狂言自●
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです（BGMのみ）。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル：（仮）狂言自殺
▼登場人物
●岡野一樹：男性。20歳。大学生。
●峯川百合子：女性。20歳。一樹と同じ大学。一樹の彼女。
●広川裕子：女性。20歳。一樹と同じ大学。美人。
●田丸信二：男性。20歳。一樹と同じ大学。一樹の友達。
▼場所設定
●T大学：一樹達が通う大学。一般的な私立大学のイメージで。
●ひとけの無い公園：取り壊される寸前。倉庫あり。
●遊園地：一般的なイメージでよろしくお願いします。
NAは岡野一樹でよろしくお願いいたします。
（イントロ＋メインシナリオ＋解説：ト書き・記号含む＝3621字）
イントロ〜
皆さんこんにちは。
案内人のアンナです。
皆さんは友達が多いほうですか？
それとも少ないほう？
いずれにしても、
友達との関係が上手くいってるように見えて
実はいっていない…
という事はよくあるもので、
一見して分からない闇に隠れた真相が、
誰かの欲望で隠れている事もあるようです。
今回のストーリーはそんな内容。
少し複雑かもしれないので、
ぜひ心の感性を研ぎすませてご覧下さい。
メインシナリオ〜
ト書き〈サークル活動〉
田丸「あいて！」
百合子「あっ、ごめんなさい！」
田丸「て〜、引っ掻くなよなぁ〜」
一樹「大丈夫かよ？」
裕子「あー掻き傷になっちゃってるねー」
今日は学園祭に出す催しの練習を兼ね、
ご覧の通りサークルメンバーで
大道具を運んだりしていた。
その時一緒に棚を持っていた百合子と田丸。
つい棚が手から滑り落ちて、そのとき百合子は
田丸の右手を引っ掻いてしまった。
裕子「まぁ大丈夫よ♪唾つけときゃ治るわ」
サークルには他にもメンバーがいるが、
いつも俺達は一緒に行動していた。
俺の彼女の百合子、そして友達の裕子と田丸。
俺達は気が合う仲間。
周りの奴らも…
「お前たち見てると羨ましいよ、いっつも仲良くてさぁー」
なんて言ってくれて、俺達の仲はそれだけ順風だった。
ト書き〈喧嘩〉
でもそれから数日後。
百合子「ちょっとどういう事よ！」
一樹「ご、ごめん…」
俺の浮気がバレて、百合子が猛烈に怒った。
でも正確に言えば浮気じゃない。
確かに仲は良いけど、相手はただの遊び友達。
でも幾ら説明したって百合子は納得しない。
けっこう百合子は思い込みの激しい性格なのだ。
（数日後）
一樹「なぁ〜ごめんって！そろそろ機嫌直してくれよぉ」
百合子は1度許そうとしてくれたのだが
それからまた別の女から俺の携帯に電話がかかってきたのを見…
百合子「もう絶対許さない！」
と言って着信拒否までされてしまった。
百合子の怒りは相当すさまじかった。
百合子にとっては見ず知らずの女だが、
俺にとっては普通に友達の女。
「高校時代の級友だ」と言っても百合子は信じない。
こんな状況ながら、感情が許さなかったのだろう。
百合子の束縛はけっこうキツイ。
ト書き〈電話〉
でもそんなある日の事。
トラブルは急に起きた。
裕子「あ、百合子！？あんた今どこにいるのよ！ねぇ！」
田丸「ど、どうした？」
百合子は少し前に失踪し、
ようやく裕子の携帯に電話をかけてきた。
俺は相変わらず着信拒否されたまま、
とりあえず百合子が行きそうな場所を探し回っていた。
百合子は都内で一人暮らし。
裕子「ねぇ百合子！…え？ちょ、ちょっと待ってよ百合子！ねえ！」
百合子はその時、
用件だけを伝えてそのまま電話を切ったらしい。
田丸「ゆ、裕子？」
裕子「…ウソでしょ。どうしよう、百合子、死ぬって…！」
百合子は俺が浮気した事で
また思った以上に絶望していたらしく、
「もう耐えられない、さようなら」
と自殺めいた事を裕子に打ち明けたと言う。
田丸「じ…自殺！？」
田丸はそれを聞いて心底驚いた。
田丸はそれからすぐ自分の携帯で
百合子に電話をかけたが通じない。
俺はそのとき百合子の居場所を探し回っていたから、
その場には居なかった。
これは全部後から聞いた事。
すぐに警察に通報した。
でも携帯電話から掛けていたのもあり、場所の特定が難しい。
ト書き〈捜索〉
警察には俺達も全面協力。
一樹「百合子ぉ、今どこにいんだよぉ」
裕子「大丈夫よ、きっとそのうちヒョコって出てくるから！」
田丸「まさかこんな事になるなんて」
それから徹底した捜索が開始されたが、
まだ日も浅い分、手がかりもなく、
どうしても見つからない。
一体どこにいるのか？
俺は原因が自分にあると思い込み、生きた心地もしなかった。
とにかく早く見つかってほしい！
その思いだけでずっと探し回る。
でも手当たり次第、
百合子が行きそうな場所を探し尽くした俺達は、
警察が捜索し続けてくれるそんな状況の中、
精も根も疲れ果て、
絶望しながらうなだれていた。
田丸「大丈夫だよ！絶対見つかるって！大体たかが浮気されたくらいで自殺なんかする訳ねーじゃねーか！」
