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全国高校野球選抜大会(3年時春)

 第四回山田玄助杯から約三ヶ月…。ついに勝負の年となる球春が到来した。

 「選抜、俺らも出たかったな。」

 「まぁ、山田玄助杯でぼこぼこにしたんだから良いんじゃね?」

 「山田玄助杯二位の青森山田高校を筆頭に日大三高や、高知明徳義塾高校に、大分明豊高校や北海道の北海高校も出るみたいだぜ?」

 「でも、やっぱり優勝候補筆頭は大阪桐蔭高校だろ?」

 「ここは大穴で日本文理高校で。」

 「無いことは無いけど、冗談キツいぜ?」

 「勝負はやってみなきゃ分からん。」

 「下山監督…。」

 「冬に脂が乗ったのは、俺達だけじゃない。全国4000高校以上のライバル全てを倒して日本一になるのは並大抵の事じゃない。」

 「まぁ、そう深刻に成らずとも、俺達松高(ブルークラッシャーズ)がいれば楽勝っすよ。」

 「ん?誰だお前ら?」

 「申し遅れました。松浜中出身クボタトシヒコと言います。ポジションはピッチャーで右投げ左打ちです。」

 「お前が期待のルーキーか?」

 「よし、十球位投げてみろ。受けてやる。」

 「学ランすよ?」

 「脱げ。」

 「悪い。セイコさん、松高のユニフォーム持ってきて。」

 「困ったな…。軟式のボールしか投げたこと無いんだよな。」

 「はい、これユニフォーム!」

 「着替えて。」

 「ストレートだけで良い。」

 「行きまーす!」ベシーン。

 「この制球力とこの球速だと、ベンチには入れないな。うちは投手力豊富なんだ。ま、いきなり脱げ、投げろは可愛そうだな。夏まで時間は多少ある。サノを越えてみろ。」

 「サノ先輩?ですか?」

 「うちの六番手のピッチャーだ。サノ、見せてやれ。」

 「うす!」

 バシーン、バシ、バシーン、パーン

 「す、スゲェ。」

 「せめてこのくらいに成らないと俺らの代ではベンチには入れないな。ま、がんばれクボタ。」

 「投げ込みたいなら付き合ってやるぞ。」

 「貴方は一体何者ですか?」

 「申し遅れました。松浜高校不動の四番日本No.1キャッチャー、コンドウケイタだ。チームの副主将(サブキャプテン)を務めてる。」

 「じゃあ主将(キャプテン)は?」

 「ファースト守ってるミナガワがキャプテンだ。」

 「お前らは一応期待のルーキー達だが、ついさっきまで中学生だった奴が一軍に入るのは、並大抵の努力がいる。スペックもな。とりあえず、今は選抜のスコアリングでもしてろ。ボールやバットに触るのはまだ早い。」

 「うーす!」

 「返事は一軍入りしてんな(笑)」

 結局この年(3年時春)の選抜は、下馬評通り大阪桐蔭高校が優勝した。

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