閑話 その1 無駄話
■車
「実は、私免許を取ったんです」と原田が満面の笑顔で皆に、免許を見せる。
「...」
なぜか、皆の反応が良くない。
「どうしたんですか、皆さん」
「なんといいますか...自動車の運転が上手い原田さんを想像できなくて...ねぇ」
近藤が結城に同意を求める。
「俺は、近藤ほど心配していないけど...」
裏切ったな結城。
「心配ご無用です。車庫入れも、クランクも一発OKです。上手いと教官に褒められました。よそ見をするのとスピードの出しすぎ以外は問題ありません」
「......」
一番肝心な点じゃないですか。
「ところで、運転するのは、どんな車なんですか? 車庫を見ても車はなかったような気がするんですが」
「近所に住んでいる伯父様の車を借りています。伯父様はいろいろな車を持っていらっしゃるので、空いている車を使わせてもらっています。近頃は、黒のベンツとかですね」
「...黒のベンツですか...」
伯父さん、ヤクザですか。
それにしても、黒のベンツに若葉マーク付けてるなんて...
「大きくて、運転難しくないですか?」
「そんなことないですよ。皆さん、親切に道を譲ってくれますから」
■野球
「近藤さんって、横浜ファンだったんですか。なぜ、そんな弱い球団を。Mですか?」
確かに、Mじゃなきゃ、横浜ファンはやってられないけど...
「いや、別にMだから横浜ファンなわけではないです。そもそもMじゃないですし。それにしても、野球のことを知っている女性は珍しいですね。原田さんは、どこのファンなんですか?」
「当然、阪神です」
「当然...なぜ、当然なの?」
「祖父が大阪人だからです」
なんか妙に説得力あるな。でも、クォーター(4分の1)で阪神ファンか。
道理で阪神ファンが増えるわけだ。
「そうですか...もしかして、球場行くと、ユニフォーム着て、メガホン持って、六甲おろし歌っているんですか」
「当然です」
原田は言い切った。
それにしても、原田さん、阪神のことになると感じが変わるな。
大阪人の血が騒ぐのか?
クォーターでそんだけ騒ぐなら、そりゃ純度100%は大変だろう。
道頓堀に飛び込むわけだ。
「隼人は好きなチームとかあるの」
「俺はヤクルト」
「また、マイナーな球団を」
「横浜ほどじゃないぞ」
確かに。
「ヤクルトのどこが好きなんだ」
「好きであることに明確な理由が必要か。信也はMであること以外に、横浜ファンであり続ける理由を説明できるのか?」
う~ん、そう言われると辛い。好きになる理由は意外と些細なものというか、くだらないものだからだ。
「清水さんは?」
「私は当然、巨人だ」
「当然ですか?」
「東京に住んでいるんだから、当然だろ。せめて、ヤクルトだな。なぜ、横浜ファンなんだ?」
「スーパーマリオが好きでさ。横浜に昔、カルロス・ポンセっていう選手がいたことを知って、それ以来ファンなんだ」
「.....」
「まぁ、ファンになる理由って、ひとそれぞれだな」
キャラクター作りのために、試しに書いたものです。あまりにも、脈略がないので、本編には入れられず。
現在、次の話を書くのに大変苦労しておりまして、更新が遅れいます。