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凱旋

 春の県大会で優勝した翌日。新聞やニュースで松高野球部(ブルークラッシャーズ)が優勝したのを知った在校生が、朝練を終えた野球部の部室に押し掛け殺到した。

 「すげぇじゃん。野球部見直したわ。」

 「俺達野球の事はよく分かんねーけどおめでとう。」

 「なぁに、こんなの余興よ。日本一奪還を目指す俺達松高野球部(ブルークラッシャーズ)にとっては通過点だぜ。」

 「おい、オカダ。あんま調子乗るな。」

 「まぁ、それは事実なんだし、それくらい言わせてやれよ。」

 「ホシノ…。」

 「次は北信越大会だ。相手は全国レベルの強豪ばかり。気合い入れ直して行こう。」

 「うす!」

 その日の全校集会で、野球部が表彰されたのは無理もない事だった。山岡と笹岡のいる全日スポーツを始め各種スポーツ新聞や新潟日報は、松高の躍進を大々的に報じた。

 「お前ら、もっと喜べよ。2年間我慢してようやく手に入れた新潟県優勝じゃないか。」

 「下山監督、俺達松高野球部(ブルークラッシャーズ)の目標は日本一です。こんな所で俺達の失われた2年を喜ぶのは、早すぎます。」

 「じゃあ次は北信越大会優勝だな?」

 「うす!」

 「とか言いながら、一番嬉しいのはお前らじゃねーか?」

 「ばれちゃいましたか?」

 「へへへ。」

 それから1週間後、北信越大会の組み合わせが決定した。北信越大会はトーナメント方式で、一回戦はシードの為なし。準々決勝からの登場となった。二回戦は長野県第二位の松商学園高校と富山県第二位の高岡商業高校の勝者と準々決勝を戦う。勝てば即ベスト4。準決勝の有力高校は、石川県第二位の日本航空高校石川か勝ち残れば、新潟県三位の新潟江南高校という、事も有り得る。決勝は高い確率で、石川県第一位の星稜高校であろう。日本文理高校が奮起すれば、同県同士の決勝という事も無くはない。

 出場高校は以下の通り。15チーム。

 石川県第一位星稜高校、石川県第二位日本航空高校石川、石川県第三位游学館高校。

 福井県第一位敦賀気比高校、福井県第二位北陸高校、福井県第三位福井工業大学付属高校。

 長野県第一位佐久長聖高校、長野県第二位松商学園高校、長野県第三位松本工業高校。

 富山県第一位富山第一高校、富山県第二位高岡商業高校、富山県第三位富山東高校。

 新潟県第一位松浜高校、新潟県第二位日本文理高校、新潟県第三位新潟江南高校、以上15チームである。

 各地区一位同士は一回戦で当たらない様にし、変則的トーナメント方式を採用する。

 「げ?マジで!?」

 「どした?」

 「これ見てみろよ。」

 「うわぁ!?」

 「日本文理高校ご愁傷さまだな。」

 「とか言ってる、俺達も油断出来ないぞ。」

 「分かっているって。ま、地方大会に髭が生えた様な大会だ。楽勝だよ。」

 「意義なし‼だな。」

 「選抜ベスト8の敦賀気比高校も、石川県第一位の星稜も全部日本文理高校が倒してくれる。だろう(笑)」

 「ここに来て他力本願かよ。」

 「まぁ、どことあたるにしても松高打線(ブルークラッシャーズ)が、打って打って打ちまくって勝つんだ。」

 「うす!」

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