔法があり、女でも実力があれば戦える事を知った時、私は強くなりたいと望んだ。幸い伯爵家に生まれたために、勉強するだけの余裕はあった。

 だから、5歳の魔力測定日を楽しみにしていた。

 魔法の勉強だって一心にした。幸い頭はよかったから、文字だってすぐに理解出来るようになった。

 それなのに、私は何処までも才能が頭脳に偏っていた。

 魔力値は赤ん坊と同じ程度しか持たず、何より魔法を扱う才能がなかった。

 本当に悔しかった。前世で驚くほどに弱くて、男らしさの欠片もなかった私が強くなれるかなって期待したのに。それに貴族でありながら魔法の才能が皆無な事に周りに馬鹿にされた事がむかついたわ。

 折角魔法の勉強も必死にしていて、魔法について理解出来る頭を持っていた。その辺で魔法が使えるって自慢してきた馬鹿達よりも魔法をどうすればもっと威力を高く使えるかさえも頭で理解していたの。それなのに使えないなんてって、本当に悔しかった。

 幸いな事に家族は優しい人達で、私に魔法の才能がなくても愛情を注いでくれた。

 でもそんな優しい家族が、自分のせいで非難されるのなんて我慢できなかった。魔法の才能がないのは、前世で武術の才能がなかったのと一緒で仕方がない事だって一週間ほどへこんだ後にそういう結論に至った。

 ならば、前世同様教授のような立場にならなれないか。魔法は無理でも現世では武術は出来ないか。

 もしも、出来るならばそれを精一杯やろうと思った。

 それから私は必死に魔法を勉強した。他の事も勉強していたけれど、魔法が一番の私の研究材料だった。

 魔法の理論。魔法の詠唱。

 それらを分析して、新たなものを生み出せないか。威力を増す事は出来ないか。

 それらを考えるのが楽しくなっていた。元々前世でも頭を使う事が好きだった。研究することは趣味でもあった。

 一心に研究をはじめ、研究のためなら食事も抜くような私だったから両親や使用人に心配されたりもしたけど、徐々に私は魔法を知っていった。

 親孝行のためにも領地の発展にも力を貸した。

 平民の暮らしをよくするための農具などの発達。新たな魔法具の作成。

 私は10歳までの間にそれらを提案し、研究し続けた。

 私はその頃には「天才」として有名になっていた。私を過去に馬鹿にした連中は私にその頃には何もいわなくなった。

 そして私は認められ、同盟国である隣国のエリートが集う魔法学園にスカウトされた。通常13歳から通う所を、10歳で入学するという異例の飛び級でだ。

 私の住まうマリウスの周りにも幾つかの小国が存在しており、小国の私たちは同盟を組んで大国からの侵略を免れている。互いに王族同士を結婚させたりと繋がりは深い。

 マリウスよりもその隣国のリカードの方が魔法が発展していて、私も行きたかったからいく事になった。

 ただ、私が天才と有名になりすぎたらしく利用しようとする人間も多いという事で私には護衛が付けられる事になった。

 うっとおしい事この上ないけれども、私の能力が認められてるって事だからまぁいいとする。それに私は研究が出来ればそれでいいし。

 それでつけられた護衛が、生徒と暗部の人間だった。

 力のある生徒が護衛として傍にいるのに加え、国の暗部の人間がばれないように常に私の護衛をする状態となったわけだ。

 「―――クルス・ネティアスだ」

 つけられた護衛は三人いたわけだけど、その中で学園トップの実技成績でこの学園に入学したのが彼、クルスだった。学園に通えるだけ裕福で、なお強い彼はリカードの公爵家子息らしかった。

 その無愛想な態度から、私の護衛につくことが不服な事が窺えた。

 でもわかる。自分より身分の低く、本当に護衛するだけの価値があるか一見してわからない私に何か思う事があるのだろう。公爵家の子息である彼よりも私に価値があるようには、彼には見えなかったのだろう。いぶかしそうな表情を私に最初から向けていた。

 金色の髪に、赤目の美しい少年。それがクルスだった。

 対して私は伯爵家令嬢にしては地味だ。お母様やお父様が美男美女でお似合いなのに比べて、所々のパーツは両親にしているものの、美少女といいがたいのが私だ。髪は黒に近い茶色であるし、目も灰色だ。

