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その4 蛇苦止堂

 蛇苦止堂は、鎌倉駅から南西に歩いて15分ほどのところにある日蓮宗の本山(霊蹟寺院)の妙本寺みょうほんじの境内の一角にある。

 そして、同じように境内の一角に、若狭局が身を投げたと言われる蛇苦止ノ井がある。

 有名ではあるが、観光名所ではないので、清水たち以外の人気は少ない。


 清水はカバンからL字型の棒を取り出すと、ダウジングを始める。

 そして、やはり、蛇苦止ノ井の周りで、ダウジングの棒が開く。


「たぶん、この中ね」と清水は近藤の顔を見つめる。

 原田も、見つめる。

 皆が見つめる。


 結城は車椅子。残りは、お洒落した女性。行くとしたら、近藤しかない。

 人が身投げした井戸なんて、入りたくないが、近藤に拒否権はない。


「判りました。僕が井戸に入ればいいんですね。道具は?」

「あるから心配しないで」

 清水は、カバンの中から、ロープと懐中電灯を取りだす。

 それにしても、何でも入っているな清水さんのかばんは。


 見つからないように、覚悟を決め、素早く井戸の中に入る近藤。

 両手が塞がっているため、上から照らしてもらっているが、井戸の中は暗く、狭く、壁はツルツルしていて滑る。

 かなり薄気味悪い。

 苦戦しながらも、なんとか、井戸の底に着いた。

 井戸は空井戸ではなく、今でも水が湧いているため、近藤のびしょ濡れになりながらも、井戸の底を探る。

 井戸の底で見つけたのは、ありきたりな藁人形。

 とりあえず、藁人形を先に上へとあげる。


 その結果、近藤は井戸の底で忘れ去られるが...いつものことだ。


 水でふやけているがなかなか良くできている。

「自作でしょうか」

「いまどき、藁人形はネット通販で買えるからね」

 藁人形の中を開くと、紙が出てきた。

 紙には、北条真紀と名前が書かれている。


 蛇苦止明神に呪いの願をかけたのは、これで明白になった。

 後は呪いを解くだけ。


 ◇ ◇ ◇ ◇ 


「北条さん。容疑者の友人を電話で呼び出せるかしら」

 北条は、守口弘子に電話をかけた。

 当然、守口は自分のやったことを認めないし、電話をかけた北条を頭がおかしいとなじる。


「代わってもらえる」

 清水が代わりに説得、いや恐喝する。

「あなた、人を呪わば、穴二つって言葉知ってる。人を呪っているあなた自身変調が起きているはずだし。呪い返しをすれば、全てあなたの身に降りかかるのよ」

 延々と清水の脅しは続く。

 清水の脅しの言葉が効いたのか、直ぐにこの場に来ることとなった。


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 この内容はもちろんフィクションです。

 実際の蛇苦止明神の御利益は、病を治すことですので、間違っても、呪わないようにお願いします。



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