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プラクティスゲーム その⑤

 1年時の10月下旬。松高は敵地で格上の秋季県大会準優勝の、新潟南高校と練習試合をする事になった。

 「これから、オーダーを発表する。一番センター、オカダ 二番セカンド、トリタニ 三番ライト、クリバヤシ 四番キャッチャー、コンドウ 五番ファースト、ミナガワ 六番サード、ムカイ 七番レフト、タケナカ 八番ショート、エナツ 九番ピッチャー、ショウジ以上だ。」

 「集合!」

 「うーす!!」

 「相手は格上だ。チャレンジャーの気持ち忘れずに、絶対勝つぞ!」

 「松高ーーファイオシ!!」

 新オーダーが吉と出るか凶と出るか、まず土曜日の第一試合が始まった。先攻は松高。一番のオカダはチーム発足時はスタメン常連だったが、打撃不振により、スズキにスタメンを奪われた苦い経験がある。ただ、守備と足の早さはオカダの方が上だ。

 対する新潟南高校の先発はオーバースローのサウスポー、持ち玉はそんなに多く無さそうだ。スライダーにフォークにカーブ。彼は控えの控えの控え。これからの成長を期待しての先発起用だろう。頭の中にあれこれ配球が巡るが、下山監督は徹底してファーストストライクを攻める指示を出した。

 案の定、オカダはスッポヌケのスライダーをサード強襲のヒットで出塁。二番トリタニは見事な送りバントを成功させワンアウト二塁で中軸クリーンナップにつないだ。

 三番は体調不良から戻って来たクリバヤシだ。100%ではないが、スタメン常連の彼に期待する下山監督の采配は当たるのか?存在感を見せるにはヒットしかない。一通り球筋を見極めたクリバヤシは六球目をセンター返し。これでランナー一、三塁。

 ここで迎えるは不動の四番司令塔のコンドウだ。一球目「あ、危ない‼」新潟南高校の先発オニカタの投じた球は、コンドウのヘルメットを直撃。満塁となる。コンドウは大事をとって医務室へ。臨時代走はトバシラ。

 迎えるはキャプテン、ミナガワ。下山監督の指示通り二球目のファーストストライクを振り抜いた。グワキーン。物凄い打撃音とともに、ボールはフェンスを越え場外へ。グランドスラムだ。

 「流石キャプテン!これで4点先制だ。」

 「ふん。このくらい朝飯前だぜ。それにあの1年の球筋は見極めた。」

 松高いきなり4点を先制。続く六番ムカイは高い身体能力を持ちながら、シノダという超高校級のプレーヤーがいるせいで、ベンチを暖めているプレーヤーだ。ここは打撃で見せたい所だが、球筋を見極め四球だった。

 七番のタケナカも、ムカイと同じ様に強肩強打の外野手陣に弾かれ、ベンチを暖める日々が続いていた。(ここは手堅くもう1点と行きたいところだが、)甘いストレートを叩いた。カキーン。打球はセンターオーバーのタイムリーツーベース。(へ、これでちったぁアピール出来たかもしれんな?)スコアは5-0

ワンアウト、ランナー二塁で向かえるは、八番エナツ。貴重なユーティリティプレーヤーだが、広く浅くのタイプのプレーヤーで、彼の長所が災いして、守備固めや代走で使われる事が多い。彼の悲しき定めもこれで終わりか?(へ、こんなピッチャー楽勝だぜ。)またもファーストストライクの二球目のカーブに上手く合わせてヒットだ。

 ワンアウト、一、三塁で九番ショウジ。自らを助ける一点を弾き返せるか。(あーあ。ここでピッチャーに期待してるようじゃ、先が思いやられるぜ。)二球目のスライダーだった。グワキーン!大きい、大きい入るか入るか…

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