 普通に私はオーラからしても平民と間違われそうなのだ。

 訝しそうにこちらを見る視線には最もだと思うし、私はそんな視線を気にしなかった。王命で私の護衛を任命されているらしいから、きちんと全うするだろうとは思っていたからだ。他の二人の護衛は私が三歳も年下の子供だからか、兄が妹にするような態度をとってきた。

 その時は、まぁ、クルスと学園を卒業してからは交流がなくなるんだろうと思っていた。










 「…そこ、違う」

 「あ?」

 「間違ってる」

 基本、私の傍で不満そうなクルスに私がはじめて話しかけたのは、クルスが学園の課題をしている時だった。

 学園で出される課題は此処が魔法学園としてトップクラスというだけあって難しいものだ。それをこなしながらも3歳年下の私の護衛をする彼らはさぞ大変だろう。そう考えれば彼が不満そうなのも仕方がない事だった。

 悪いという気持ちは少なからずあるが、私は自分勝手な人間だ。この学園に来たのも、魔法についてもっと学びたいという思いがただあったからだ。

 課題をちらりと見て、間違ってる箇所があったから指摘した。

 「あと、そこはその書き方よりも――――」

 その課題の気になる点を私は次々にあげた。

 一度視界に入れてしまえば気になって、口にしてしまったのだ。

 「………」

 それらを一々説明するのが終われば、彼は驚いたような顔で固まった。そのまま固まって、無言で私をちらちら見てきて、まぁ、気にせずに私はのんびりとしていたわけだが、次の日から彼は私に少しずつ話しかけてくるようになった。

 最初は「此処、どうすればいい」とかいうそういう言葉だけだった。最もそれだけでも驚いたものだが。それまで必要以上に私と会話しようとしなかった彼が話しかけてくるのだから驚く事だろう。

 で、一年経った頃には、

 「ナーシャ!!」

 クルスは私にべったりになった。

 懐かれたというか、いや、これは自惚れかもしれないけれど好意を持たれてると思った方が正しいだろう。だって残りの二人の護衛が私に近づいたり、話しかけても威嚇するようになったのだ、クルスは。私に近づく人間は自分だけでいいとでも言う風に行動するようになった。その結果、私を妹のように可愛がってたクルス以外の護衛も含めて他の人間は近づかなくなった。

 けれど私は構わなかった。

 現世で私が大切に思っているのは家族だけで、ずっと研究に熱心な私には友人と呼べる存在もいない。前世でも研究熱心な変わり者として知られていて友人も少なかったから、前世と特に変わらないし、特にそれを憂う事もない。これが見た目通りの11歳の少女なら違ったかもしれないが、生憎前世も合わせると私は精神年齢が30後半に達している。

 「……クルス」

 私にべったりとくっつくクルス。まぁ、要するに抱きかかえられているわけだが(3歳しか違わないのに軽く抱きかかえるなんて力持ちで羨ましい)、何でクルスがこんなに私に好意をもったかはさっぱりわからない。大体最初の頃は、魔法についてしか喋らなかったのにと思う。

 でもま、別にクルスに好意を持たれてるのは構わない。だって、クルスは優良物件だ。結婚相手的な意味で。貴族の娘であるし、何れ結婚しなきゃいけないだろう。それは仕方がないと割り切ってるから別にいい。でも少なくとも嫌悪を抱かない相手と結婚したいものだ。第一に強い事も条件だろう。元男だし、強い男には憧れるのだ。ちょっと妬ましいけど。私だって魔法使って戦いたかったのに! …武術の才能も私は皆無なのよ。そもそもこんな腕力がなくて、武器なんて振り回せないのよ。子供だからも理由だけど、元から非力すぎるのよ。同じ年の子が持ち運び出来るものも持てないのよ…。

