二軍VS三軍
新入部員が入部してから三日目にして、早くも二軍と三軍によるベンチ入りをかけた争いを兼ねた紅白戦が行われる事になった。
「二軍の先発オーダーは、一番センター、スズキ 二番セカンド、ムカイ 三番ライト、クリバヤシ 四番ファースト、カケフ 五番レフト、アラガキ 六番サード、エナツ 七番ショート、ヤマグチ 八番キャッチャー、トバシラ 九番ピッチャー、サノ 一方三軍の先発メンバーは、一番セカンド、ササキ 二番ショート、エイクラ 三番ファースト、タケナカ 四番キャッチャー、アリアケ 五番ピッチャー、マスオカ 六番サード、コバヤシ 七番ライト、クリス 八番レフト、ヤマダ 九番センター、タカハシ 以上のメンバーで対戦する。尚、時間の都合上五回までとする。尚、今の段階で呼ばれなかった者はベンチ外確定となる。」
「集合!」
「うーす!」
「絶対中坊上がりにゃ負けん!」
「下克上してやるぜ!」
「松高ーーファイオシ!!」
「礼。」
「始まったな。」
「ああ。注目は三軍のマスオカとアリアケのコンビだな。」
「後はいつもベンチを温めてきた二軍の先発メンバーが何処まで戦えるか…。だな。」
「控えの席は悪いが俺達の場所にさせてもらいまshowストレート!」
「バシーン、ストライク!」
「速いな。148㎞かぁ。威力抜群だな。」
「調子を落としてるスズキにはちと辛い球だな。」
「三振、三振、三振!!」
「しゃあ!」
この回二軍は無得点。初回ウラ三軍の攻撃。
「先輩頼みますよ。」
リリーフの一角だが一番実力で劣るサノを二軍の先発に持って来た。
「そう簡単には打たせないぞ!」
こちらも気合いの入った投球でゴロを3つ揃え序盤は上出来のスタートとなった。
「マス?あれ使うか?」
「まだ早いだろ?」
「もったいぶっても仕方ねぇ。"あれ"使うぞ。」
(ろくに練習してねぇ、ツーシームなんか通用すんのか?)
カキーン、カキーン、カキーン二軍の二回の攻撃は全てサードゴロに終わった。
「行くぜ!」
「任せろ。」
二回ウラ。三軍の攻撃は四番キャッチャーのアリアケカイから。アリアケはサノの甘く入って来たスライダーを見逃さなかった。グウワキーン!ライトポール直撃の一発で、何と三軍が先制した。続く五番ピッチャーのマスオカも続く。ランナー一塁。六番のコバヤシが送ってランナー二塁。ここで七番注目?のクリス。(うわぁ。すげぇプレッシャー。打てるかな。サノ先輩は、コントロール良いからな。でもここで打てば、ベンチ入り出来るかもしれない。)初球はポール。二球目はストライク。三球目はボール。(ここは絶対にストライクを取りに来る。それも一番自信のある球で。)来た!グウワキーン!!完璧に捕らえたあたりはバックスクリーン場外へ消えていった。
「すげぇパワーだな。サノのチェンジアップをバックスクリーン場外に。トバシラの配球読んでたのか?ライトでも使えるならクリスも使えそうだな。」
「正直、ベンチにキャッチャー俺含めて3人も必要ないと思ってたが、アリアケはマスオカの女房役としてベンチ入りさせたいな。」
「代打の切り札としても使えそうだな。」
「下山監督!?見てたんですか?」
「最後の方をチラッとな。」
結局、そのままのスコア3-0。で三軍が二軍に勝利した。これにより、ベンチ入り、スタメン争いは激しさを増して行く事になった。




