日本高等学校野球連盟
「日本高等学校野球連盟…?だったかな?」
通称高野連に今回の試合については報告はした。取り合ってくれるかは別にしても、主軸潰しは、高校野球の精神に反する行為であり、断じて許されない行為である事に違いはない。と高野連に強く抗議を電話で伝えた。
その頃…。高野連新潟支部では…。
「松高の主軸潰しだって?あの成績優秀文武両道の新潟南高校が?…ねぇ。で、松高は厳罰を求めていると?」
「ええ。チーム再建以来県内外のチームに全てコールドゲーム勝ちしているその実力は、折り紙付きです。」
「報告によると、四番バッターのコンドウケイタの頭部へ明らかな死球が二球。うち一球は頭部に命中しています。続く五番キャプテン、ミナガワにも危険球を投げられています。」
「こりゃあ、理事会に掛け合ってみよう。その上で処分を下そう。」
二週間後。
「おい、聞いたか?ナンコーの奴等二年間の対外試合禁止だとさ。公式戦も勿論ダメ。」
「マジかよ。それ、どこ情報?ミスター下山?」
「もうお前らも知っていると思うが、我々も後がない事に変わりはない。同校と同じ轍は踏まぬよう各員気を引き閉めろ!以上解散!」
「うーす!」
11月に入ると気温がぐっと下がる。越後の冬は雪で屋内施設限定となる。練習試合が出来るのは、せいぜい12月上旬までだろう。それから三月の選抜を迎えるまでは、体調継続、筋力アップの為、屋内施設での走り込みや筋トレ、Bマシーンによる打ち込み、投手陣を相手にしたフリーバッティングなどが主となる。
「おい、コンドウ!」
「は、はい。」
「ちょっと良いか?」
「はい。」
「頭の方は大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。」
「そうか、それならよかった。あ、そうそう。今年最後の練習試合決めて来たぞ!」
「お!どこすか。相手?」
「新潟明訓高校だよ。」
「一軍とやれそうですか?」
「それは相手方が決める事だ。だがいずれにしても、長い冬季期間を前にした最後の練習試合だ。気合い入れて来るぞ。」
「場所は松高第二グラウンド。所謂松スタ(松浜スタジアム)だ。」
「お!下山節、上手い。先輩達のおかげで、確か10年前に職員用駐車場を潰して松スタが出来たって聞きました。県外のチームが来ても恥ずかしくない用にと。」
「そうそう。職員からは猛反対されたが、当時の校長が反対意見を全て沈めたんだ。」
「ちなみにその校長は今は何をしているのですか?」
「もう70歳過ぎのおじいさんだからな。俺にも分からない。でも松高が甲子園に出場となれば、真っ先に出てくると思うぞ。松スタが出来てからは、松高は甲子園に出てないからな。」
「あのぉ、話変わるんですが、ヤマナコーチって高野連に太いパイプが有るんですか?」
「何故?」
「いやぁ、処分が異様に早くて。」
「知らなかったよな。悪い、言ってなかったが、ヤマナコーチは高野連の特別顧問なんだ。」
「ええ!?」




