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おまけ 1.X ハサミ女のつぶやき

 5月×5日

 変な夢を見る。まるで地獄を歩いているような変な夢だ。


 5月×7日

 赤い糸が見えるようになる。彼とカナが繋がっていた。悔しい。悔しい。殺してやりたい。なんとか、糸を切れないものだろうか?


 5月×8日

 うちの両親は、赤い糸でつながっていない。どういうことだ。


 5月×9日

 多くの夫婦は、赤い糸で繋がっているが、高校で付き合っている奴の大半は繋がっていない。恋愛と赤い糸はあまり関係ないということらしい。

 繋がっている夫婦と繋がっていない夫婦の違いはなんだろうか?

 それにしても、変な夢を毎晩のように見る。


 5月×1日

 手で触れなかった赤い糸が、ハサミで切れるとは。これは大きな発見だ。なぜ、こんな単純なことに気がつかなったのだろう。

 偶然とはいえ、切れてしまった佐藤と山田は不運としか言いようがない。だけど、今まで楽しんだのだから、良いだろう。

 さて、次は誰のを切るべきか。

 当然、カナだ。

 あいつの赤い糸を切ってやる。


 5月×2日

 朝起きると、手足に、変な傷があった。寝る前はなかったのに。


 佐藤と山田が別れた。切った日の夕方だ。発端は些細なことだったらしいが、それこそ、すごい修羅場だったらしい。かわいさ余って憎さ100倍だろうか。

 2人とも、どこか情緒不安定なところがある。

 そりゃそうだろう。何といっても運命の糸を切ったんだから。彼らは、今後どんな運命を歩むのだろうか、楽しみだ。


 5月×3日

 カナの赤い糸を切ってやった。


 5月×4日

 山田が今日別の男と歩いているを見た。山田の赤い糸は、再生していない。赤い糸を切っても、どうやら、恋愛する機能は失わないようだ。あとをつけてみたら、速攻でホテルに入って行った。愛というよりも、肉欲というべきか。せいぜい偽りの愛を楽しみな。


 5月×8日

 うちの両親が繋がっていない理由が分かった。ふたりとも浮気をしているんだ。いや、浮気先と繋がっているのだから、そっちが本命ということだ。私の両親は仮面夫婦。そして、私は仮面夫婦の間の子供ということだ。

 笑える。


 5月×9日

 授業中。細田注意された。あいつの糸もきってやった。

 それにしても、眠い。一日中眠い。近頃、気が付かないうちに眠りに入っていることが多い。


 6月×1日

 切るのは、楽しい。奴らの人生は、私しだい。まるで神にでもなったようだ。


 6月×2日

 全身黒づくめ男に声をかけられた。中性的な二枚目の良い男だ。どうもこの男には、私がやっていることが判るようだ。

 男は言った。ポケットを探ってみろと。ポケットの中には、一枚のタロットカードがあった。図柄は「運命の車輪」。私の奇怪な能力は、魔法のカードに選ばれたためらしい。

 要件は、ある男女の赤い糸を切ってほしいとの依頼だ。

 なぜ、この男が、この男女の赤い糸を切ってほしいのか、そんなことはどうでもいい。

 私にとって重要なのは、私の趣味がじゃまされないことだ。


 6月×4日

 あの黒髪の女、私のやっていることに気が付いているのではないだろうか。あの男と違い敵だと感じる。少し、派手に動きすぎたか。


 6月×7日

 男の依頼通り、赤い糸を切ってやった。

 どんなことが起きるのか楽しみだ。しばらく観察することにしよう。それにしても、あの黒髪の女が気になる。


 6月×8日

 あの黒い男が、小野寺とかいう女と歩いているのを見た。結局、この女と付き合いたかっただけか。

 くだらない。


 6月×9日

 近藤とかいう男が街をうろついているのを見た。どうやら、女をさがしているようだ。今頃、女は山田みたいに、ホテルに入り浸っているかもしれないのに、哀れな男だ。少しからかってみた。

 話した瞬間、見る見る顔が青くなって行くのが判った。予想以上の反応だ。楽しい!!!


 6月×0日

 再び、黒服の男に声をかけられた。力を貸してほしいとのこと。 

 手伝ってやることにした。

 男の目的は、妹を転生させること。転生のためには、「運命の車輪」の転の力と「恋人」の生の力が必要らしい。

 ただし、男のやりたいことは、ただの転生ではなく、肉体への転生。その肉体を作るために、8人の少女を生贄にするらしい。この男は狂っている。


 6月×1日

 近藤と女のせいで儀式は失敗した。最後に、あの男は、自らの命と体を引き換えに、妹を自分の体に転生させた。

 なぜ、そんなことができたのか。あの男が狂っているからだ。あの男は、死んだ妹の体を、髪の毛残らず食べたらしい。

 まぁ、いい。それより、問題は私の行動を妨害するあの女だ。早く始末しないと。



一度掲載して、流れを悪くするので、没にしたのを、補足として復活させました。

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