表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/136

日本高等学校野球連盟

 「日本高等学校野球連盟…?だったかな?」

 通称高野連に今回の試合については報告はした。取り合ってくれるかは別にしても、主軸潰しは、高校野球の精神に反する行為であり、断じて許されない行為である事に違いはない。と高野連に強く抗議を電話で伝えた。

 その頃…。高野連新潟支部では…。

 「松高の主軸潰しだって?あの成績優秀文武両道の新潟南高校が?…ねぇ。で、松高は厳罰を求めていると?」

 「ええ。チーム再建以来県内外のチームに全てコールドゲーム勝ちしているその実力は、折り紙付きです。」

 「報告によると、四番バッターのコンドウケイタの頭部へ明らかな死球が二球。うち一球は頭部に命中しています。続く五番キャプテン、ミナガワにも危険球を投げられています。」

 「こりゃあ、理事会に掛け合ってみよう。その上で処分を下そう。」

 二週間後。

 「おい、聞いたか?ナンコーの奴等二年間の対外試合禁止だとさ。公式戦も勿論ダメ。」

 「マジかよ。それ、どこ情報?ミスター下山?」

 「もうお前らも知っていると思うが、我々も後がない事に変わりはない。同校と同じ轍は踏まぬよう各員気を引き閉めろ!以上解散!」

 「うーす!」

 11月に入ると気温がぐっと下がる。越後の冬は雪で屋内施設限定となる。練習試合が出来るのは、せいぜい12月上旬までだろう。それから三月の選抜を迎えるまでは、体調継続、筋力アップの為、屋内施設での走り込みや筋トレ、Bマシーンによる打ち込み、投手陣を相手にしたフリーバッティングなどが主となる。

 「おい、コンドウ!」

 「は、はい。」

 「ちょっと良いか?」

 「はい。」

 「頭の方は大丈夫か?」

 「はい。大丈夫です。」

 「そうか、それならよかった。あ、そうそう。今年最後の練習試合決めて来たぞ!」

 「お!どこすか。相手?」

 「新潟明訓高校だよ。」

 「一軍とやれそうですか?」

 「それは相手方が決める事だ。だがいずれにしても、長い冬季期間を前にした最後の練習試合だ。気合い入れて来るぞ。」

 「場所は松高第二グラウンド。所謂松スタ(松浜スタジアム)だ。」

 「お!下山節、上手い。先輩達のおかげで、確か10年前に職員用駐車場を潰して松スタが出来たって聞きました。県外のチームが来ても恥ずかしくない用にと。」

 「そうそう。職員からは猛反対されたが、当時の校長が反対意見を全て沈めたんだ。」

 「ちなみにその校長は今は何をしているのですか?」

 「もう70歳過ぎのおじいさんだからな。俺にも分からない。でも松高が甲子園に出場となれば、真っ先に出てくると思うぞ。松スタが出来てからは、松高は甲子園に出てないからな。」

 「あのぉ、話変わるんですが、ヤマナコーチって高野連に太いパイプが有るんですか?」

 「何故?」

 「いやぁ、処分が異様に早くて。」

 「知らなかったよな。悪い、言ってなかったが、ヤマナコーチは高野連の特別顧問なんだ。」

 「ええ!?」 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