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13/22

【ベスト・ヒットUSA】(小林克也調で)

 色々とありましたが、最初こそ楽しみにしていた【フラッシュ・ゴードン】の映画ですが、結局劇場で見ることはありませんでした。

 あまり人気が無かったのかいつの間にか上映が終了していたこともですけど、私のアニメ好きがムクムクと起き出してしまったことが原因でした。ファーストガンダム劇場版の一作目と二作目、そして宇宙戦艦ヤマトの劇場版なんかが公開されましたから、映画としてはそちらの方へと興味が移ってしまったのです。

 だからサントラ盤に腰を抜かしたことは原因ではありません。と、言っておきます。


 後々の話ではありますが、翌年かその次か、金曜ロードショーか水曜ロードショーか分かりませんがテレビで観ました。

 当時はレンタルビデオなどありませんでしたからね。劇場で見逃した映画はテレビで放送するまで見れなかったのです。

 で、少々の期待を込めて観てみたのですが……まぁ、なんというか、なかなかのB級スぺースオペラといいますか……それでもBGMで【QUEEN】が流れると、「おお、この場面でのあの曲か」などと違った楽しみはありましたが……


 話を変えます。


 81年の4月、中学三年生となった私たちの音楽事情が大きく変わることが起きました。

 アメリカの最新音楽情報を扱う【ベストヒットUSA】の放送開始です。

 アメリカという国は当時の私たちには遠い憧れの地であり、流行の最先端をいく華やかな大国でした。その憧れの地でもあるアメリカの音楽事情を教えてくれるという番組は、その内容がロックに限らないにしても非常に興味深く、それこそ噛り付いて見るほどだったのです。

 【ベストヒットUSA】のおかげで私の音楽事情が広がりました。それまではハードロックという方向に偏っていたのですけど、【シーナ・イーストン】【オリビア・ニュートンジョン】【フォリナー】【ケ二一・ロギンス】なども聴くようになり、好きなバンドだから聴くというスタンスから、好きな歌だから聴くといった感じになりました。


 いやぁ 【オリビア・ニュートンジョン】の【フィジカル】にはドキドキしましたねえ……多感な中学三年男子には刺激が……


 ただ、放送開始当時は【ザ・ゲーム】が好調の余韻があったためか、【QUEEN】も話題にあがたっりしてのですが、徐々に放送されることもなくなってしまいました。

 【フラッシュ・ゴードン】の内容はさておき、日本ではまだ人気が続いていたこともあったので、なぜ【ベストヒットUSA】で放送されないかと疑問に思った私でした。

 で、そのことを口にしたら……


「たぁけだねえ、ヨッシーは。考えてみやあ。タイトルは【ベストヒットUSA】でしょう。ってことはアメリカのベストヒットの番組だがね。イギリスの番組でもないしドイツの番組でもないでしょう」

「おう、確かにそうだわな」

「でしょう。ほんだで言っとるがね、考えてみやぁてって。【QUEEN】はどこのバンドなの」

「イギリスに決まっとるがや」

「ほうでしょう、イギリスのバンドでしょう。なんでアメリカの番組にそんなにしょっちゅう出るの。そりゃあ、【ザ・ゲーム】はアメリカでも売れたでその辺りの曲はトップ10に入っとるだろうけど、その後の【フラッシュ・ゴードン】はそんなに売れとらへんがね」

「なるほど」

「なるほどじゃないでね。ちょっとは考えやぁ」


 と、言われてしまいました。


 一応、サト子に誤解がないように付け加えておきますが、名古屋弁というのは慣れ親しんだ間柄では少々きつい口調で話すものなので、サト子がきつい性格をしていたわけではないのです。


 それはさておき、サト子の言うことは確かになるほどでした。

 【アイサレンダー】が好調だった【レインボー】なんかはラジオではよく耳にしましたが【ベスト・ヒットUSA】で見ることはありませんでした。【レインボー】もイギリスのバンドでしたからイギリスチャートでは上位だったらしいのですが、アメリカではそこまでヒットしていなかったのです。

 なので、当時絶好調でロック少年の興味の的だった【MSG】にしても【スコーピオンズ】にしても【ホワイトスネイク】にしても、【ベスト・ヒットUSA】に出ることはなかったのです。

 そうは言っても、先に述べたように憧れの地の音楽文化に触れる【ベスト・ヒットUSA】は毎週楽しみでしたけどね。


 話を進めます。


 中学も三年生となり、私たちもちょっとだけ受検モードになったりもしましたが、それでもまだ夏休み前後は【ジャーニー】【フォリナー】【ローリング・ストーンズ】に喚起を上げ、【ベスト・ヒットUSA】を見てあこがれの地のアメリカ文化に触れるということに夢中でした。

 もちろん、アメリカのミュージックシーンにかぶれて、【QUEEN】から遠ざかっていたわけではありませんでした。


 1981年の夏と言えば、強烈な思い出があります。

 その昔、海外のロック・ミュージシャンの演奏している姿の映像を特番というかたちで放送していた番組がありました。

 それも、ロック=不良と言われた時代に、天下の国営放送であるNHKが放送していたのです。

 その名も【ヤング・ミュージック・ショー】。

 【キッス】も【レインボー】も【ディープ・パープル】も【ジャーニー】も【ロッド・スチュワート】も【REOスピードワゴン】も、そして【QUEEN】のライブも放送されたのです。


 夏休みの真ん中ぐらいだったでしょうか、【ヤング・ミュージック・ショー】に【QUEEN】が出たのです。

 それまでもサト子の家で【ザ・ゲーム】からのシングル曲の映像は観たことがありました。でもライブの映像というのは初めてだったのです。

 赤い革パンツで上半身裸のフレディが歌っていました。【ジャズ】の頃のツアー模でしょうか。

 あの時の私の周りは誰もビデオを持っていませんでしたので、録画することが出来なかったのが非常に残念だったのをよく覚えています。


 あ、今はユーチューブに上がっってますね。

 本当に今は便利な時代です。



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― 新着の感想 ―
[一言] 小林克也だと思う。 小林勝也という俳優もいるけど……。
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