V3~三連覇~
流石はスポ選で来ただけの事はある。マスオカの球速は150㎞に迫るものがあるし、変化球もスライダーやカット系のボールにカーブにスプリットフィンガーファストボールもあり、プロのバッターでも打てない、逸材が松高の八回のマウンドを任された。
その男の相棒のキャッチャーはアリアケカイ。3点のリードがある。
「九回まで行ければ、こっちのもんだ。うちのブルペンで最強の男が締める。マスオカ、だから心配しないでこの回を0点で頼む。」
「うーす。」
(下位打線だからって油断すんなよ。マス?)
(わーってるよ。リードはいつもお前がしてるだろ?打たれたらお前の責任だからな。アケ?)
第一球アウトローのストレート。
「ストライク!」
(ファーストストライクは打ちに来なかったか?いや手が出ずか?)
第二球インローのカーブ。
「ストライク!」
(はぁ?打つ気ねぇのか?じゃあ最後は…。)
バシッーン
「ストライク!バッターアウト‼」
「中々腹が座ったリードだな。」
続く八番打者はスプリットフィンガーファストボールで空振り三振、九番打者はど真ん中の真っ直ぐをレフトに打ち上げスリーアウトチェンジ。
鬼門の八回を何とか乗り切った。
松高八回ウラの攻撃は、途中出場の七番キャッチャーアリアケから。アリアケは三球目のストレートをセンター返し。続く八番カネトモは、送りバントを初球で決めて、ワンアウト二塁と得点圏にランナーを送る。
続く九番ピッチャーマスオカの所で代打クリバヤシ。しかし期待に応えられずライトフライ。一番に戻ってオカダ。クワキーン‼目の覚める様な一打だった。センターオーバーのタイムリーツーベースで一点を追加。決勝打とも言える一撃だった。結局三番フクドメは三球三振でチェンジ。
いよいよ九回の攻防。マスオカに代わり、守護神のツチムラがマウンドへ。これにより、サードにいたコンドウがキャッチャーに入り四番。七番アリアケに代わってサードにクリバヤシ。九番サードクリバヤシ。以上のシフトに変わる。
(お、今日は一段とストレート走ってるな?)
「本来ならマスオカもコンドウが受けて欲しいんだが、早いうちから実戦経験をアリアケには積んで貰いたいからな。特にこういう競った試合では、普段の練習の成果も出てくる。そこら辺はマスオカとアリアケのバッテリーはちゃんと出来ていたな。」
日本文理高校最終回のトップバッターは、塁に出すとうるさい、一番打者だが、ツチムラは155㎞のストレートで三球三振。続く二番打者も、投手フライにしとめ、後一人。
(お、ツチムラ乗ってきたね。そしたら大胆なリードで、ゲームセットだ。)
「ストライク!」
「ボール。」
「ボール。」
「ストライク!」
「ボール。」
(フルカウントか…。ならば!)
(今日の俺はライジングだぜ!)
「ストライク!!空振り三振。ゲームセット。」
4-0で松高の勝利となった。以上の結果1位松高、2位日本文理高校、3位新潟南高校、4位北越高校となり、松高は大会三連覇を達成しV3を達成した。