 何だか考えてたら悲しくなってきた。

 同じ女でも有名な魔法の使い手とか、最強の一角と名高い人だっているのに。

 「ナーシャ、どうした?」

 へこんでるのがばれたのか、なんかクルスにのぞきこまれた。

 顔近いんだけど。あと周りの女子生徒が睨んでるから離れなさい。クルスは見た目もいいから結構もてる。そのせいで睨まれたりするのよね。

 まぁ、何かやろうとした令嬢はクルスに徹底的に叩きのめされてたからちょっかだしてこないけど。一応「ほどほどにしてね」といってあるから、やりすぎる事はないと思う。

 「…なんでもない」

 くそ、イケメンで地位もあって強いなんてずるい。強さだけでもわけてほしいなんて事は流石に言わない。

 学生生活は、クルスと以外ほぼ交流せずに過ごした。煩わしいものが何もなかったから(というか、クルスが全部排除してた)、魔法についても沢山知る事が出来たからいいんだけど。

 それで、卒業する時、

 「ナーシャ・リナンティア。俺と結婚してください」

 なんて求婚されたんだけど。……卒業式の真っただ中で。学年で優秀者のやる「卒業生の答辞」の中で。頭を抱えたの仕方ないよね。というか、

 「……求婚の前に告白しなさい」

 思わずそう呟いてしまったの仕方ないよね。

 告白も付き合うもすっとばして、求婚するなよと。そういった後は、思い出すのも恥ずかしい告白をされましたよ。ええ、盛大に。

 断りはしなかった。そもそも告白されたら受けるつもりだった。元男で男と恋愛なんてぴんと来なかったけど、ずっと一緒にいて守ってもらっていれば愛情ぐらい湧く。私のために色々してくれる姿に惚れたとも言えるかもしれない。

 というか頷いたら思いっきり抱きしめられて最後まで卒業式に参加出来ずに、抱えられて部屋に連れ込まれたという…。

 そんなこんなで、私とクルスの婚約は決まった。

 







 「ナーシャ、起きて」

 学園卒業した後は、私はマリウスの王宮で働いていた。研究とか新たな魔法の開発とか色々してたの。新しく発明した魔法関連のものは、同盟国の他の小国にも広まっている。

 相変わらず私は非力なため、護衛がいる。

 クルスは次男で、公爵家を継ぐ必要がないからと私の護衛としてついてきた。私の事大分周りの国にも広まってて、危険だからね。ちなみにクルスはめきめき強くなってて、普通に私の護衛やめて騎士やってても騎士団長になれると思うぐらいだ。

 本人、相変わらず私にべったりで周りを排除してるけど。

 他の護衛は部屋の前までだけど、クルスは中まで入ってくる。部屋の外とか家の外には護衛が結構いるけど。

 朝はクルスに起こされて、目が覚める。

 時々私が研究に熱中して、ご飯を食べなかったり体を洗わなかったりすると所謂「あーん」で食べさせられたり、風呂に抱えて連れ込まれたりするからなるべく気をつけている。

 それにしても私も昔より背が伸びて159センチはあるのに軽く抱え込むなんて相変わらず力があると思う。クルスは背が伸びて180近くもある。

 他の護衛は交代制だけど、クルスに関して言えばずっと傍にいる。というか、休みを出しても私の傍にいる。よっぽどの事じゃない限り傍を離れない。

 パーティーとかの時も私と一緒に行くし。

 夜も「おやすみ」というクルスの声を聞いて眠る。

 そういう生活してたら、15歳の時に妊娠した。……子供を産むのは凄くきつかった。母親というものの凄さを実感した瞬間だった。

 はじめて生まれた子供は男の子だった。その後、クルスがべったりなため魔物の繁殖期の前触れが現れ始めた22歳の頃には三児の母になっていた。

 ちなみに結婚式は妊娠発覚後にやりました。










 魔物の繁殖期。

 それはこの世界に時折やってくるものである。そして魔物が繁殖する時期には魔王なんてものが現れる。とはいっても人間絶滅の危機とかはありえない。魔王たおせば繁殖期が終わるから国は皆して勇者なんてものを出して、魔王を倒した国が優位にたてるなんていう呑気な争いをしているぐらいだし。

 繁殖期の前触れらしきもの――要するに魔王が現れる前触れは天候がおかしかったりとかなんだけど、今回魔王が現れた場合、マリウスには問題があった。

 それはマリウスには昔いた『賢者』の定めた『勇者』のような存在がいなかったのだ。最も剣術も魔法もたけた人間が『勇者』であり『リーダー』だと『賢者』は言った。だがそんな存在この国にはいなかった。

