夏の新潟県大会(三年時)組み合わせ決定、二回戦
「組み合わせ決まったってさ。今、ミナガワからLINEが来た。俺達、松高は、第一シードで二回戦からの登場となる。羽茂高校VS新潟西高校の勝者とあたる。」
「準決勝位までは心配無さそうだな。」
「順当に行けば、三回戦で春ベスト8の五泉高校、準々決勝は昨夏準優勝の実力校の中越高校と、準決勝は第四シードの新潟明訓高校、決勝は日本文理高校だな。」
「まぁ、何があるかは分からん。勝負に絶対はないからな。」
「集合!」
「うーす!」
「夏の甲子園新潟県大会のメンバーを発表する。」
「1番ホシノ、2番コンドウ、3番ミナガワ、4番イトハラ、5番シノダ、6番カネトモ、7番クリバヤシ、8番オカダ、9番ムカイ、10番ウエハラ、11番ショウジ、12番ツチムラ、13番マスオカ、14番アリアケ、15番フクドメ、16番フジオカ、17番トバシラ、18番キタジマ、記録員タカハシセイコ、以上だ。ベンチに入れなかったメンバーも、ベンチに入ったメンバーのサポートや応援に徹して欲しい。コーチや監督サイドから見たベストメンバーを選んだつもりだ。異論はあるだろうが、ここは納得して貰いたい。」
「安パイで来ましたね。」
「サノかキタジマかですごく悩んだが、経験を積ませるという意味でキタジマを選んだ。」
「皆、いよいよだぞ!二年以上待ち続けた舞台だ。気合い入れてくぞ!」
「うーす!」
「松高ーーファイオシ!!」
二回戦の相手は新潟西高校だ。先攻は松高。先発はエースホシノを送った松高ベンチ。ヤマナとマツゾノ両コーチはスタンドでベンチに入れなかったプレーヤー達と声援を送った。
「礼!」
「うーす!」
(こんな所で負けたらプロも何もない。)
松高打線は初回から大爆発。短打に長打にホームランに打順を2回りして、19点を荒稼ぎした。投げては流石のエースホシノが五回を投げて新潟西高校打線を零封。球数も51球とかなり抑え目に出来た。結局松高は、小刻みに得点を重ね61-0で五回コールドゲーム勝ちで順当に三回戦進出を決めた。
「ヤマオカさん。松高初戦突破したみたいですよ?」
「1、2回戦で散るようなチームにお目かけなんかするかい。」
「相変わらず、すげぇ破壊力だな。見てて惚れ惚れするぜ。」
「良いチームだな。ヤマナ君。」
「ナゲシマ監督!?どうしてここに?」
「ここに君がいると聞いてな。で、考えはまとまったかい?」
「松高の三年生が甲子園で優勝するまでは、返事待って貰っても良いですか?」
「じゃあ来季からジャイアンズの打撃コーチ引き受けてくれるか?」
「まだ未定です。高校野球に未練が残る様ならこの話は白紙です。」
「俺は待っているぞ。縦割巨人軍第100代四番ヤマナヒデキはこんな所にいる男じゃない。」
「もう少しだけ時間を下さい。」
「分かった。」
「おい、ヤマナ?今のってジャイアンズのナゲシマ監督だよな?」
「打撃コーチの打診を受けててな。」
「良い話じゃねぇか?」
「松高がどこまで勝てるかによるな。」
「それは少し分かる気がする。」
「プロも良いが高校野球の虜になっちまったんだな。」
「安心しろ。松高は必ず日本一になる。それが果たせたなら、プロのコーチ引き受けても良いんじゃねぇか?」
「日本のプロも良いんだけど、それならもう一度海を渡りメジャーの監督になる。」
「そりゃ、すげぇや。何なら俺も着いていくわ(笑)」




