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11.編入試験の朝

「サーヤ様、時間です。起きてください!

今日は編入試験の日ですよ」


 ノックをすると

黒髪ロングヘアの女性が、アタシの部屋に入ってきた。

ブレザー姿の高校生風な女性だ。


「あと5分。おねがーい」


「いけません。魔法学園は厳しいと聞きます。

1分でも遅れたら不合格になってしまいますよ」


「じゃ、あと1分だけ」


「サーヤ様、もう聖遺物・『マンガ』は宜しいのでしょうか?

あの本はさぞかし高く売れるでしょうに‥‥」


( そうよ、億単位の聖遺物だわ!大金をGETするの。

そのために、アタシはここに来たのよ! )


「起きたわ! 」

「素晴らしいです!サーヤ様」



 今日は学園の編入試験の日。

学園の名は【国立魔法科学大学付属学園】。


 学園には [魔法科] と [魔法工学科] の2つのコースがある。


 魔法科は、

将来魔法部隊に配属される幹部養成機関だ。

卒業生は軍に入るか、警察、私設警備団として活躍している。


 一方の魔法工学科は、

魔法チップを開発する魔法技術省の養成機関だ。

将来は軍に入るかメーカーで研究員の道がある。



 アタシは魔法科、アカネは魔法工学科へ入る予定だ。


 なぜか?ですって?

アタシは頭を使うより体を動かす方が得意だからよ。


 それにキャリーの話では、この学園のどこかに

イワサキ博士の子孫いるそうだ。


 博士は500年前(元の世界から7000年前)、

この世界にやってきて、当時地球貴族の屋敷だった

ここに秘宝を隠した。


 そして、地球が帝国に占領され、

屋敷が学園になった後も子孫が代々秘宝を守っているらしい。


 アタシたちは、どちらの学科にいるか分からない子孫と接触し、

ウルティマウェポンが眠る「最下層部屋」のカギを

手に入れる作戦である。


 それまでは、帝国のマザーシステムに見つからないように

”目立たず”、”慎重”に1年間を過ごさなければならない。



 アタシたちはホテルの前からホバータクシーに乗り、

学園の前で降りた。


 学園とは名ばかりで、周りを見渡すと、

四方が高い壁で覆われており、

常に監視ドローンが飛び交っている。



「これが学校?どうみても軍の基地じゃない」


「はい。この星で魔法と、魔力を生み出すチップは、

軍のトップシークレットです。

そのため、学園は軍の管轄下にあるのです」



「ちょっと、貴方達!

 ここは部外者立ち入り禁止ですよ」


 タクシーを降ると銃を構えた兵士とスーツ姿の女性が注意してきた。


「私たちは学園の編入試験を受けに来たんです」


「あぁ、そうだったのね。

でも、試験会場に妹さんは連れていけませんよ」


 女性が間違えるのも無理がない。


 アカネは先週までアタシと同じ”子供の身体”だったが、

地球についてから急に大人(17歳)の身体に変身してしまった。


 どう見ても、姉と妹だ。


 本人曰く、2人とも子供だと、何かと疑われる。

だから、細胞の伸縮を制御するスキルを使って、

大人に変身したのだそうだ。


 その時の様子を見ることができたら、アタシもコピペで

使えるようになるのに、アカネは決して見せてくれない。



「いえ、この方………この子も一緒に受けるんです」


「でも、、、まだ小学生じゃないですか」


( もーー、何でも見た目で判断してくる。

だから知能レベルが低い星は嫌なのよ! )


 アタシの表情が変ったのを見てアカネが急に早口になった。


「サーヤ様は、大人をも凌ぐ知性と才能を持っています。

こちらは飛び級審査の証明書です」


 サーヤがカバンから書類を取り出し、女性に手渡した。

この書類は先日、アカネが軍のシステムに入り込み、

偽装で作り上げたものだ。


 教師らしい女性が、アカネから書類を受け取り、

メッセージで本部に問い合わせている。


 やがて、アタシに向かって深々と頭を下げた。



「ごめんなさい。

私、失礼なことをいってしまって」


「いいんです。アタシは9歳なので間違われても当然です。

それより、会場はどう行けば良いのかしら? 」


「校内の移動は、こちらを使ってください」


 そういうと、女性は小さな杖を使って短い呪文をつぶやいた。


 呪文に続いて杖が振られると、

2人乗りの車が、アタシの横にすーっと近づいてきた。


 フォルムは見たこともない古めかしいタイプだ。

後で知ったのだが旧西暦19世紀のフォードという車らしい。


 どうやら彼女がスキルで車を制御しているようだ。

アタシとアカネは車に乗り、シートベルトを締めた。


( このシートベルト、いやだなー )



 車内で何度かアカネが話しかけられた。

しかし、アタシはアカネを振り向かない。


 一度だけ振り向いた。

その時、アカネの胸がシートベルトでぎゅーぎゅーで

何とも言えない”けしからん”敗北感を味わった。


 先週までアタシと同じペッタンコだったのに。

‥‥許せない!


 一度でもスキルを視れたら、アタシはコピーで体得できる。

今度、アカネが『あのスキル』を使うときには

絶対に見てやるんだから!


 そんなアタシの不穏な空気を乗せたまま、

車は試験会場に向けて、学園の中を走っていくのだった。

ご一読いただきありがとうございました!


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