 元々マリウスは同盟国の周りの小国よりも軍事力は低かった。どちらかといえば貿易で強い国だ。

 『勇者』パーティーは自国から出すようになっており、『勇者』の一人も出せない国は弱小国と言われけなされるものであった。だからどんな国でも無理して『勇者』を出す。

 そこで、陛下は困り果てていた。

 『勇者』として魔王退治に行かせられる人間がいないと嘆いている陛下に私は出来心で提案してみた。

 ―――魔王が現れるまでに完成させますから、異世界から召喚してみたらどうですか。

 ってそんな風に。実は色々元から研究してたの。それでさ、理論的に考えて出来そうなのよ。前世で物語であったような『勇者召喚』が。

 新たな魔法を生み出すのは楽しいし、開発した魔法が形をなすのを見るのも好き。それに自国が馬鹿にされるのも何だか嫌だったから、提案した。

 もちろん、「そんな事出来るのか」だのいわれたから、「失敗するかもしれないですが、理論上可能なのでやらせてください」といってやったの。

 それからは異世界からの召喚魔法の陣と詠唱を開発していった。言語の意思疎通が出来なくても困るし、幼い子供や中年の人がやってきても何だか勇者ってイメージがない。でも高校生ぐらいで力がなくても困る。

 というわけで、意思疎通とこの世界でだけ有効的な肉体強化や魔力倍増なども組み込む。

 でもそこまで考えて、反抗されても困るので精神的に作用するようなものも組み込む。

 普通陣だけか、詠唱だけなんだけど、これは割と難しいし詰め込む予定だから両方を組み合わせて発動する形なの。

 やるなら徹底的に完璧にやるべきだ。

 失敗なんてしたくないから。

 魔力を多く使うが、うちの国の王宮仕えの人間が束になってやれば成功ぐらいするだろう。

 「ナーシャ、熱中するのもいいけど、ご飯ぐらい食べて」

 「今、忙しい」

 「ダーメ」

 ご飯を抜いて召喚魔法を必死に生み出していた私はこうやって度々クルスに拉致られ、食事を強制された。

 7歳と5歳の息子と3歳の娘は食事にいった時、私と久しぶりに会えたからか甘えてきた。子供は可愛いけど、今は召喚魔法で忙しい。寂しそうな顔をしているから、ひと段落したら家族ででかけてもいいかもしれない。

 母親になっても、妻になっても、私の優先は研究が第一だった。

 クルスの事は好きだ。子供達の事も好きだ。両親の事も好きだ。それでも研究が忙しいとそれらをほっぽりだしてしまう私は冷たい人間だろう。

 相手がクルスじゃなければとっくに破局でもしてしまいそうだ。いや、そもそも地味で貴族の令嬢らしくもない私を進んで娶ろうと思うのなんてクルトぐらいだから、クルスがいなきゃ適当に私は政略結婚してただろうと思う。その場合は「私自身」を娶りたいのではなく、「天才」を妻にしたいという結婚だろうけれど。

 救いなのは、子供達が私を慕ってくれている事だ。こんなに自分勝手な母親を慕ってくれるだなんて嬉しい。

 研究第一な私と、私の傍に四六時中いるクルス。

 良い親はやれてないなとは思う。貴族なら子供を使用人に育てさせるようなのも当たり前だろうけれども、前世の記憶もあるし余計そう思った。 

 魔法陣と詠唱が完成して、私はそれを陛下に見せて感嘆された。

 一から作りあげたような今までなかった召喚魔法なのだから、そりゃそうだろう。

 それから繁殖期が始まるまでは、『勇者召喚』なんてものをやらないと聞いていたから、私は召喚魔法を陛下達に見せてから家族で旅行にいった。もちろん、護衛付きでだけれども。

 子供たちも喜んでくれたからよかったと思った。

 繁殖期は私が召喚魔法を完成させてから半年後にやってきた。魔王が現れたという事実が世界を駆け巡った。

 召喚の魔法は王宮の魔法演習場で行われた。陣を間違えたらたまったものじゃないから、陣だけは私が書いた。陣を発動させるだけの魔力は私にはないから詠唱を唱えるのは王宮仕えの人間だ。

