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第四十三話 転職

 凛子がマジックバインドを発動し、ダブルマジックの効果で六体いるうちの二体のアースリザードの足を拘束して動けなくする。すると残り四体が冬雅達の存在に気づく。


「グオオオオ!」

「グオオオオオオ!」


 四体のアースリザードが、冬雅達へ向かって動き出す。


「俺は左の二体を倒すから、宮本さんは右の二体をお願い」

「わかった」


 冬雅はミスリルの剣を構えながら走り出し、サキはブラックメタルシールドを構えながら走り出す。そして素早さの高い冬雅が先にアースリザードに接近する。


「グワッ!」


 すると冬雅の目の前のアースリザードが、口から紫色の毒の粘液を吐き出した。


「はっ!」


 その毒の粘液を、冬雅は見切りと危険察知を使って完全に回避し、そのままアースリザードに接近する。


「竜牙一閃!」


 冬雅は白い破壊のオーラをまとわせたミスリルの剣で高速の斬撃を何度も放ち、アースリザードの硬いうろこでおおわれた体を切り裂いて倒した。


「グオオオオオオ!」

「うりゃっ!」


 さらに冬雅は、倒したアースリザードの後方から迫ってきていたもう一体のアースリザードにも、目に止まらぬ高速の斬撃を放ち同じように倒す。


「グオオオオ!」

「シールドバリア!」


 一方、サキも一番右にいたアースリザードに接近する。するとアースリザードは彼女を狙って巨大なしっぽを振るって攻撃する。それをサキは500ダメージ以下の攻撃を完全に防ぐシールドバリアのスキル発動してから、ブラックメタルシールドで尻尾による打撃攻撃を受け止める。


「ハイオーラブレード!」


 そこからサキは強大な魔力をまとわせたブラックメタルソードで、アースリザードの頭部を切り裂く。


「グアアアアアアア!」


 頭部を斬られたアースリザードは、その一撃が致命傷になって倒れた。さらにサキはその後方にいるアースリザードめがけて突撃し、シールドバッシュやハイオーラブレードを使って倒す。


「よし、残りは……」


 サキが二体のアースリザードを倒した後、凛子がマジックバインドで拘束しているアースリザードの方を見ると、すでに冬雅が残り二体のアースリザードを倒していた。


「速っ!」

「宮本さんのマジックバインドのおかげだよ」

「でしょ」


 倒した六体のアースリザードのそばに、冬雅、サキ、凛子が集まる。


「この六体の死骸を全部アイテムボックスに収納するのは無理かな」

「確かにかなり大きくて重そうね」


 冬雅のアイテムボックスはレベル×100キロまで収納できるが、今はほかのモンスターの死骸がたくさん収納されているので、六体のアースリザードをすべて収納することはできそうになかった。


「こういう時、やっぱり解体できたほうが便利よね」

「サキならできるんじゃない? 魚、さばけるでしょ」

「魚の内臓を取るのとは全然違うでしょ。私には無理」

「じゃあ、一体だけ収納して、あとの五体はあきらめよう。Bランクの魔石はもういっぱいあるし」

「それしかないか」


 冬雅はアースリザードの死骸一体だけを収納し、三人はさらに大地の洞窟を進んでいく。そして戦闘と探索を繰り返しながら数時間が過ぎて、三か所目のセーフエリアに到着した。その場所もほかのセーフエリアと同じような場所だった。


「セーフエリア! やっと着いた!」

「もう、夜になったくらいの時間だから、今日は探索は止めて野営の準備をしよう」

「私、おなかすいた!」

「じゃあ、料理も出すよ」


 冬雅はアイテムボックスからテントやテーブルや椅子を取り出し、さらに食べ物や飲み物をテーブルの上に取り出して、夕ご飯の準備を始める。


「今、どのあたりまで進んだの?」

「三分の二くらいかな?」

「まだ三分の一もあるのかー」


 椅子に座っている凛子の表情には疲れが見える。一方、サキはまだ元気で、鎧を脱いだ後、魔法のかばんから色々な物を取り出して野営の準備をしている。


「用意はしてたけど、まさか本当にダンジョンの中で一泊することになるとは」

「セーフエリアがなかったら、絶対クリアできないよ」

「まあ、宝箱の中身がいいから、まだやる気が出るけど」


 冬雅達はここまでに、装備者の力が7上がる力のベルト、マナポーション、冷却のスキルブック、サファイアを手に入れていた。冷却は触れたものを冷やすスキルで、飲み物などを冷やす時に使うものだった。


