春期北信越大会(3年時)準々決勝、準決勝
北信越大会一回戦。接戦を制したのは高岡商業高校だった。6-6でむかえた九回ウラ。相手の松商学園高校のエラーで出塁したランナーを最後はセンターオーバーのタイムリーツーベースヒットで返し、サヨナラ勝ちで高岡商業高校が二回戦進出を決めた。
松高は高岡商業高校のスカウティングも終え、北信越大会初戦に臨む事になった。
「集合!」
「うーす!」
「先発はマスオカ。オーダーは、一番センター、オカダ 二番ショート、カネトモ 三番ライト、クリバヤシ 四番サード、コンドウ 五番ファースト、ミナガワ 六番レフト、ムカイ 七番キャッチャー、アリアケ 八番セカンド、イトハラ 九番ピッチャー、マスオカ 以上だ。気合い入れてけよ。」
「うーす!」
「松高ーーファイオシ!!」
「礼!」
「うーす!」
先攻は高岡商業高校。
「頼むぞ二年生バッテリー。」
「信頼しての起用なんだ。4、5点なら取られても取り返す。だから、気楽に投げろ。」
「うす!」
初回ウラ松高の攻撃。ツーアウトランナー二塁で、迎えるは四番サードのコンドウ。ここは一発「来た!」ビュン、グワキーン(行け行け行け)入った!先制ツーランホームラン、高岡商業高校のエースから2点を先制。これに続くかのように、松高打線打線はスパークした。五番ミナガワから連打連打で、6点を上げた松高は二回以降も、小刻みに点を積み重ね五回迄に15点を上げた。投げてはマスオカが五回を投げパーフェクトピッチングで高岡商業高校打線をシャットアウト。松高は、15-0で五回コールドゲーム勝ちをおさめ準決勝に進出した。
準決勝の相手は、石川県第二位の日本航空石川高校との対戦となった。松高の先発は左のエースウエハラ。オーダーはいつも通りいじらず、右打者多めの打線を組んだ。先攻は松高。初回は三者凡退。続く二回表、先頭の四番コンドウがツーベースヒットで出塁すると、続く五番ミナガワがキャプテンの意地で技ありのツーランホームランをレフトスタンドに叩き込み2点を先制。続く六番シノダも続き、3-0。その後は続かず3点どまり。すると、三回ウラ。ウエハラが大乱調。フォアボールと、死球で、ノーアウトフルベース。ここで打席には日本航空高校石川の主砲オオズツ。ウエハラも反省した二球目の甘く入ったスライダーをジャストミートされ、風にも流されライトスタンドに叩き込む満塁本塁打で、4-3と試合をひっくり返された。
だが、四回表。フォアボールとヒットでたまり、迎えるは、四番コンドウ(コンドウ、ファーストストライクをズドンだ。)(うす!)(敬遠はしないよな?)
(いいなムラカミ?無謀な勝負は禁物だ。)
(でもどうせ俺のストレートは打てねーよ。)
来た!ビュン、グワキーン(ほら言わんこっちゃない。)
「こりゃあ行ったな。」
甘いストレートなんざ奴等の奴等の(松高)前ではホームランボールそのものだ。再びコンドウのスリーランホームランで、6-4と試合をひっくり返した松高は、結局このまま継投策に出た松高が、小刻みに点を積み重ね14-4で七回コールドゲーム勝ちし、決勝に進出した。