 詠唱も間違えたら困るからきっちり暗記してもらった。間違って変なものが呼びだされたらたまったものではない。

 召喚のこの場の私の隣にはいつも通りクルスがいる。他の数年も私の護衛をしてくれてる人なんて、クルスがいつでもべったりと私にくっついている事にいつも呆れたような表情を浮かべている。

 そうしているうちに、召喚の詠唱が始まった。

 長い詠唱。私もドキドキしながらそれが終わるのを待つ。あと召喚魔法は日本人限定で高校生ぐらいの年齢に設定しているから久しぶりに日本人見れるかと思うと楽しみだったのもある。

 そして、召喚が終わる。

 突如、その場を立ち込めるのは煙だ。煙が晴れた先にいるのは―――、黒髪黒眼の制服を着た若い男だった。

 その存在が現れると、周りは一気に歓声に満ちた。勇者として呼びだされた少年は戸惑っているがそれはどうでもいい。とりあえず成功したのだからよしとしよう。

 まじまじと少年を見てしまう。懐かしい。日本人をまた見れるとは…という感動に浸った。まぁ、呼びだしたのは私だけど。それでも実際に見ると何だか感慨深い。

 その後はまぁ、『勇者』だって説明とか色々して「今日はお疲れでしょうから」という事で『勇者』は客室に案内される事になった。それにしても容姿の指定もしていないのに、『勇者』は美形だった。そのせいでぽーっとしている女性陣も多い。

 私も日本人だという事でマジマジ見ていた。そのせいで後から、「ナーシャ、あいつに惚れたの? あいつ殺す?」とか物騒な事をクルスが言い出したので慌てて止めた。折角召喚した存在殺されちゃたまったものじゃない。

 何で見てたのか再度問いかけられて、結局クルス相手に嘘は着けず前世の記憶があるだの色々話した。でも話してから妻が元男とか気持ち悪いんじゃないかと思ったが、クルスは今が女なら問題ないし秘密を話してくれたならよかったと笑ってた。



ナーシャ。

前世からの頭脳チートの天才。TS転生者。

でも女な事はなんだかんだで割り切って受け入れる。家族は大事でも研究の方が大事な子。前世で喧嘩が弱かったから強くなりたかったけど、そっち方面の才能は皆無。三児の母。

伯爵令嬢。家はナーシャが10歳の時に生まれた弟が継ぐ予定なので、王宮に勤めてのんびりとクルトと過ごしている。

黒に近い茶髪。灰色の目。そんな外見でファンタジー世界にありがちな赤とか金とかの髪や目の色は持ち合わせていない。

身長は159センチで、よく食事を抜いてクルトに抱え込まれて食卓まで運ばれている。食事を抜いてる事も度々あり、小食で体重は軽い。

あまり愛想はよくない。一応貴族教育も施されたが貴族らしくはない。

本人良い母親じゃないなとは思ってるけど、なんだかんだで子供には優しくしているので子供はナーシャの事大好きだったりする。

現在:22歳(勇者召喚時)


クルス。

公爵家の次男。最初はナーシャの護衛に不満げ。でも何かヤンデレっぽくなり果てる。実際ナーシャが社交的で交友関係が広かったらどうしたかわからない人。

ナーシャが可愛くて仕方がなくなってからはナーシャにべったり。ナーシャの護衛という仕事で実際にナーシャを守っているが、大抵べったりくっついてる。これでも優秀。国内でもかなり強い方。

ナーシャに危害加える&好意を持った輩には容赦ない。ナーシャを守れないのは嫌だと鍛錬もこれでもやってる。というか、どんどん強くなってる。魔法や剣術面のチートっぽい人。

現在:25歳(勇者召喚時)


二人は周りからはバカップルと認識されてます。実際同盟国内でも、それ以外でも割と有名。

子供たちは後に有能に育ちます。



上、中、下か、上、下で終わる予定。


ハーレム~でユウが読んでた本の二百年前の『天才』がナーシャです。



誤字・おかしな点ありましたら報告ください直します。

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