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12.編入試験 ~いきなりライバル登場!~

「お待たせしました!

それでは編入試験の説明を致します」



 編入試験の会場は、100人が入れる大教室だ。

壁には高そうな絵画が何枚も飾られている。


 試験官の教師が教室に入ってくると、

モニターに時間割が表示された。


 アタシとアカネは、別々の部屋に分かれて試験を受けている。



「やっと始まるのね。

アナタ、小さいけど飛び級かしら? 」


「えぇ、そうよ」


 一番前に座るアタシの隣で、少女が話しかけてきた。

彼女も飛び級で、アタシの1歳年上らしい。


 アタシよりも5センチぐらい背が高く、130センチぐらい。

前髪を綺麗に揃え、腰まで紺色の髪が伸びている。

いかにも良い所のお嬢様だ。


 今日の会場には100人ぐらいが集まっていて、

中には20歳ぐらいの大人もいる。


 子どもはアタシ達だけだ。

そのため、ちびっ子2人は早くも注目を集めている。



「今日の編入試験は、実技を中心に行います」


 ざわざわ‥‥


「えーー、マジかよ。去年と違うじゃん」

「実技苦手だよ」

「対人戦だったらどうしよー」


 ここ10年間、編入試験では「実技」が除外されていた。

そのため虚を突かれた生徒達が一斉にざわついた。


 騒然とする中、誰かがアタシの肩をつついた。

振り向くと、例の女の子がアタシに笑顔を見せている。


「実技なんて当然よねー。

魔法科の生徒なんだからチップを使いこなして、なんぼよ。

アナタもそう思うでしょ? 」


 魔法チップについては、

昨夜、アカネから講義を受けたので覚えている。


 帝国民と違い、地球人には魔力が殆どない。

そのため、チップの補助を受けて魔法スキルを生み出すのだ。



「もちろん、アタシもそう思うわ。

でもアタシ、チップを使ったことがないのよねー」


「なーに、いってんの!

チップを使えない人が、ここに来れるわけないじゃない」


( しまった!この星の人はチップなしに

スキルを使うことができないんだった )


 アカネから「くれぐれも目立つな」と言われている。

ここは話を合わせなくては‥‥。



「えーっとチップというか、アタシ貧乏なんで

高価なものを使ったことがないの。。。」


「あぁ、そういう意味ね。

確かにチップは庶民には高価って聞くわね」


「そこの一番前!

試験中、最前列でおしゃべりとは随分余裕だな」


 説明半ばで、教室が大騒ぎになったので、

教師はとりあえずアタシ達をターゲットにした。


 アタシ達を吊るし上げることで、

教室を静かにしようと思ったのだろう。



「すみません、私達、まだ子供なので、緊張してしまって」


「すみません」


 だが、とにかく目立つわけにはいかない。

アタシは話しかけられた被害者だが、一緒に謝っておいた。


「飛び級の子だからと言って特別扱いはしないぞ。

以後注意するように」



「「 は、はい 」」



 その後、説明が続けられた。

それによると、試験内容は2つ。


 一つ目は、教師との1対1の個人戦。

二つ目は、前衛と後衛のペアになっての団体戦。


 受験者たちは、ケガをしないように

強化アーマーに着替えるように指示された。


 教師たちも念のためアーマーをつけている。


 彼らは軍のエリートなので、

万が一にも学生の攻撃をうけることがないのだが、

受験者たちが遠慮しないための配慮らしい。



「それでは、受験番号1番から

模擬戦のフロアに出てきてください」


「は、はい」


 1人目は体が大きな男子生徒だ。

おそらく武道をやっているのだろう。


 アーマー越しにも体格の良さが分かる。


「それでは模擬戦を始めます。

緊張せず、練習の成果を出すように」



「「 構えて、、、はじめ! 」」



 男子生徒は、構えると身体から青い炎が立ち上がった。


 これは身体強化のスキルだ!