事情は田丸も裕子も知ってくれている。
実際は浮気じゃないけど、
百合子がそう思い込んでるなら仕方がない。
もう1度話し合おうとしていた矢先の事ながら、
俺にはもうどうする事も出来なかったんだ。
確かに百合子には昔から、思い悩む癖があった。
その度合いはかなり強い。
思い返せば更にマイナス思考的な所も沢山あった。
でも幾らそうだからと言って、
まさかこんな事までするとは思わなかった。
ト書き〈遊園地〉
それから僅か数日後。
事件が全て解決した。
百合子の死体が
ひとけの無い公園の倉庫から見つかったのだ。
そこはもう取り壊される寸前の公園で、
普段から人が寄り付かない場所。
ガランとした何にも無いその倉庫の中で、
百合子はロープを首に巻きつけたまま息絶えていた。
そして新たな事実が判明。
その百合子の遺体のそばには、
田丸の毛髪が落ちていた。
その真相を知った時、俺と裕子は唖然とした。
目の前のアトラクションをぼーっと眺めつつ、
「これからどうしたものか…」
それだけを考えていた。
解説〜
はい、いかがでしたか？
それでは簡単に解説します。
百合子は一樹に浮気された事がショックで、
裕子に電話をかけ…
「これから死ぬ」
と言った信じられない言葉を投げかけました。
まさかそんな事ある筈ない、
と周りの皆は動揺していましたが、
事実、百合子は倉庫の中で死んでいました。
でも不自然な点は幾つかありましたね。
まず百合子からの電話を受けたのは裕子だけだった事。
幾ら喧嘩して着信拒否していたにせよ、
その原因を作った彼氏に一言の恨みも言わず死ぬと言うのは、
冷静に考えてみるとおかしな事です。
それに田丸だってそのとき裕子のそばにいた訳ですから、
自殺を思い留まらせる為、
田丸に電話を代わっても良さそうなもの。
でも結局電話が切れたと言う事で、
裕子は田丸に電話を代わる事なく、
「どうしよう！」
と心配そうな様子だけを見せていました。
実はこの電話、狂言だったのです。
確かにそのとき裕子の電話には
百合子の携帯から着信が入っていましたが、
電話をかけていたのは百合子じゃありません。
百合子の携帯を比較的簡単に奪える人物、
その人物がかけていたのです。
そう、ストーリー上、その人物に当てはまるのは…
一樹。
つまり一樹はそんな事実があるように見せかける為、
わざと田丸の前で裕子に電話をし、
百合子の身に降りかかってる出来事を伝えた訳です。
でももしそうなら、
まず裕子のほうが一樹のそんな陰謀に気づく筈ですよね？
そう、ここまでくればもう解るでしょうか。
一樹と裕子は、裏で結託していました。
一樹の携帯に見知らぬ女を装って電話をかけていたのは、
実は裕子。
高校の頃の級友と言うのも嘘。
ただ百合子を貶める為の罠だったのです。
でもたかだかそんな事で自殺する…
と言うのも微妙に変。
ここから結託した一樹と裕子の連携が
本領を発揮する形で動いて行きます。
裕子が百合子を誘い出し、
そこに現れた一樹と一緒に百合子を殺害し、
あのひとけの無い公園の倉庫に百合子の死体を隠しました。
人目に付かない公園を選んだのもその為。
そしてその百合子殺害を、
田丸1人の仕業に見せかけようとした訳です。
少し思い出してみて下さい。
田丸は冒頭で百合子に引っ掻き傷を付けられました。
これが今回の事件の発端になります。
そしてラストの場面で百合子の死体の横に
田丸の毛髪が置かれていました。
この毛髪は裕子が前もって採取していたもの。
つまり田丸が自殺に見せかけて百合子を殺害し
その時抵抗した百合子の引っ掻き傷が田丸の腕に付いていた…
そんなシナリオを一樹と裕子は描いていたのでしょう。
またこの倉庫の状況からも、
微妙におかしな点が見受けられます。
倉庫には元々何もありませんでした。
なのに百合子の首にはロープが巻き付けられています。
自殺に見せかけると言って、百合子は一体
その倉庫の中でどうやって首を吊るのでしょうか？
また更におかしな点はラストの背景。
百合子が倉庫で亡くなっていた…
と警察から一報を受けた時、
一樹と裕子は遊園地にいました。
どうして遊園地？
遊園地と言えばデートにも使われる場所。
そう、この時2人は文字通りデートをしていた訳です。
ストーリー中で一樹が、
「百合子は思い込みの激しい性格」
と言うような事を言ったのは本当の事。
たかがそんな事ぐらいで百合子に別れる気はなく、
ずっと一樹と付き合うつもりでいました。
でも一樹のほうにはもうその気がありません。
裕子のほうに気が向いていたからです。
そこで2人は協働して百合子を亡き者にし、
自分達の夢を叶えよう…と浅墓にも行動しました。
その結果、今回の悲惨な事件に至ったと言う訳です。
こんな事をしても2人が隠し続けていた
その真相はすぐバレると言うのに、
欲望に駆られた2人にはその幼稚な理想に盲目となり、
その事にすら全く気づかなかったんでしょうね。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
