第3話.報酬は抱き枕? 変態博士の超時空プレゼント
「さて、その様子なら商談成立じゃな。
では、お前さんたちと、船で退屈しておる連中に『手土産』を贈るとしようかのう」
「……ちょっと、ジジイ、何勘違いしてるの?
誰がアンタの依頼を受けるっていったのよ?」
「いいのか?ルーンにはお前さんの父親が」
「あんな親父の事なんか……」
「二代目?」
「どうするんだ二代目?」
「おい、さすがに見捨てるのはヤバいだろ」
通信機からクルーの声が聞こえる。
だが、アタシはアタシ。親父の事なんて……。
ん、まてよ?そういえば親父には……。
「やっぱりアンタの依頼を引き受けてあげるわ。
ルーンに行ってあげようじゃないの」
「やはり、親子じゃな。わかるわかるぞい」
「親父には2万ギラ貸しがある。
あれを返してもらってから死ぬなら死んでもらうわ。
親父の奴、3次元のコスキャバにはまりやがって、
支払いができないって、鳴いて頼むから貸してやったのよ」
「そうなの?わし、もうアンタたちのこと良く分からん」
「だけど、アンタ。なんでアタシの船に誰がいるか知ってるのよ?
アタシ、一言も言ってないわよ」
アタシがジロリと睨むと、博士は眼鏡の奥で卑屈にニヤリと笑った。
「ふぉっふぉっふぉ! ワシを誰だと思っとる。
お前さんの通信機をハッキングしたついでに、船のメインサーバーから
乗組員の履歴、性格診断、エリカとかいう小娘の隠し撮り画像まで全部ダウンロード済みじゃよ!」
「「 今すぐ消せ、この変態!! 」」
エリカの叫び声がスピーカーから破裂して聞こえた。
博士は意に介さず、研究室の中央に鎮座する巨大な円環ゲートを起動した。
「さあ、四次元転送装置の出番じゃ。
座標固定……送り先は『シェンカー号』のメイン倉庫!
おい、ろくでなし! 受信準備はいいか!」
通信機から、ロク爺のやけに弾んだ声が返ってくる。
『おう! こちらは準備万端だ! 早くよこせ、このエロ学者!』
「まずは、操縦士のエリカにこれじゃ。……重力加速度(G)に耐えられるよう、
四次元慣性制御を組み込んだ**『漆黒のバイク』**。
これなら三次元でも光速の30%は出せるぞい」
博士がゲートにバイクを放り込むと、エリカの怒号が完成に変わった。
『うっひょおおお! バイクが降ってきた! 先生、愛してるぜ!』
「誰が先生じゃ。……次は、歴史オタクのキャリーに**『古代魔導書』、
泣き虫ユーリには『四次元貫通ガン』、そして……ろくでなしには、
500年熟成の『ヴィンテージワイン』**じゃ!」
『酒だぁぁぁ! 500年モノの酒だぁぁ! ギャハハ!』
船の連中が狂喜乱舞しているのが手に取るようにわかる。
……本当に、このジジイ二人が組むと宇宙の常識が簡単にゴミ箱行きになるわね。
「さあ、次はそこにいるお前さんたちじゃ」
博士はトウマに**『二本目の魔剣』を、
マリには『重力負荷ナックル』**を順に渡し、セシリアの前でピタリと止まった。
「セシリアちゃんには、ワシの最高傑作……**『等身大サーヤ抱き枕』**じゃ!」
「えっ、わ、私に、シェンカーさんの……?」
頬を赤らめるセシリア。
だが、アタシは見逃さなかった。
その抱き枕の芯に、恐ろしい密度の魔力回路が組み込まれているのを。
「それ、ただの抱き枕じゃないわね?」
「ふぉっふぉっふぉ。分身魔法の触媒になる特級兵器じゃよ。
……そして、最後にお前さんじゃ、サーヤ」
博士が恭しく差し出したのは、重厚な装丁の**『週刊マンガ誌(聖遺物)』**。
「…………っ!!」
一ページめくった瞬間、アタシの脳内に強烈なドーパミンが駆け巡った。
「(やばい……これ、読み始めたら一生ここから出たくなくなるわ……!)」
「どうじゃ、最高の報酬じゃろう?
……だが、残りの99巻分は、ルーンからワシの『小箱』を持ち帰った時に渡してやるわい。
……さあ、商談の続きといこうかのう?」
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