VS浦和学院高校、大分明豊高校
「浦和学院っていやぁ、関東の名門じゃねーか?それに明治神宮大会ではベスト4に入ってるし。」
「大分の明豊も九州大会で準優勝の強豪だぞ。」
松高は、大会二日目の第二試合で、浦和学院高校と、第五試合で大分明豊高校とあたる。
「ま、やってみれば分かるっしょ?」
「だな。間違いねぇ。」
「集合!」
「うーす!」
「この浦和学院高校との試合は、先発はショウジに任せる。気合い入れてけよ!」
「うす!」
「投手以外のオーダーは、昨日と変わらん。」
「松高ーーファイオシ!!」
「礼!」
「うーす!」
「お、ヤマオカさん、始まりましたよ!」
「さーてと。」
「いくら朝に弱いからって昨日定時であがっといて競馬の予想で眠れなかったってどういう事なんすか?」
「あ、松高点入ったみたいですよ?」
「ソロホームラン、四番のコンドウケイタか?」
「身長172㎝体重88㎏たっぱはないが、どっしりしていて安定感がありますね。高校通算70ホームラン打点200点オーバーの化け物キャッチャーです。続く五番ファーストのキャプテン、ミナガワは身長191㎝体重105㎏の体格を生かしたダイナミックなバッティングには定評がありますね。」
「キーン‼これも入りましたよ。二者連続ホームラン。これで3-0。ウラガクは、エースのサイキが投げてるんだが、今日は今一つパッとしねーな。やっとスリーアウトか。」
初回からバンバン畳み掛けるのが松高打線の特徴である。
「松高の先発はショウジか。左投げ左打ちの松高では貴重なサウスポーの三番手ピッチャーだな。」
それでも、150㎞近いストレートにカーブやスライダーにシンカーと多彩な変化球も操る技工派だ。
「九球で三振三つ。ウラガクのうるさい一~三番に何もさせなかったな。」
松高打線は、今日も好調で、五回迄に14点を荒稼ぎした。
五回のウラの浦和学院高校の攻撃。ここまで完璧なピッチングを見せていたショウジに代えてクローザーのツチムラを起用した下山監督であった。
「ヤマオカさん!クローザー出てきましたよ!」
「あ、そう。…え、マジで?」
「161㎞!うわ、もう特ネタだ。これ。」
結局松高はクローザーのツチムラが、三者凡退に抑えて、14-0(五回コールドゲーム勝ち)し、三連勝スタートとなった。続く、大分明豊高校との試合は、先発マスオカ、キャッチャーアリアケの一年生コンビを投入し、コンドウは四番サード
で先発出場した。試合は終始一貫松高のペースで進み、コンドウは三安打五打点一ホームランの大活躍だった。試合は、マスオカが五回をパーフェクトピッチング。大分明豊高校打線を零封。七番レフトムカイの決勝スリーランホームランで12-0。五回コールドゲーム勝ちした。これにより、リーグ戦土付かずの四連勝とした。
「サンスポさんには悪いが、この大会の結果はうちが独占ネタとして、スクープさせて頂きます。」
「ヤマオカ!お前上司だろ?クマガイの責任しっかり持てよ?」
「ハリマ部長、お任せ下さい。」
「今日までの山田玄助杯の結果明日一面に出す。許可を出す。」
「って事何で、ゲラあがってるサンスポの方が一足先に記事になりますけど?」
「畜生。」




