化物語
大学1年生の真夏の夏休みの昼下がり。
俺は本当に暇してた。暇というかやる事も無いし彼女もいない。はたまた勉強する気なんて全然起きない。。。
暑い!暑すぎる!なんもすることねぇ!
そう思い立った俺はおもむろに携帯を取り出し、出会い系もどき、いわゆる今で言えばマッチングアプリに登録したのである。
そう、俺はアルバイトをしていたが、お金は人並み以上に無かった。
金なんてかけられねぇ・・・・そうだ、無料で手軽に出会えるサイトを見つけ出し、女の子と遊ぶんだ!
そう思い立った俺は携帯を猛烈な速さで打ち込み、すぐさま複数のサイトに登録し、自撮りをして画像をアップロードした。
「プロフィール?ん〜・・・そうだな・・・。 はじめまして!よろしくお願いします!趣味は映画鑑賞やカラオケや飲みが趣味です! 」
本当にありきたりな文章を残し、俺は無事出会い系に登録したのであった。
いきりたった俺は、
「よし!バンバン女にメッセージ送りまくってデートに誘うぞ!数撃ちゃ当たる!」
そう思った俺は、100人くらいにメッセージを送りまくった。
その中の一人がヒットした。
「よし!やれる!やれるぞ!今すぐやる!」
俺は脳汁がでまくっててもうそれ以外考えられなくなっていた。
女「はじめまして〜、よろしくお願いします!写真はあなたですか?!かっこいいですね♪今度どこかへデートに行きたいですね!」
俺「あ、ありがとうございます!(少し加工したのが思いの外よかったなwww)今度というか今からお茶しませんか?近いし、今からどうですか?(脳汁プシャー)」
女「今から?!良いですけど、1時間後くらいになっちゃいます・・・」
俺は本当にテンション爆上がりで、速攻シャワーを浴び、体をめちゃくちゃ洗った。
俺「全然いいですよ!じゃぁ1時間後に駅で待ち合わせしましょう!あなたの写真も本当に可愛いです!マスクしててちょっとお顔がわから無いけど、スタイルも良さそうでめっちゃ可愛いです!」
女「え〜照そんな事ないですよぉ笑笑、あったら別人かもしれませんよ?笑笑」
そんな甘いやりとりをしつつ、俺は猛スピードで準備し、15分前くらいに駅についていた。
あーはやくこねぇかなwwwwwどんな美女が来るんや???待ちきれ無いぜwwwwうはうはwwww
そう思った俺はLINEを今かいまかと待っていた。
女「ごめんなさ〜い泣 電車にちょっと遅れて、10分くらい遅刻しちゃいます泣」
はぁーー可愛いなwwwwちゃんと報告してくれて、なんて可愛らしいんだ・・・。本当にタイプだ・・・抱こう・・・もしくはすぐホテル行こう。むしろカラオケで・・・。むしろ結婚しよう・・・。
そんな事を思っていたら、LINE電話がなった。
女「ごめんなさい・・・遅れて・・・。今どこらへんにいますか?」
俺「全然大丈夫だよー俺も今さっき来たところだから!(なわけねぇだろ40分前からギンギンなんだよこっちはよ!)
駅のコンビニの前でまってるよー!」
女「はぁぃ、ごめんなさい、今行きますね!」
はぁーなんて可愛いんだ。ちゃんと謝罪も出来て敬語も完璧だ。結婚しよう。
そう思って、ついにその瞬間が来た。
・・・・・・・・・・・・・ん?
女「おまたせぇ!」
俺「・・・・・・いえ」
この世のものとは思えない巨体、そして俺より身長がでけぇ・・・・俺175センチあるんだぞ?wwwwwは?www
俺は本当にきょとんとしてしまった。普通に生活しててもこんな巨体な巨人にお目にかかれ無いほどのデカ物。
可愛いならまだしも本当に醜い。ドン引きして声も出なかった。
女「じゃぁ、どこにいくー?カフェ?カラオケ?」
俺「・・・・・とりあえずちょっと歩きましょう・・・」
俺はとりあえず歩きながら今の現状を理解しようと頑張った。
頑張ったが、頭が真っ白。俺の息子はしょんぼり。
こんなやつと隣で一緒にあるきたくねぇ。マジで今すぐ帰りたい。
そう思った俺は、考えを完了した。よし、すぐ帰ろう。
俺「あ〜ごめん、友達に急に呼ばれて、行く事になったんだよね。また今度誘うわ!」
女「は?、何?ありえない。カラオケいこーよ!」
ありえないのはこっちのセリフなんだが。お前とカラオケいって何すんだよ。お前と密室の空間にはいりこみたくねぇ。何か変なものに感染しそうだわ。
そう思った俺は足早に歩いた。
振り向きざまに
俺「ほんとごめんな、じゃぁー帰るわ!」
女「まってよ!」 俺の袖をガバッと掴む。
俺はその一瞬で手をバッと離し、つかんだ裾をふりほどいた。
そのまま俺は無言で駅のホームを通り過ぎて行った。
俺「くっそマジやべぇwwwwwあぶねぇ食われるとこだったwwwwwwてか写真と全然ちげーじゃねぇか・・・・何これいわゆる写真詐欺じゃねぇか。マジでびびった。・・・・・家に帰って漫画みよう・・・。」
内心バクバクしていたが、これが俺の最初の出会い系。一人目であった。
トラウマもんだが、これから何百人と会う一人目がこのデカ物でよかったと心の底から思ったのであった。
これを乗り越えればもうどんな怪物が来ても怖くねぇw
次はるんるんであってやるぜw
そう電車の中で決意した日だった。
〜その1〜 完