ベースとなる筋力が高ければ高いほど、

その効果は絶大なものになる。


 男子生徒は、教師との間合いを詰めていき、

旋風脚からのひじ撃ち、更に掌打のコンボを撃った。


 しかし、教師はヒラリとかわす。


 その後も、カーフキックからの後ろ回し蹴り、

裏拳と頭突き、接近戦の限りを尽くした。


 そのたびに、空しく攻撃が空を斬った。



「そこまで。ご苦労様でした」


 合図とともに肩を落とす受験生。


 アタシが見る限り、受験生が悪いのではない。

あまりにも教師との間に実力の差があり過ぎるのだ。


「かわいそうにね。

先生方、もう少し手加減してあげればいいのに」


 さっきの女の子が、またアタシに近づいてきた。

自分と同じ飛び級組なので、親しみやすいのだろう。



「次の子は、杖を持ってるから遠距離系の攻撃魔法かしら」

「なぜ、そんなことが分かるの? 」

「ホント、何も知らないのね」


「魔法チップのマジカルサポートシステムには、

さっきの身体強化系と、遠距離攻撃系があるわ。

(遠距離攻撃)は、火、氷、電流、風、土を

素粒子レベルで生み出し攻撃するのよ」


「杖を持ってると、何で遠距離攻撃なの? 」


「杖はチップの魔力を引き出す媒体だからよ。

身体強化なら、いちいち杖を持つ必要はないわ」


「そうだったのね」


「あなた飲み込みが早いから、もう少し教えてあげる。

軍では、トップシークレットとして

杖に変わる新たな媒体を研究しているのよ」


 そういうと隣の子は、ぐいっと胸を張った。

余程、自分の能力と知識に自信があるのだろう。

軍のトップシークレットまで知っているとは思わなかった。


「でも、なんでアンタは軍の秘密を知ってるの? 」


「それは、私のパパが、、、

それは、どうでもいいじゃない。

ほらっ、そろそろ次の試験が始まるわよ」



 次の生徒は、隣の子のいう通り、

遠距離攻撃系のスキルの持ち主だった。


 火、風の攻撃を中心に教師にぶつけたが、

まったく攻撃が当たらず、時間切れとなった。


 こんな調子で、教師のチートゲームが進んでいく。


「次、伊集院マリさん」



「「「 はい! 」」」



 元気な声がアタシの隣から挙がった。

いよいよ、ちびっ子コンビの登場に会場の目が集まる。


 トコトコと模擬戦場に歩いていくと、

可愛らしい熊のイラストがついたポーチから杖を出した。

ピンクの可愛らしい小さな杖だ。


( あの子も遠距離攻撃系なのね )


 教師の顔から緊張感がなくなり、笑っている。

子どもの登場で気が抜けたのだろう。


「さぁ、全力でかかってきなさい」


「「 はい。先生! 」」


 そういうと、女の子は元気に杖を振った。

次の瞬間、教師が3メートルほど飛ばされて、

天を見上げて唸っている。


 恐らく、氷と火でミニ竜巻を生み出したのだ。

対比する原子を融合させた高度な技だ。


 更に彼女は先生が怪我をしないように、

最後に風スキルで空中に浮かせ、ゆっくりと落とした。


 チップに頼っているとはいえ、

この会場では、ずば抜けたセンスと実力だ。


<どうかしら?私の実力を見たかしら? >

彼女から、そんな目線がアタシに送られている。


( ふふふ、こんな挑発は久しぶりね。

彼女の期待にどう応えてあげようかしら! )



 その時、女の子の挑発とは違う、

冷たい視線がアタシの背中を貫いた。


 会場の窓の外から、アカネがこちらを見ている。

ニッコリしながら、少し唇が動いた、何かを言っている。


『ま‥‥ん‥‥が‥‥と、たいきん‥‥みずのあわ』


「はっ‥‥」


その時、アタシの額には冷たい汗が流れた。

ご一読いただきありがとうございました!


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