第四回山田玄助杯VS青森山田高校戦決着
「スッスゲェ!甘く入って来たとは言え、150㎞オーバーのナカモリさんの速球を、逆方向に。」
「毎日やってる神スイングの賜物だな。コンドウ!ナイスバッティングだ。」
「うす。」
「ササオカ?山田玄助杯V4見たかナカモリ!コンドウ意地の一発。これ一面の見出しでよろしく。」
「よろしくって、まだ試合終わってませんよ?」
「経過はお前に任せる。」
「どうせ、青森山田は疲労困憊のエースを使い続けるしか策はない。松高打線に喰われるのも、時間の問題だな。多分松高サイドにはその辺りの情報は行ってる筈だ。」
「ファーストストライクをヒッティングってな。」
ヤマオカさんの言う事は当たっていた。週をまたいでの10連戦とは言え、ここ最近三試合は失点がかさんでいて、打撃陣に頼り任せの9連勝だった。
「よっしゃ、もう一本。」
「これでとどめだ!必殺神スイング‼」
グワキーン、2打席連続満塁本塁打高校野球史に残る大記録だが、これはあくまで練習試合。参考記録にしかならなかった。結局、ホシノが青森山田高校打線を零封し、ツチムラが五回を零封。11-0で五回コールドゲーム勝ちした。大会は、全試合五回コールドゲーム勝ちした松高が大会四連覇を達成し、最終結果は以下の通りとなった。
一位、松浜高校
二位、青森山田高校
三位、日本大学付属第三高校
四位、松浜高校二三軍
五位、高知明徳義塾高校
六位、浦和学院高校
七位、明石商業高校
八位、大分明豊高校
九位、中京学院大学付属中京高校
十位、広島工業高校
となった。この結果はスポーツ紙各社でも取り上げられ、松高の名が天下に轟く事になった。V4を達成した松高は、連勝記録も伸ばす事になった。
「並みいる強豪の中で、松高二三軍が四位に入ったのは松高の選手層の厚さを、現してる。大健闘だな。」
「ヤマオカさん。」
「今回は部長もgoサインを出してくれた。そのお陰で、こうして新潟の名門の復活を内外にアピール出来た訳だな。」
「この冬を越えて、春の県大会からは、遂に公式戦復帰となる。恐らく松高は、夏の甲子園に向けて、全力で来るだろう。まずは春の県大会で優勝して、夏の甲子園予選の第一シードを確保しに来る。」
「もし仮に、松高が甲子園に出るような事があれば、一躍優勝候補筆頭に躍り出るだろう。」
「強力な打撃陣に強固なブルペン。全員がドラフト候補とも言える。」
「ヤマオカさん。そりゃあちとオーバーじゃないですか?」
「いやオーバーなんかじゃない。下山監督に聞いてみたいよ。どんな練習をさせれば、これだけ強いチームになるのか?という事を。」
「なぁ、ケイタ?」
「どうした?トウマ?」
「マック行かない?」
「ああ、わりいな。折角の御誘い非常に嬉しいんだが、あと250スイング残っているんだ。」
「いいよ。先行って待ってるから。」
「分かった。終わり次第行くよ。」
「しかし、コンドウの奴はよくやるよな。二試合やって、更に500スイングやるって並みの人間のする業じゃないぜ?」
「マスコミも、俺達の事を認識し出したな。」
「ケイタはきっとドラフトにかかると思うよ。」
「そう言うホシノも、ドラフト狙ってるだろ?」
「いや、俺は大学進学を考えているから、俺のドラフトは四年後だな。」
「なーに夢物語肩ってんだよ?」
「いいーじゃねーか。プロになれるなら何でもやるぞ?俺は。」
「どうぞご自由に。ケイタ遅いな。」




