春期全国選抜高校野球選手権大会(一年時)
球春到来。ついに長い冬を乗り越えやって来た春。秋期大会で好成績を納めた学校のみが、出場出来る春センバツ。残念ながら新潟県勢は北信越大会二回戦で敗退。北信越ブロックからは、石川の星稜(1位)と福井の敦賀気比(2位)が出場する事になっている。松高と対戦のあった青森山田や宮城の仙台育英も東北ブロック代表で、出場する。
「いよいよだな。」
「ああ。」
「はい!止めー‼」
「今からセンバツ始まるんすよ?」
「見る時間があったら練習だ。」
「うーす!」
「なぁ、何処が勝つと思う?」
「んー、個人的には星稜に勝って欲しいかな。お前はどう思う?」
「仙台育英や青森山田がどこまで強くなってるか楽しみだな。」
「あー!センバツが気になって練習に集中出来ない。」
「確かに。」
「下山監督!どうにかして下さい。」
「ん~、仕方ない。集中力を欠いた練習は故障の原因になる。観戦を許可しよう。」
「よっししゃあ!」
「沖縄の興南に、青森山田もう三回か。エースの投げ合い。俺達が秋にフルボッコにした頃よりパワーアップしてるな。」
「そりゃそうだろ。っつーか、投げてんの2年の松宮じゃん。俺達の倒すべきピッチャーは1年生エースの古川だろ?」
このまんま両チーム得点なしで九回ウラ青森山田の攻撃。ツーアウトランナー無しで、代打古川。フルカウントまで粘ってからの、6球目をセンター返しで出塁。この後、2盗、3盗とスチールを決め、興南バッテリーにプレッシャーを与える。打者に気を使いすぎたか低めの変化球をジャッカル。ボールを後逸した瞬間古川がホームに突入。青森山田が初戦をエースの活躍で勝利した。
「って、感じでした。」
「ふっ、最後の方実況みたいになってんじゃねーか?(笑)」
「にしても、これで二回戦進出か。青森山田もこの冬で一皮剥けたみたいだな。」
「それは俺達松高も一緒でしょ?」
「お、次の試合星稜と仙台育英がベスト8をかけて戦うみたいだぞ!」
「敦賀気比もまだベスト16に残ってる。」
「どのチームも冬を上手く乗り越えている様だ。って所が分かったところで、練習試合を頼んでみた。」
「え?どことやるんですか?」
「新一年が合流して初めての週末4月第2週だな。」
「お、新一年?」
「松高は公立高校だからな、入試が終わってみないと、分からん。」
「とか言っちゃって、推薦で粋の良い一年採ったりしてるんじゃないすか?」
「あ、監督。ちなみに推薦で得た2名は投手、野手どっちすか?」
「おいおい、何処から情報が?現状はノーコメントだ。」
「まぁ、有力なのは松浜中から進学してくる野球部員だな。」
「でも、よく野球部の推薦枠2名も貰えましたね?」
「お前らが活躍すれば、もっと推薦の枠も質も増えるさ。さ、行くぞ!」
「え?どこに」
「ばぁか!練習だよ。」
「ちなみに練習試合は××高校を予定している。」