「そういえば、冷却のスキルブックは誰が使う?」

「戦闘用のスキルじゃないから、急いで決める必要はないから、ここをクリアしたらゆっくり考えよう」


 冬雅達は夕食を食べてから、今後のことを色々話したり、クリーンのスキルで体を綺麗にしたりした後、二つのテントで就寝した。もちろん冬雅はテントの周りに気配遮断結界を展開して、自分達の安全を確保していた。そして次の日、冬雅達は朝食の後、攻略を再開する。そして洞窟の最深部へ向けて進んでいく道中、とうとうレベルが30になった。


「やった! レベル30になった!」

「スキルを覚えたよ!」

「私も!」

「俺もだ!」


 冬雅は、天羽々斬(あめのはばきり)、サキはソウルブレイク、凛子はサンダーブレイズを習得した。


 天羽々斬(あめのはばきり)

 絶対に避けられない超高速の剣技

 攻撃力の四倍のダメージを与える必殺技

 クールタイム 三時間

 消費MP 50


 ソウルブレイク

 敵の肉体だけでなく魂さえも破壊する技

 攻撃力の四倍のダメージを与える必殺技

 クールタイム 三時間

 消費MP 50


 サンダーブレイズ

 雷を自由に操り

 敵の魂さえも感電させる雷系最上級魔法

 魔力を注げは注ぐだけ雷の量が増える

 消費MP 45~


「必殺技を覚えた! それにやっとレベル30になった。これで転職できる!」


 上泉冬雅かみいずみとうが  17歳  人間

 職業 侍

 称号 魔族キラー


 レベル  30

 HP 2694/2694

 MP  214/342


 攻撃力  75(+62)

 防御力  62(+35)

 魔力   61

 速さ  142(+5)


 経験値 132317


 スキル

 言語理解 アイテムボックス 

 ゲートオブアルカディア 斬撃強化 

 異性運上昇 錬気斬 気配察知

 後の先 加速 罠看破 気配遮断結界

 クリーン 見切り 竜牙一閃

 剣速強化 マッピング 怪力

 危険察知 天羽々斬


 仲間

 宮本サキ(みやもとさき)  レベル30 騎士

 佐々木凛子(ささきりんこ) レベル30 魔法使い


 装備

 ミスリルの剣   攻+50

 ミスリルの胸当て 防+35 魔法耐性20%

 力のベルト    攻+7

 力の指輪     攻+5

 速さの指輪    速+5


「よし、転職してみよう」


 冬雅はステータスボードの職業欄をタッチする。すると、


「新たに侍の上級職が解放されました。上泉冬雅の職業を選んでください」


 と表示され、選択ウィンドウの侍のとなりに、剣聖と忍者の文字が追加されていた。


「よし、忍者に転職!」


 冬雅は忍者の文字をタッチして選択する。すると職業欄の侍が忍者に変わり、冬雅の全身が一瞬だけ光った。


「やった! 忍者になった! おっ! 忍者のスキルも覚えた!」


 影縛り

 魔力手裏剣が作れるようになり

 それが相手の影に命中すると、その相手は動けなくなる

 スキル使用者と相手との魔力差により効果時間が変わる

 消費MP 20


「影縛りを覚えるのはゲームと同じだけど、効果が少し違ってる」


 レジェンドオブアルカディアの影縛りは、敵一体を1ターン行動不能にするスキルだった。


「ええと、ステータスボートの職業欄をタッチすれば転職できるの?」

「そう」

「よし、なら……」


 サキと凛子は、冬雅のように自分のステータスボードを表示して職業欄をタッチしてみる。だが彼女達には何の変化もなかった。


「転職できないんだけど」

「私も」

「ああ、俺のステータスボードから転職するんだった」


 冬雅はステータスボードの仲間欄のサキの職業欄をタッチする。すると、


「新たに騎士の上級職が解放されました。宮本サキの職業を選んでください」


 と表示され、職業選択ウィンドウの騎士のとなりに、姫騎士と暗黒騎士が追加されていた。


「えっ? 姫騎士?」



 次回 上級職 に続く

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