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3年生

 下山監督の尽力で、俺達松高は練習試合に限って対外試合が出来る事になった。

 「それは良いけどよ、2年の悪行は加味されて無いんだな?」

 「ま、2年生の部員も心入れ換えてくれたみたいだし、知らねー方が良い事も世の中にはあるんだよ。」

 「ばれてたら無期限活動中止もありえたぞ!」

 「2年で野球部に残ってくれたのは何人ですか?」

 「30人→15人だ。残ってくれたのは皆真面目にやってた野球部員だから安心しろ。これ以上松高の看板に泥は塗れないからな。」

 「でも、何で暴力事件なんか?」

 「今の3年は特にひどかった。女の取り合いになって傷害事件。問題起こしたのはその二人だけだった。それで、その事件を起こした奴の親父が国会議員やっててな、週刊紙にリークされて、高野連の目に留まっちまったって話。それからは荒れ放題。松高史上最悪の世代と呼ばれるまでになった。」

 「あ!ドモン先輩!」

 「お?シンカイじゃねーか。ユニフォーム着て何してんねん?」

 「コンドウ、3年の主将(キャプテン)のドモン先輩だ。」

 「はじめまして、野球部主将の1年8組コンドウケイタです。」

 「1年?そりゃ入学おめでとう。」

 「何ィィ?練習に付きあえだ?バカ言うなよ。折角の甲子園、今年は久しぶりに狙えるかと思った矢先の事件だ。他の皆はトラウマになってんの。野球なんかもうどうでも良いや。それに、もうあれから半年。進学か就職活動にシフトしてんだよ。だから無理だ。」

 「俺達1年にまで迷惑かけたんすよ?責任とって、下さい。」

 「分かったよ。俺以外にも手伝ってくれる奴探してみるよ。」

 「あざっす。よろしくお願いします。」

 「コンドウ、お前度胸あるな。対して身長もねーくせに。」

 「それって誉めてくれてんすか?」

 「ドモンさんは、この辺りじゃ有名なヤンキーの頭だぞ?」

 「ヤンキーでも野球は出来ますから。」

 「ま、確かにな。」

 と、色々あった1週間だったが、4月15日全体練習初日を向かえた。

 「集合!」

 「うーす‼」

 「練習始める前に、3年の主将ドモン先輩と2年の主将シンカイ先輩、他元野球部員10名ほど来ていただいております。今日のメニューはストレッチ、ランニング、キャッチボール。が終わり次第、松高第2グラウンドでトスバッティングとB (バッティング)マシーンを使ったシート打撃、投手陣はブルペンに入って軽く50球程度。以上所要3時間位だ。居残り打撃も許可する。」

 「ストレッチはしっかりやれよ。怪我したら元も子もない。…よし、ランニング!」

 「松高ファイオ(ファイトオー)、ファイオ。」

 「おい!コンドウ第2グラウンドって何処だ?」

 「ああ、すまん。言ってなかったな。ドモン先輩に連れて行ってもらって!」

 その後は忙しかったがあっという間に時は過ぎて行った。ドモン先輩やシンカイ先輩ら先輩の力をかりてバッティングマシーンの使い方などを教わった。俺はブルペンでトウマやウエハラ、ショウジの球を受けて、居残り打撃で終わったのは、11時位だった。部室やトレーニング室の鍵をして、下山監督の元へ鍵を渡そうとしたが、もう既に帰宅後だった。どうせ明日も6時から朝練あるし自分の責任で鍵を管理することにした。

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