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プラクティスゲーム その⑤-1

 今日二本目の柵越え。(ふっ、まぁこの程度の投手なら訳もない…か。ってコンドウの奴大丈夫か?)ショウジのスリーランホームランで8-0。結局この回打順が二回りして14-0。で初回の攻撃を終えた。こうなると、松高のワンサイドゲームとなり、投げては先発のショウジが五回をノーヒットに抑え、終わってみれば21-0(五回コールドゲーム)で松高が勝利した。

 「した!」

 「集合!」

 「うーす!」

 「今日は皆よくやった。明日も同校と試合がある。出場していなかったメンバーは、学校に戻り、いつものメニューをこなすように‼」

 「あのぉ、コンドウは大丈夫なんでしょうか?」

 「ああ、あいつなら大丈夫だ。様子を見て今日の試合は途中からトバシラにマスクをかぶってもらったが、明日の試合には出られそうだ。」

 翌日…。「集合!」

 「うーす!」

 「昨日は楽勝だったが、今日は秋二位の原動力となった、エース小森が先発で来る。スイスイ投げて来るタイプなので、飲み込まれないように。」

 「今日のオーダーは、一番センター、スズキ 二番セカンド、イトハラ 三番ライト、フクドメ 四番キャッチャー、コンドウ 五番ファースト、ミナガワ 六番サード、シノダ 七番レフト、ジョーシマ 八番ショート、カネトモ 九番ピッチャー、ホシノ 以上だ。」

 「おい、ケイタ?マジで大丈夫なのか?」

 「医者が大丈夫ってんだから大丈夫だろう。それよりトウマ?お前ちゃんと調整出来たのかよ?」

 「そこは心配には及ばぬ‼」

 「トバシラの奴が昨日は頑張ってくれてたみたいだけど、今日はそういう訳には行かん。敵も主力クラスを出すだろう。」

 「でもいつも通りゼロゼロエックスゲームだな。」

 「コールドゲームな。」

 「しゃあ!行くか!」

 「おい、小森?」

 「はい、監督。何か?」

 「あの四番キャッチャーのコンドウとだけは勝負するな。出来るなら怪我をさせる位のつもりで行け。」

 (シャクに触るが、監督の指示だ。従うしかねぇ。)

 「良いんですか?監督。あんな指示出して。」

 「松高打線で一番怖いのは四番と五番のプレーヤーだ。特に四番のコンドウの前にランナーを貯められて、ガツンと一発食らうケースがよく見られる。守備の要でもあるコンドウとはまともに勝負しない事が、勝利の秘訣だ。どうせ奴等は公式戦に出れないアウトローな存在だ。練習試合で潰せる所は潰す。徹底的にだ。」

 「集合!」

 「うーす!」

 「松高ーーファイオシ!!」

 「礼!」

 「うーす!」

 今日も先攻は松高。しかし、今日の松高打線は湿り気味のスタートだった。初回は両校共に三者凡退。二回表、四番のコンドウからだ。初球、すーっと。

 「うわっ!?危なっ。」

 「下山監督、やはり彼等は意図的にコンドウを潰しにかかってますね。」

 「ヤマナコーチも気付いてましたか?それならば、キャッチャー変えましょう。どうせたかが練習試合だ。」

 「審判、コンドウに代打、トバシラ!」

 「え?コンドウまだ一球も振って無いけど…。」

 「キャプテンミナガワも代打ムカイ!」

 「ちっ!バレたか。」

 「これは高野連に直訴するレベルですね!」

 「もう、新潟南高校とは練習試合はしない。」

 「公式戦で当たらない、つまり二年後の夏の大会で、ガチンコ当たらない事を望む。」

 「トバシラには悪いがケイタに比べたら三下だわ。ここは此方がリードしてやらないと。」

 五回ウラを終えて11-3。松高リードだったが、初めて失点してしまった。六回表、三番フクドメのスリーランホームランで14-3。そして、迎えた六回ウラ。ここで松高はクローザーのツチムラを投入。豪速球で、新潟南打線を寄せ付けず三人でピシャリと抑え、六回コールドゲームで新潟南高校から二連勝した。

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