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17/22

硬い頭に釘を打ち込め!!!って、強烈な歌詞ですね。

 1981年の【QUEEN】関連以外の思い出として、校内暴力やツッパリという言葉が大流行したという話は前回もしました。

 そんな中、【横浜銀蝿】というバンドがツッパリファッションを前面に出してブームにったり、他にも、オリンピック誘致でソウルと名古屋が競い合った結果ソウルになって名古屋市民が落ち込んで、新発売された雪見だいふくが思った以上に美味しくて……

 と、そんな程度の思い出もあるのですが、音楽に関して言えば、洋楽一辺倒だった私たちに撃的な波がやって来た年でもあったのです。

 あれは【QUEEN】の【グレイテスト・ヒッツ】がリリースされた時期と同じ11月位だったでしょうか、今回はそんな話から入っていきたいと思います。


「聴いたかて、【ラウドネス】の【誕生前夜】」

「おう、俺もサッシ一に借りて聴いたて。高崎のあの速弾き、どうなっとるんだて」

「サト子ぉ、ありゃあリッチーも顔負けちゃうんかて」

「うっさいわ。御大は誰にも負けへん。確かに【ラウドネス】は良いけど、ほんでも御大と比べとっらいかんのだて」

「なに負け惜しみ言っとるんだて。あの迫力は凄いんちゃうんかて」

「たあけかて、ありゃぁリッチー御大の真似だがね。それが分からんのかて」

「どこが真似なんだて」


 81年の11月、日本が世界に誇れるヘビメタバンド【ラウドネス】がファーストアルバム【誕生前夜】でデビューしたのです。

 そしてそのまま、元アイドルグループだった【レイジー】が生まれ変わり【ラウドネス】となったことをきっかけに、日本のヘビメタバンドが次々にメジャーデビューし、ジャパニーズ・メタルブームがやってきました。

【アース・シェイカー】に【44マグナム】【Xレイ】……どのバンドもレザーのピチピチズボンを履き長髪がシャウトするという、その姿は後に【Xジャパン】にも繋がったのではないでしょうか。

 リッチー御大命のサト子などギターテクが一つの売りだったジャパニーズ・メタルバンドを認めようとはしませんでしたが、私を含め他の皆はその迫力あるメタルサウンドに打ちのめされたのでした。

 洋楽にしか興味が無かった私でしたが 【ラウドネス】を始めとするとジャパニーズ・メタルの流行で邦楽にも関心を持つようにもなったのです。

 

 あ、もちろん【QUEEN】から離れるようなことはありませんでしたけど。


 そんな81年が終わり、82年を迎えた中学3年の三学期ともなると、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ音楽から離れて受験勉強というものに必死になりました。

 そのおかげで無事に公立高校に入ることができ、我が家の家計に負担をかけずにすんだのです。

 とはいえ、私を受け入れてくれたのは、名古屋の自宅からバスと電車を乗り継いで一時間半もかかる遠く離れた県立高校だったのでしたけど。


「エニ君、ヤス、サト子、カンタロウ、サッシー、カンチャン、みんな別々の高校になってまったな」

「しゃぁないんちゃうかな。高校生だし」

「ってもやっぱ寂しいでかんがや」

「ほうだな。でもよ、俺、高校行ったらバンド組んでやろうと思っとるんだわ。なんかそれが楽しみだて」

「お、良いんじゃない。ってか、なんで俺らバンド組まんかったんかしゃん」

「ほりゃあ、好みもバラバラだったし、それにドラムをやっとるやつがおらんかったでちゃうんか」

「ほんじゃ、高校入ってドラムみつけたら皆でバンド組もうて」

「おう、そうしよまい」


 高校も決まり、皆がバラバラになるとわかり、なんだか感傷的になったりもした私でした。

 この時期、私のヘビー・ローテーションは【セイブ・ミー】でした。

 行く高校が決まってほっとしているのと、でも皆と別れることの寂しさもあって、色々と中学の三年間が思い出されて、まさに青春時代の一曲というと、この【セイブ・ミー】だったのです。

 でもこの曲って、失恋ソングなんですよね。って、当時の私はそこまで歌詞に拘ることもなかったのですが。

 あ、一応それなりに歌詞の意味を考えたこともありまして、辞書片手に調べたこともあったのですよ。

 でも、最初に調べた曲が【ボヘミアン・ラプソディ】だったりしたので、もう、その意味なんてさっぱり分かりませんでしたし、次に調べたのが【バイシクル・レース】だったので、その歌詞に何かのメッセージでも隠されているのかと、本当に首を捻って考えたものです。挙句にちょっとした興味から【ムスターファ】なんて調べてみたんですけど……解読不能で……

 結局、中学の時の私は洋楽に歌詞なんて意味がないと、その韻とフレーズが良ければ歌詞の意味は必要が無いと決めつけたのです。

 なので【セイブ・ミー】はその曲調がその時の私の心情とマッチしていたので、歌詞の意味なんて関係なくそれこそ毎日聞いていました。


 話を戻します。

 

 そんなこんなで中学生活は終わりました。色々とありました。音楽を通じて新しい友人もできましたし、【QUEEN】とも出会えました。

 中一の時に【ライブ・キラーズ】を聴かせてくれたエニ君ありがとう。【YMO】を聴くきっかけをくれたカンタロウも、三重テレビを見せてくれたサト子も、【AC/DC】のライブに連れて行ってくれたサト子の親父殿も、一緒に【QUEEN】のアルバムを集めてくれたヤスも……

 

 次回からは高校生活が始まり、そしてその中でも新たな【QUEEN】と共存を書いていきます。この話を読んでくれている少数の皆さま、次回からも見捨てずによろしくお願いします。


 あ、今回、洋楽の歌詞に意味を求めなかったと、そんな話を書きましたが、実は邦楽もあまり歌詞を聞いていなかった気がするのです。だって【ラウドネス】にしてもその歌詞よりもギターサウンドだったり迫力のある演奏に目がいってしまって……でもそんな私も高校になると……それはまた次回ということで。


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